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アタック・ザ・ブロック

先日、約1カ月ぶりに大阪のミニシアター、シネ・リーブル梅田に行ったのですが、
前までは整理番号順の自由席制だったのに、指定席制に変わっていました。
まだ作品によっては自由席のものもあるようですが、
7月7日からは全作品が指定席になるらしいです。
今までは上映開始10分前からの整理番号順に入場だったので、
いい席に座るなら早めに劇場に着いておく必要がありましたが、
今後は指定席なのでギリギリに着いても大丈夫で、時間を有効に利用できます。
しかしその反面、入場してから自由に席が移動できなくなるのには懸念があります。
シネ・リーブル梅田は座席の勾配が緩く、スクリーンも低い位置なので、
もし前の席に座高の高い人が座ろうものなら、その人の頭がスクリーンの一部を遮ります。
(日本人男性の平均的な座高でも姿勢がいい人だと遮られることが多いです。)
なのでこの劇場では一番前の席が人気なのですが、
2列目以降に座る場合は、前に人が座ってない席を探すのが基本です。
しかし指定席だとそれも出来ず、前に人が座るかどうかは運次第ということに…。
まぁガラガラの場合はこっそり席移動しちゃいますが…。

もうひとつ新しくなったのが、ロビーに映画などのカルチャー雑誌が設置してあり、
待ち時間などに自由に読めるようになったことです。
映画ファンの憩いの場所であるミニシアターらしい粋なサービスで嬉しかったです。
でもこんなサービスって、心ない客が雑誌を乱暴に扱ったり、或いは私物化したりして、
すぐに廃止されてしまうことが多いので、お客さんも雑誌を丁寧に扱ってほしいです。

シネ・リーブル梅田は毎週水曜日が男女問わず1000円均一の日で、
カード会員ならば毎週火曜日と金曜日まで1000円均一で映画が観れます。
更に毎月15日はサービスーデーで1000円均一だし、毎月1日の映画の日も当然あり、
例えば来月ならば誰でも1000円で観られる日が計15日もあります。
本当にお客さんへのサービスが篤い素晴らしい劇場で、他の劇場も見習うべきです。
立地がいいだけでお高く留まっている大阪ステーションシティシネマは特にね。

ということで、今日はシネ・リーブル梅田で初めて指定席で観た映画の感想です。

アタック・ザ・ブロック

2012年6月23日日本公開。
エドガー・ライトが製作総指揮を務めるSFアクション映画。

南ロンドンの公共団地で、不良少年たちが看護師のサム(ジョディ・ウィッテカー)を恐喝していたところ、突如、いん石の落下とともにエイリアンが出現。リーダー格のモーゼズ(ジョン・ボイエガ)らは、エイリアンを殺してしまう。すると、さらに凶暴なエイリアンが次々と飛来。団地を襲撃するエイリアンに、モーゼズは反撃を決意する。(シネマトゥデイより)



本作は『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』『宇宙人ポール』など、
パロディ映画を制作することでお馴染みのロンドンのプロダクションが手掛けた新作です。
なのでエイリアンが襲来するという内容の本作も、
『宇宙人ポール』とは違ったタイプのSF映画のパロディ作品かと思いきや、
一応『グレムリン』や『クリッター』などのモンスター・アクション映画がベースですが、
あまりパロディ色の強くない、オリジナル作品となっています。
ただ、ベースとなった作品はファミリー向け映画で、
本作も少年たちがエイリアンと戦う話なので、一見ファミリー向けですが、
実際はあまり教育上よろしくない内容を含む子どもには推奨できない作品で…。
ファミリー向けモンスター・アクションの体裁を取りながらも、
実は全くファミリー向けではないというアイロニカルなところが、
大きな意味でのパロディと言える気もします。
パロディ色は薄いものの、いつもながらに他の作品からの引用ネタも満載でしたが、
いつもよりも若い世代向けに作られているのか、比較的ライトなネタが多く、
コアな映画通じゃなくてもわかるものばかりでした。
日本のアニメ絡みのネタも2~3あり、楽しめると思います。

本国イギリスではB級映画ながら初登場3位となかなか好成績でしたが、
アメリカではかなり限定的な公開だったようです。
名の知れた役者もこのプロダクションの作品でお馴染みのニック・フロストが、
ちょこちょこっと出演しているくらいで、あまり派手さもありませんが、
本作を観た人たちや映画評論家などにはかなり好評だったみたいで、
国際的な賞もいくつか受賞しています。
そんな実績がなければ日本での公開もなかったと思いますが、
いざ観てみると、たしかに面白い作品だったので、公開されてよかったです。

舞台はロンドン南部の貧しい人たちが住む公共団地。
ちょうどガイ・フォークス・ナイトの時期で、街中で花火や爆竹が鳴り響く中、
黒人の不良少年モーゼスが率いる5人組の不良グループは、
夜道で帰宅途中の女性を狙って、カツアゲをしていました。
そこに突如、隕石が飛来し、その中からエイリアンが出現、少年たちに襲いかかります。
この5人の不良少年たちが本作の主人公ですが、彼らは不良なんて可愛いものではなく、
完全に犯罪者予備軍…、いや、犯罪者そのものです。
カツアゲも完全にプロの犯行による強盗で、もはやギャングですね。
特にリーダーのモーゼスは、大麻の売人までしており、筋金入りの犯罪者です。
そんな悪ガキが主人公なので、「こんな社会のゴミはさっさと殺されたらいいのに」と、
彼らにあまり共感を覚えられず、序盤はあまり楽しめませんでした。
でも、彼らはまだ中学生くらいなので、徐々に子どもらしい面も垣間見えはじめ、
粋がって悪ぶるアホなガキとして、愛嬌を感じるようになっていました。
エイリアンについて「黒人を殺すために政府が作った」と発言したり、完全に中二病です。

出現したエイリアンは白いサルのようなやつで、凶暴ですが体格も少年たちよりも小さく、
襲いかかったものの5人にフルボッコにされ、あえなく絶命してしまいます。
未確認生物を討ち捕った少年たちは、意気揚々とその死体を、
動物に詳しい麻薬の売人ロン(ニック・フロスト)に見せに行き、
彼が大麻を栽培している温室に死体を保管させてもらいます。
しかしその後、同じような隕石が大量に飛来し、その中から黒いエイリアンが出現し、
少年たちを目指して次々に襲いかかってくることに…。
黒いエイリアンは、全身漆黒の毛に覆われ、牙だけが蛍光色に光っています。
シンプルなデザインですが、闇の中だと牙だけが浮かび上がる感じで、なかなか印象的。
最初の白いエイリアンの3倍ちかい体格があり、パワーも段違いで簡単には倒せません。
少年たちはバットや花火などで武装して迎え討ちます。

なぜ黒いエイリアンが少年たちしか狙わないのかですが、
はじめは白いエイリアンが子どもで、殺した少年たちに復讐をする気かと思いましたが、
実は全然違っていて、白いエイリアンは子どもではなくメスで、
少年たちが彼女を殺した時に彼女のフェロモンが服に付着し、
それがオスの黒いエイリアンを招き寄せるのです。
エイリアンといっても宇宙人と呼べるほどの知的生命体ではなく、
もっと本能のままに行動する野蛮な猛獣で、宇宙動物って感じでしょうか。
別に地球侵略や殺戮が目的ではなく、少年たちをメスだと勘違いして、
繁殖のために襲ってくるという設定が笑えます。
眼がないエイリアンのデザインも、実は視覚で判断できないという伏線なんですね。
まぁ捕まったら求愛されるわけでもなく、噛み殺されるんですけどね。

不良グループのリーダーであるモーゼスは、かなり老け顔ですがまだ15歳という設定で、
メンバーもおそらくみんなローティーンだと思われます。
だから大人のチンピラや警官はエイリアンに殺されましたが、
倫理的になんだかんだで子どもは殺される展開にはならないだろうという感じがして、
中盤まではどんなピンチでもハラハラ感は全く感じませんでした。
中盤でメンバーのひとり、デニスが頭を丸かじりされますが、
彼はたまたまヘルメットを被っており、やっぱり殺されないのか…、
…と思った次の瞬間、彼はヘルメットごと頭部がもぎ取られ死んでしまいます。
ハリウッド映画では子どもが犠牲になることは滅多にありませんが、
本作はイギリス映画なので、ローティーンだろうと殺しちゃうんですね。
これも一種のファミリー向け映画に対するアイロニーとして興味深い展開ですが、
それと同時に誰が死ぬかわからないサバイバルになり、俄然面白くなってきました。
まぁそれでも、普通のモンスター映画に比べたら、生存率は高かったかな。

少年たちはエイリアンのみならず、警官やチンピラにも追われることになります。
警官は夜道でカツアゲした女性サムが被害届を出したためで、
チンピラはこの団地を縄張りにしている麻薬売人の元締めハイハッツです。
エイリアンが襲ってくるのも、少年たちが白いエイリアンを殺したからですが、
警察やチンピラに追われることになるのも、素行が悪いからに他ならず、自業自得です。
そのために仲間が死んでしまったことを、リーダーのモーゼスは悔やみ、
自分の行いの責任を取るために、エイリアン殲滅に立ち上がり、
自分の命を賭して無謀な殲滅作戦を実行します。
はじめは最低最悪な不良だと思っていたモーゼスの英雄的行為には感動したというか、
少年の成長を見たような気がしました。
中学生くらいだと背伸びしてサグっぽいことに憧れたりもしますが、
悪いことをすれば報いを受けるという、いい教訓にもなっていると思います。
エイリアンを殲滅したところで今までの全ての行いが帳消しになるはずもなく、
最後にモーゼスは警官に捕まって終わります。
でも彼を逮捕した警察は、この団地での騒動が全てモーゼスのせだと考えているようで、
あれだけ派手に暴れていたのに、エイリアンの存在は気付いていないようで…。
マヌケにもほどがあるというか、ちょっと違和感を覚えるラストでした。

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