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ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略

久しぶりに邦画の感想を書きます。
最近はめっきり邦画を観に行かなくなり、今月映画館で観た邦画は、
今から感想を書くこの1本だけになりそうです。(ちなみに洋画は16本の予定です。)
しかも邦画と言ってもアニメーション映画ですからね。
今年観た映画約80本のうち、約20本が邦画でしたが、そのうち半数がアニメ映画でした。
別に邦画を避けているつもりはないのですが、アニメ映画以外の邦画で、
観たいと思えるものがなかなか公開されません。
でも裏を返せば、アニメ映画では観たい作品はけっこうあり、
来月は『グスコーブドリの伝記』と『おおかみこどもの雨と雪』、
あと日本制作の洋アニメ『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』を観る予定。
その後も話題作が多く、今年の日本のアニメ映画は豊作な予感がします。

ということで、今日は今年通年で行われるアニメ映画プロジェクトの感想です。

ベルセルク 黄金時代篇II ドルドレイ攻略

2012年6月23日公開。
三浦建太郎の同名人気コミックを3部作でアニメ化したファンタジー映画の第2部。

激動の戦乱期、自分の身長ほどの剣を難なく使いこなす剣の名手ガッツは、やがて傭兵(ようへい)集団「鷹の団」と行動を共にするようになる。彼は数多の戦いを乗り越えてきたが、自分が団長グリフィスの夢に振り回されていることに気付き、彼との決別を覚悟する。そんな折、ミッドランド王国より鷹の団にドルドレイ要塞陥落の命令が下され……。(シネマトゥデイより)



20年以上も連載が続く人気漫画『ベルセルク』を、全てアニメ化するという壮大な企画、
「ベルセルク・サーガプロジェクト」の第一弾として、
原作初期のエピソードである「黄金時代篇」を三部作としてアニメ化し、
1年かけて劇場公開することになりましたが、その三部作の2作目が本作です。
今年2月に公開された三部作の1作目『ベルセルク 黄金時代篇I 覇王の卵』の直後である
「ドルドレイ攻略戦」から、グリフィスが投獄される「夢の終焉」までが描かれます。
たぶん、本作を観る人の9割以上は、原作かテレビアニメ版を経験済みだと思うので、
この記事を読んでくれている人も、原作を知っていること前提で感想を書きます。

本作で描かれている時代は、『黄金時代篇』の中でも特に黄金時代だった頃ですよね。
主人公ガッツが属する、グリフィス率いる傭兵部隊「鷹の団」が、
ミッドランド王国軍として敵国チューダー帝国との戦争で大活躍し、
王国直属の正規軍「白鳳騎士団」にまで上り詰めるか、という頃の物語です。
サクセスストーリーとしては、最も盛り上がる時期でもあるのですが、
ある意味では、かなり地味な時期でもあると思います。
それは原作『ベルセルク』がダークファンタジーであるにもかかわらずに、
あまり幻想的な展開にならず、普通に中世の騎士の物語として進行する時期だからです。
特に本作では、その傾向が強まっており、ドルドレイ攻略戦でガッツを救ったゾッドや、
鷹の団脱退後にガッツに予言を与えた髑髏の騎士など、
原作ではこの時期にも登場した人外の者の登場シーンが省略されてしまっています。
唯一のファンタジー的なところといえば、原作ではもう少し後だったはずの、
妖精パックとガッツがニアミスするところくらいのものです。
ただそれが悪いわけではなく、次の三部作の最終作では、
怒涛のダークファンタジー展開が待っているので、嵐の前の静けさ的な演出として、
なかなか興味深い構成になっているのではないかと思います。
しかし髑髏の騎士の予言は、かなり重要なシーンのはずなので、カットして大丈夫かな?
もしかしたらカットではなく、最終作の冒頭に持ち越ししただけかもしれません。

カットといえば、ファンタジーとは関係ありませんが、
ミットランド王妃やフォス大臣などの「グリフィス暗殺計画」も丸々カットされました。
城内の反対勢力を一掃して、鷹の団のサクセスの仕上げとなるエピソードなので、
けっこう欠かせないものかと思っていましたが、ここが丸々カットになっていても、
物語としては特に支障がなく進行していたことには、ちょっと意外でした。
長い原作を少しでも短縮するという意味では、なかなかの英断だったと思います。
しかし長いサーガとして考えれば、フォス大臣を登場させなかったのは支障があるかも。
それにこのエピソードほど、ガッツに対するグリフィスの信頼を表しているところはなく、
そこが抜け落ちたことで、2人の関係性が少々希薄になっている気がします。
ただし、グリフィスとの絡みがカットされている半面、
原作では描かれなかったガッツとキャスカの社交ダンスなどが足されたり、
「百人斬り」のエピソードなど、キャスカとの絡みは丁寧に描かれているので、
今回のアニメ化プロジェクトでは、ガッツとグリフィスの確執よりも、
ガッツとキャスカのロマンスに焦点を当てる構成なのかもしれません。
それならば本作の原作改変にも納得できる気がします。

改変と言えば、チェーダー帝国の最後の砦を落とすドルドレイ攻略戦の攻略方法も、
本作ではかなり改変されていました。
グリフィスやガッツが率いる鷹の団本隊が敵兵の全てを引き付ける間に、
キャスカ率いる別働隊が砦を攻め落とす陽動作戦なのは同じですが、
別働隊の砦への侵入方法に、作戦がひとつ足されています。
これは「いくら手薄になったとはいえ、城門があけっぱなしなのはおかしい」という、
原作のツッコミどころを見事に解消する改変で、とてもよかったかと思います。
ただ、グリフィスが立てたドルドレイ攻略作戦は、不確定要素の多い戦略で、
勝てたのもマグレに近いような印象を持っていたのですが、
映像化されたことで、その印象は更に強まり、より無理がある無謀な作戦に思えました。
あんな兵力差では陽動の時間を稼ぐのも無理でしょう。
あと、チューダー軍最強の紫犀聖騎士団団長ボスコーンは、
原作ではこの時点でのガッツより実力が上だと思ったけど、ゾッド登場のカットにより、
ガッツとの一騎打ちで普通に負けてしまって、ちょっと弱く感じたのは残念かな。

それほどカットや改変が行われているこのアニメ化プロジェクトですが、
「黄金時代篇」もかなりカットしたにもかかわらず、2作使ってまだ半分ほどで、
当初は三部作ならほぼ余すことなく描き切れるのではと思ったけど、
やはり上映時間的に難しいのだろうという印象を受けました。
むしろこれからが本番ですが、あと1作で大ボリュームの「黄金時代篇」を全うできるか…。
バキーラカや黒犬騎士団のエピソードはバッサリいかれる気がします。
まぁ最終作には「蝕」とキャスカとガッツの初体験さえ丁寧に描いてくれればいいけど…。
それにしても、実写映画なら全然平気なのに、濡れ場をアニメで見せられるのって、
なんだか妙に恥ずかしい気分になりますね。
アニメで濡れ場を見る経験があまりないからってだけかもしれませんが…。
三部作の最終作『ベルセルク 黄金時代篇III 降臨』は、年内公開予定です。

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