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ディヴァイド

大飯原発の再稼働が決まってしまいましたね。
ボクは関西電力のエリア内に住んでいるのですが、この決定は遺憾に思います。
たしかに産業は大切だし、職場なんかは正直「助かった」みたいな反応でしたが、
それ以上に大切なのは"安全"ですよ。
どうせ「地震や津波なんて起こるはずがない」と楽観しているんだろうと思います。
ボクも自然災害による原発事故がそんなに頻繁にあるとは思っていませんが、
原発事故は自然災害でだけで起こるものではないです。
チェルノブイリ原発事故のように人為的ミスで起こることもあるし、
朝鮮半島から絶好のターゲットとしてミサイル攻撃される可能性もあります。
事故は起こらなかったとしても、処理できない放射性廃棄物を出し続ける原発は、
ただ存在するだけで地球環境を汚染しているようなものです。
この決定で他の原発の再稼働の道筋もついてしまっただろうし、
再生可能エネルギーやメタンハイドレートの利用など、
代替エネルギー開発の機運が削がれるのもとても残念です。

ということで、今日は汚染された世界が舞台の物語の感想です。
本作の場合はたぶん核兵器による汚染だろうと思いますが、
放射性物質による汚染の可能性があるという意味では、原発も核兵器と同じです。

ディヴァイド

2012年6月9日日本公開。
『ヒットマン』のザビエ・ジャン監督によるシチュエーション・スリラー。

大規模な爆撃によって、ニューヨークが一瞬にして壊滅。サラ(ローレン・ジャーマン)やミッキー(マイケル・ビーン)ら、9人の男女は地下シェルターへと避難したことで爆撃にさらされずに済む。しかし、徐々に備蓄していた食料と水は足りなくなり、外に出ようにもガレキによって扉が閉ざされてしまうという事態に陥る。やがて、それぞれが抑えていたエゴや本性をあらわにし、秩序が乱れていくように。ついに彼らが限界を感じたとき、突如として扉がこじ開けられ、防護服をまとった謎の武装集団がシェルター内になだれ込んでくる。(シネマトゥデイより)



う~ん…、なんだか消化不良な映画でした。

ニューヨークが突如大爆撃を受け、あるアパートの住人(と管理人)9人は、
アパートの地下のシェルター(物置?)に逃げ込みます。
何の予兆もなく爆撃が始まったようで、全く状況が飲み込めない住人たちですが、
地下に住んでいる管理人の指示に従い、暫らく外に出ず、誰かが助けが来るのを待ちます。
その数時間後、地下の扉が破られ、防護服を着た男たちが入ってきますが、
男たちは住人たちに銃を向け、住人の中の少女ウェンディを拉致します。
まずこの爆撃についてですが、誰から受けたのか全くわかりません。
管理人の見解では、イスラム系テロ組織の仕業と考えていますが、
防護服の男たちはどうやらアメリカ人らしく…。
まぁその男たちが爆撃した張本人かはわからないですけど。
とにかく、この爆撃を行った人の正体や目的も、防護服の男たちの正体や目的も、
一切不明のままで物語は進み、なんと最後まで不明のまま終わるのです。

防護服の男たちに攻撃を受けた住民たちですが、なんとか撃退に成功し、
奪った1着の防護服で住民のひとり、ジョシュが外を偵察します。
すると扉から防護トンネルが張られ、謎の実験室に接続されており、
そこでは拉致された少女を含む数人の子どもたちが、何かの実験の被験者にされており…。
もちろんこの実験も何の実験か不明ですが、ちょっとSFっぽい感じで、
何の実験かとても気になったのですが、やはり最後まで不明のままで終わります。
実験室で防護服の男たちに見つかったジョシュは、追手を殺し慌てて地下に戻りますが、
外から扉が溶接されてしまい、完全に出入りできなくなります。
ここもなぜ防護服の男たちが住民を殺すこともなく、ただ地下に閉じ込めるだけなのか、
全くわからないのですが、これもやはり最後まで不明のままです。

というか、始めから何も考えられてないんだと思います。
ただ完全な密室を作る過程を、なんとなく終末ものっぽい雰囲気にしただけでしょう。
結局中盤以降は密室に閉じ込められた住民たちが殺し合う、
よくある密室系シチュエーション・スリラーになるので、
終末もの的な演出は全く関係ないんですよね。
ただベタな密室ものではお客さんも呼べないだろうから、
なんだか思わせぶりな終末もの(SF)ミステリー的な虚飾を施してあるのでしょう。
本作の予告編も、完全にSF映画だと誤解させるように出来ており、
ボクもまんまと騙されて観に行ってしまいました。
でも終末ものな世界観は、物語にはあまり関係なく、無理くり付け足したものだから、
終末ものなので世界観は大規模なのに、物語(舞台)は密室での小ジンマリしていて、
作品としてのバランスがかなり悪い気がします。
これならベタでも普通に密室ものとして描いた方が、まだ純粋に楽しめたと思います。
回収する気もないのに、終末ものとしての伏線(設定)だけは張ってしまっては、
関心事が多すぎて散漫になり、密室ものとしても楽しみ難いです。
密室系シチュエーション・スリラーとしては、多少見どころもあったので尚更残念です。

本作の密室系シチュエーション・スリラーとしての見どころは、
閉じ込められた住人たちと管理人のキャラがけっこう立っていたことです。
ただの死亡要員となるような捨てキャラが一切おらず、
逆に際立ちすぎたキャラもおらず、誰が死ぬか先が読み難い展開になっています。
ただヒロインである女性エヴァはちょっと把握しにくいキャラ設定で、
主人公的ポジションなのに何を考えているのかわかりにくかったですが…。
後に薬物依存症だったということが明かされるのですが、そのためかもしれませんね。
ただその設定自体は全く活かされることはないのですが…。

あと、死体の腐臭が酷いため、トイレに流せるよう死体を解体するシーンや、
番号ロックの扉の番号を聞き出すため、指を切り落としたり拷問するシーンや、
テーザー銃で頭を抉るシーンなど、ソリッド・スリラー的な展開も散見できます。
(テーザー銃って人を殺せるもんなんですね。)
ボクもまさかこんなシーンのある映画だとは思ってなかったんで、
ちょっとドキッとしましたが、グロが苦手な人は注意が必要です。

とにかく気になるところが、ことごとく有耶無耶で終わったので、
観終わった後にスッキリしない消化不良な作品でした。
それなりに見どころもありましたが、全体的に雑で短絡的に作られた印象です。
わざわざ映画館で観るほどの映画ではないかな。

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