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崖っぷちの男

大津市の中学校であった「いじめ自殺問題」が連日報道されていますね。
飛び降り自殺の練習をさせていたなんて情報もあるほど壮絶ないじめだったようで、
衝撃を持って報じられていますが、それ以上に事態を大きくしているのは、
この件に関する学校による生徒への緘口令の事実や、
大津市教育委員会が調査内容を隠蔽していたことが判明したためでしょう。
こんな教育者が腐っている環境では、性質の悪いいじめっ子が生まれるのも必然です。
(もちろん大多数の生徒はいい子だと思いますが。)
ボクは小中高といじめを目撃したことすらありません。
それどころか不登校も一件もなかったし、不良すらひとりもいませんでした。
今思えば学校や先生の質がよく、恵まれた教育環境だったと思います。
怖い先生も多かったし、体罰もけっこうありましたが、
そのおかげで生徒の悪い芽も摘まれていたんだろうなと思います。
まぁ今回の自殺問題に関しては、警察関係者や政治家も絡んでいたとの情報もあるので、
この地域の腐った大人は教育者だけではないみたいですが。

ということで、今日は飛び降り自殺をしそうな人の物語の感想です。
この件にも腐った警察関係者が関与しています。

崖っぷちの男

2012年7月7日日本公開。
サム・ワーシントン主演のサスペンス。

元ニューヨーク市警の警察官ニック(サム・ワーシントン)は、30億円のダイヤモンド強盗の罪で投獄されていたが脱走。ニューヨークの高層ホテルで投身自殺を図ろうとしていたところを発見される。次々と野次馬たちが集まって来る中、彼は最近失敗をやらかしたばかりの女性刑事リディア(エリザベス・バンクス)を交渉人に指名する。(シネマトゥデイより)



本作は全米初登場5位とあまり成功したとは言えず、批評家の評価もイマイチで、
ボクもそれほど期待はしていなかったのですが、意外なことにかなり楽しめました。
主人公はほとんどビル外壁の棚の縁(へり)から動くことなく物語が進行する、
比較的静的なシチュエーション・サスペンスですが、
小気味の良いテンポと適切な上映時間で、ダレることなく最後まで楽しめます。
たしかに物語上の矛盾点は多々ありますが、それを感じさせない軽快な展開で、
物語にどんどんのめり込んで行きました。
正直、脚本は大したことないのでしょうが、巧い演出で楽しく見せてしまう、
ハリウッド映画らしい良質な作品だと思います。
なんだか地味そうな印象を受けてしまう概要なので、
プロモーション次第ではもっとヒットできたように思います。

邦題は『崖っぷちの男』ですが、本作で実際に男が立っているのは、
崖の縁(ふち)ではなく外壁の縁(へり)です。
原題も直訳すれば『縁(へり)の上の男』となり、物語の状態そのものを表していますが、
「崖っぷち」とは状況を表す言葉なので、ちょっと意味合いが変わってきます。
たしかに主人公の男は「崖っぷち」な状況でもあるので間違っているわけではないけど、
状態しか示されない原題の方が、より客の興味を引くタイトルだと思うので、
この意訳の邦題は、語感はいいけどあまりよく出来ているとは言えず、
面白い作品だと思うのですが、日本でのヒットも難しそうな予感です。

ニューヨークのルーズベルト・ホテルの21階の部屋にチェックインした男は、
朝食を食べ終わると、使った食器など部屋の指紋を拭き取り、
おもむろに窓の外の壁の縁に立ち、やってきた警察に自殺をほのめかします。
チェックインも偽名で、指紋もないため、警察はこの男の身元がわからず、
当然自殺しようとする動機もわかりません。
だけどすぐに男の回想が入るので、観客はこの男の身元がわかってしまいます。
これはたしかにテンポがいいとも言えますが、
観客にももう少しくらい「何者なの?」と考えられる時間があってもよかったかな?
すぐに動機もわかり、「本当は自殺する気はない」とわかってしまうと、
序盤の緊張感が少し薄らいでしまっているような気がします。
でもその後、別の場所で緊張感のある出来事が始まるので、
作品を通して、高い緊張感は維持されており、ドキドキしっぱなしです。

その男、本名ニック・キャシディ(サム・ワーシントン)はNY市警の元警察官でしたが、
無実の窃盗罪で25年の懲役刑を受けた受刑者です。
彼は自ら無実の罪を晴らすため脱獄、この狂言自殺の計画を実行しました。
その無実の罪とは、彼がアルバイトで宝石収集家の不動産王イングランダーに雇われ、
大きなダイヤモンドの警備をしていた時、強盗に襲われダイヤを奪われてしまいますが、
イングランダーから警備のニックがダイヤを盗んだと濡れ衣を着せられたのです。
この事件については全く回想が使われず、セルフによる説明だけなので、
無駄がなくテンポはいいけど、ボクには一部よくわからなかったところもありました。
ニックは、その事件がイングランダーによる盗難保険目当ての狂言窃盗だと考え、
彼がまだ持っているはずの例のダイヤを盗みだそうと計画。
協力者の弟ジョーイ(ジェイミー・ベル)が、イングランダー所有のビルに忍び込み、
ダイヤを探している間、ニックは弟から警察の注意を反らすために、
そのビルの向かいのホテルで狂言自殺を行い、警察の注意を自分に向けさせたのです。

普通に考えれば、今から盗みに入るビルの近くで注目されるようにするのは、
あまり得策とは言えない気がしますね。
まぁ狂言自殺中も無線で弟と連絡を取り合う必要があったので、
電波の受信距離が短かったと考えれば納得できないこともないけど…。
それに偽名を使っても、脱走犯として顔から身元がわれる可能性があるニックよりも、
その心配がないジョーイが狂言自殺を担当した方がいいですよね。
他にもあきらかに窓枠の指紋を拭き取っていないのに警察が気付かなかったりとか、
いろいろと疑問点はありますが、そのあたりの細かい部分は目を瞑りましょう。
でも最も疑問だったのはストーリーのことではなく、
ニックと弟ジョーイの配役が逆ではないか思ったことです。
ダイヤを盗みだすために、スパイ映画のような活躍をするジョーイに対して、
ニックは外壁の縁に立っているだけですからね。
アクション俳優として定評があるワーシントンが演じるなら、
どちらかといえばジョーイの方なんじゃないかと思いました。

しかし終盤に差しかかり、この配役で正しかったと思いなおしました。
イングランダーの手先の刑事が機動部隊を投入し、彼を捕まえようとするのですが、
彼はホテルの外壁の縁を伝って、猛スピードで逃げ回るのです。
時には縁から縁へとジャンプで移ったりもします。
地上60メートルの場所で、ブルーバックもスタントも使わないアクションで、
これはワーシントンじゃないと無理そうだな、と。
高所恐怖症の人には、ちょっと背筋が寒くなるようなシーンの連続です。
そしてクライマックス、ニックは21階の外壁の縁どころか、
屋上から地面に向けて決死のダイブを試みるのです。
「どうせ狂言自殺だし飛び降りるはずはない」とタカを括っていただけに、
まさかのダイブにはビックリしたし、縮み上りました。
(そこはさすがにスタント使ったと思いますが。)
それにしても転落防止のエアマットレスって、すごい性能なんですね。
あんなのがあるなら、自殺引き止め交渉なんてしなくても、
マット敷いて突き落としちゃえばいいと思えるほどです。

最後に意外な真実も明らかになり、痛快でこの上ないハッピーエンドで面白かったです。
今後、毎週のように超大作が公開されるサマーシーズンになりますが、
本作は超大作じゃないけど、この夏是非オススメしたい映画の1本です。

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