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コナン・ザ・バーバリアン

関西では今週末から梅田ガーデンシネマで上映される『ピラニア リターンズ』ですが、
原題の『Piranha 3DD』でもわかるように、本来は3D映画だけど、
ガーデンシネマでは2Dでのみの上映となります。
この劇場にはミニシアターということもあり、3Dを上映する設備がないのですが、
黙っていれば元が3D映画であることに気付かない客もいるかもしれないのに、
わざわざ『ピラニア リターンズ(2D)』と表記し、
「飛び出してきませんが…」と明言していることに潔さを感じます。
3D映画である『シャーク・ナイト』を上映したTOHOシネマズなんて、
3D設備も持っているくせに何食わぬ顔で2D版のみを上映してますからね。
映画業界のゴリ押しで進められた3D映画ブームでしたが、
ここにきて日本では2Dでのみ上映される3D映画が増えていることに、
3D映画否定派としては、胸のすく思いがします。
世界では未だに3D映画ブームに湧く遅れた国がありますが、
アメリカと日本ではすでに凋落傾向なので、あと2~3年で完全に鎮静化するでしょう。

ということで、今日は元3D映画の感想です。
ボクの観賞したテアトル梅田は、もともと3D設備はありませんが、
本作は全国的に2Dのみでの上映になっているようですね。
それを明言している映画館はなさそうですが…。

コナン・ザ・バーバリアン
Conan the Barbarian

2012年6月30日日本公開。
1982年の『コナン・ザ・グレート』を再映画化。

先史時代、母の死と引き換えに戦場で生まれたコナンは、カラー(スティーヴン・ラング)率いるアケロン族の騎士団に村を襲われ、父コリン(ロン・パールマン)を目の前で殺されてしまう。20年が経ち、復讐(ふくしゅう)の思いを秘め屈強な肉体を備えるまでに成長を遂げたコナン(ジェイソン・モモア)は、宿敵カラーが邪悪な力を得て世界支配をたくらんでいることを知る。その野望を阻止し、自らの復讐(ふくしゅう)を果たすためコナンは立ち上がる。(シネマトゥデイより)



80年前にロバート・E・ハワードにより著された小説『英雄コナン』シリーズ。
過去にはアーノルド・シュワルツェネッガー主演で実写映画化もされましたが、
それとは別に、新しく実写映画化されたのが本作です。
シュワちゃん版も80年代に2本製作されており、3作目も予定していたそうですが、
彼がカリフォルニア州知事に立候補するので、3本目は実現しなかったそうです。
その後紆余曲折を経て、キャストもスタッフもスタジオも変わって、
再び『英雄コナン』を実写映画化する企画で生まれたのが本作なので、
シュワちゃん版の『コナン・ザ・グレート』のリメイクということではないようです。
リブート(再起動)と言われることもあるけど、スタジオまで変わっているので、
やはり原作小説が同じだけの別作品と考えるのが妥当なような気がします。
ボクはシュワちゃん版を観賞した記憶がないので、全く新しい映画として本作を観ました。

新しくシリーズものとして製作された本作ですが、成績は芳しくなく、
9000万ドル以上かけた超大作でしたが、全米初登場4位と出遅れ、
結局、製作費の半分程度しか稼げなかった失敗作となりました。
続編は予定されていたものの、この体(てい)たらくでは実現は厳しいんじゃないかな?
ボクも正直イマイチな作品だと思いました。
どことなく史上最高の失敗作『ジョン・カーター』を観た時に近い印象を持ちましたが、
おそらく本作が失敗した理由も『ジョン・カーター』とほぼ同じではないかと思います。
どちらも20世紀初頭に著された古典的ファンタジー小説シリーズが原作ですが、
たぶん今の観客は、そんな古くさい小説の映画化なんて求めてないんだと思います。
原作のファンでもない若い世代は特にです。
しかもシリーズ化が前提なので、完結までには十数年かかるんじゃないかなんて思うと、
そこまで付き合ってられないと、敷居が高く感じられてしまいます。
原作のファンである年配の人たちは、完結する頃には生きてない可能性もあります。
結局本作を観るのは、シュワちゃん版をリアルタイムで観ていた中年男性が、
リメイクだと思って観に来るパターンが一番多いんじゃないかな?
ボクはハリウッド映画好きなので、とりあえず観てみただけですが、
劇場は案の定オッサンばっかりで、しかもかなりマバラな客入りでした。

ボクは原作小説もシュワちゃん版も知らないので、
ほぼ先入観なしで観賞できたと思いますが、序盤はけっこう面白かったように思います。
先入観はないといっても、さすがに過去にシュワちゃん主演で作られた物語なのは
知っているので、もっと健全なヒロイック・ファンタジーかと思いきや、
予想外にバーバリアン(野蛮)な内容で、グロいバイオレンスが満載です。
特に序盤が面白かったというのは、序盤の15分ほどは主人公コナンの子ども時代の話で、
幼いコナンが子どもだてらに敵対する蛮族を惨殺したりするシーンは、
子どもらしからぬギャップがあり、インパクトが強かったです。
しかし当然、成長して大人になってしまえば、そのインパクトも薄まってしまいます。
単純にバイオレンスなんてものは、1時間も見続ければ慣れてしまうし、
中盤以降はいくらバイオレンス満載でも、アクションばかりなので飽きてしまいます。
そのくせ、本作に出演していたボブ・サップは、
期待したのにほとんどアクションには絡んでこなかったし…。
格闘家をキャスティングしておいて全然アクションさせない映画なんて初めてです。

物語の舞台はアーリア人以前の時代、つまり先史時代の時代設定で、
いわば遠い昔の話ということになると思うのですが、
本作の内容は剣と魔法のハイ・ファンタジー状態で…。
謎の呪術として多少の魔法が出てくるのはまだいいですが、
砂で兵士を作ったりとか、絶対に現実であり得ない魔法を使われると違和感を覚えます。
バーバリアン(未開人)同士が、己の肉体を武器に殺し合うような展開を期待したのに、
さも当り前のように妖術なんて使われると萎えます。
他にも触手が蛇のようになっているイカのような架空の軟体生物が登場したりと、
先史時代の設定なのにファンタジー色が強すぎです。
その割には、本作の最重要アイテムであるアケロン王の仮面は、
あれだけ恐れられていたにもかかわらず、大した力も発揮せず…。
それを装着した敵役カラー王も、被ったままあっさり死んでしまい…。
こんなショボいものを巡って物語が展開していたのかと思うと愕然とします。

最後にひとつだけ褒めるとするなら、コナンを演じたジェイソン・モモアは、
全盛期のシュワちゃんを超えるんじゃないかというくらいムキムキで、
バーバリアンの戦士らしく、強さに説得力を感じ、なかなかよかったです。
甲冑を着ている時よりも、上半身裸の時の方が断然強そうです。
ただあまりに無敵っぽい印象を与えてしまうのも緊張感がなくなってしまいますね。
その点、やはり子どもの頃のコナンを演じた子の方が、危なっかしさもあり魅力的でした。
コナンもそうだけど、敵のカラー王の娘も、子どもの時はあんなに可愛かったのに、
成長するとあんなに残念な感じに仕上がってしまうとは…。

1作目となる本作が、こんなに不出来で、成績も悪いのであれば、
シリーズ化される予定が頓挫するであろうことは間違いありません。
本作はシリーズ化を念頭においてはあるものの、一応きれいに完結してあり、
尻切れトンボにはなっていないのは、不幸中の幸いだったと思います。
同じくシュワちゃん主演作のリメイク『トータル・リコール』が
もうすぐ公開されますが、そちらは期待できるような気がします。

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