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ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して

ボクはジャック・ブラックがハリウッド俳優の中で5本の指に入るほど好きです。
そんな彼の主演作『ビッグ・ボーイズ』が関西でも公開になり、
シネマート心斎橋まで観に行きました。
でもシネマート心斎橋は家から遠いし、交通の便もイマイチなので、
あまり利用したくない映画館ですが、関西では唯一ここしか上映して無いので仕方なく…。
だから正直、シネマートにはあまり観たい映画を上映してほしくないというか、
いつも通り(全く興味のない)韓流映画ばかり上映してればいいのにと思うのですが、
今後はちょくちょく行かなければならないハメになりそうです。

というのも、シネマートを運営する配給会社エスピーオーが、
ハリウッド6大メジャーのひとつ、20世紀フォックスと業務提携し、
フォックスの一部作品の劇場公開やパッケージリリースを請け負うことになったためです。
その第一弾がこの『ビッグ・ボーイズ』だったわけですが、
フォックスが自社配給すれば、大手シネコンでも上映されると思うけど、
エスピーオーが配給するとなると、シネマートが独占状態になると思われ…。
たった3館(関西には1館)しかないミニシアターに独占されると、
地方の映画ファンには不便極まりないです。
ある意味ではフォックスが自社配給を見送った作品の受け皿とも言えるけど
正直あまり嬉しくない業務提携でした。

ということで、今日はエスピーオー配給の20世紀フォックス映画の感想です。

ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して

2012年6月30日日本公開。
ジャック・ブラック、スティーブ・マーティン、オーウェン・ウィルソン主演のコメディ。

1年にどれだけ多くの種類の野鳥を目撃するかを競う、アメリカ探鳥協会主催のコンテスト「ザ・ビッグ・イヤー」。同大会を前に、最高記録樹立を決意するステュ(スティーヴ・マーティン)、ブラッド(ジャック・ブラック)、ケニー(オーウェン・ウィルソン)。しかし、ステュはかねてから抱いていたある夢を実現できてないことに縛られており、ブラッドはビッグ・イヤーにのめり込むあまり恋人もできず、いまだ両親と同居。そして、ケニーは最高記録保持に執着して家庭を顧みることがなかったために離婚を繰り返すなど、問題を背負っていた。(シネマトゥデイより)



本作は全米初登場9位で、4000万ドル以上の製作費がかかっているにもかかわらず、
700万ドル程度しか稼げなかった、興行的には完全な失敗作です。
ただ、内容はなかなか面白かったように思います。
ボクは主演のジャック・ブラックが大好きなので、かなり贔屓目に観てしまいますが、
一緒に行った人も「面白かった」と言ってくれたし、
鑑賞後の劇場の雰囲気もかなり好意的だったように思います。
客層は中高年がほとんどで、おそらくジャック・ブラック目当ての観客はボクぐらいで、
半数以上は野鳥が好きな人たちって感じで、なんとなく妙な雰囲気でした。
本作は一般的にはロクにプロモーションされてないけど、
日本野鳥の会など野鳥ファン向けコミニティを通してプロモーションしてたのかも?
ちなみにボクは野鳥には全く関心がありませんでしたが、
本作で探鳥家の世界を垣間見て、なかなか興味深い世界だと思いました。
正直もうちょっと笑えるコメディを期待してましたが、あまり笑いどころはないものの、
予想外にハートウォーミングな内容で、十分に楽しむことができました。

本作は「ザ・ビッグイヤー」に参加した3人の男の物語です。
「ザ・ビッグイヤー」とは、アメリカ探鳥会主催の記録会で、
個人で1年間にアメリカ国内で何種類の野鳥を観測したかを競うイベントです。
そこで1位になることは野鳥ファンにとって大変な名誉で、
いい大人が時間とお金を注ぎ込み、野鳥を求めてアメリカ全土を飛び回ります。
このイベントは日本でも行われていますが、対象のエリアは大阪府下だけで、
去年の記録は183種だったそうですが、日本の25倍の国土を持つアメリカだと、
その大変さは日本の比ではなく、移動距離も40万キロ以上、記録も700種を優に超えます。
(日本の野鳥は約600種だそうなので、そのスゴさがわかりますね。)

トップ集団になると、どれだけ希少種を観測したかが勝敗を分けます。
ライバルだとわかると妨害されかねないので、
参加者同士では「ザ・ビッグイヤー」に参加中であることを秘密にしたりしますが、
何種類観測したかは不要の自己申告で、意外と紳士的な競技なのかも?
希少種にはクロビタイサファイアハチドリ、コザクラバシガン、ヒマラヤセッケイなど、
聞いたこともない野鳥もいますが、日本ではさほど珍しくもないアカゲラなんかも、
アメリカだと希少種になるみたいです。
嵐が来ると渡り鳥が避難するために地上に降りてくる(フォール・アウト)ので、
嵐は探鳥家にとって絶好の観察機会で、嵐の予報があれば全国から探鳥家が集まります。
また、太平洋のど真ん中の無人島であっても、アメリカ領であれば当然対象エリアなので、
ある時期になると探鳥家が大挙して押しかけ、彼らのための宿泊施設もあります。
それらの機会をひとつでも逃せば、1位になるのはほぼ不可能になる過酷な競技で、
バードウォッチングなんて生易しいものではありませんね。
なんだか、かなりマニアックな趣味のような気もするんですが、
こうして映画化されるところを見ると、結構競技人口の多いメジャーな趣味なのかも?

500種の鳥の声を聴き分けられる野鳥オタクの会社員ブラッド(ジャック・ブラック)は、
全財産を叩いて念願の「ザ・ビッグイヤー」に参戦し、必ず1位になろうと頑張りますが、
その年には732種という史上最高記録の保持者である
カリスマ探鳥家ボスティック(オーウェン・ウィルソン)も参加しており…。
更にその年は、大手企業の経営者ステュー(スティーヴ・マーティン)も参加しており、
3人は三つ巴の熾烈な競争を繰り広げることになります。
ブラッドはフルタイムで働いているし、決して裕福でもないので、
金も時間もない中での参戦で、家族からもあまり応援されません。
経営者のステューは潤沢な資金はありますが、立場上、外せない仕事がいくつもあり…。
その点、王者ボスティックは自営業主なので、時間も資金も余裕がありますが、
1位への執着心が半端ではなく、家族や私生活を全く省みずに参加しています。
妻との不妊治療の検診すら、シロフクロウを観察するためにスッポカすほどで、
夫婦仲も危機的状況です。

そんな野鳥狂の王者ボスティックを倒すために、ブラッドはステューと共同戦線を張り、
史上最高記録を上回る741種の観測に成功します。
ところがボスティックはそれを上回る755種の観測に成功し、結果1位を死守することに…。
(エンドロールでボスティックが観測した755種の野鳥の写真が流れます。)
しかし、家庭を省みなかったボスティックは、最高の栄誉を手にしたものの、
世界一の代償は大きく、家族も失ってしまい孤独な身の上になってしまいます。
一方、ギリギリ節度を保って探鳥を楽しんでいたブラッドとステューは、
残念ながら1位は逃したものの、家族の絆や友情、恋人など多くのものを得て、
1位のボスティックと彼らでは、どちらが本当の勝者なのか…、というオチです。
ボスティックは結構姑息な手段も使う嫌なやつだったけど、
自己申告制度は律儀に守る野鳥に対しては誠実な男だったし、
孤高すぎる王者の孤独というか、記録死守のための強迫観念で、ライバルを蹴落としたり、
純粋に趣味として探鳥を楽しめなくなっているのは、ちょっと気の毒な気もしました。
ボクは映画鑑賞が趣味ですが、去年の一時期は本数を観ることに捉われてしまい、
映画自体を楽しめなくなっていました。(誰と競ってるわけでもないのに…。)
やっぱり趣味も節度が大事だという教訓を本作から受け取ることができたように思います。
反面、適度な趣味は人生を豊かにするというメッセージも本作に込められています。
まぁブラッドは得たものばかりではなく、全財産を使い果たした上に、
借金まで作っているから、適度な趣味だったとは言えませんが…。

野鳥好きや出演者のファン以外には、ちょっと地味すぎる作品かもしれませんが、
数少ない上映劇場まで行かずとも、あと1カ月ちょっとでDVDレンタル開始なので、
レンタルで見る分には誰でも十分楽しめる程度の内容ではあると思います。
しかし、上映開始前からDVDのリリース日が決まっているというのは、
劇場に行くモチベーションが下がるのでやめてください。
お願いします、エスピーオーさん。

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