ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ミッシング ID

先日、元オウム真理教の菊地直子容疑者が逮捕されましたね。
地下鉄サリン事件の当時は、事件に全く関心がなかったので、
この逮捕の報道を聞いても「へぇ…」って感じでしたが、
この報道の中で一点だけ驚いたのが、逮捕の直前まで彼女が普通に働いていたことです。
しかも介護の仕事で、ホームヘルパー2級の資格まで取得していたことです。
ホームヘルパーの資格って、偽名でも取れるということに驚きましたし、
これってちょっと問題なのではないかと思いました。

ホームヘルパーって、お年寄りの家に訪問して介護する人ですよね。
他人の家に堂々と上がれる資格だし、人命にも関わってくる資格だと思います。
そんな重要な職業に、偽名を使った怪しい人が採用されていると思うと、
ちょっと背筋が寒くなります。
職業としてはとても尊い仕事なので、真っ当に働いているヘルパーさんの名誉のためにも、
資格取得者の身元確認はしっかりするべきだと思います。
たかがツタヤの会員になる時や、ブック・オフで売却する時や、
クラブに入場するだけでもIDの提示を求められるのに、
ホームヘルパーの資格は自己申告だけで本人確認もしないそうです。
たぶん今回のことで、今後は改善の動きも出てくるでしょうが…。

ということで、今日は自分の身元(ID)に疑問を持った男の物語の感想です。

ミッシング ID

2012年6月7日日本公開。
テイラー・ロートナー主演のアクション・サスペンス。

ごく普通の高校生らしい毎日を送っていたネイサン(テイラー・ロートナー)は、ひょんなことから誘拐されたまま消息を断った子どもたちの情報サイトに、13年前の自分の写真が載っているのを発見する。謎や疑念に支配されていくうちに、周囲の人間が何者かによって消されていき、ネイサンも狙われるように。それまでの日常と人生が仕組まれたものであることに気付いた彼は、想像を絶する逃避行を繰り広げながら、すべての謎を解き明かそうとする。潜在的な戦闘能力を発揮し、追手や刺客を倒していく過程で、ある暗号の存在に行き着くが……。(シネマトゥデイより)



本作は『トワイライト』シリーズで人気者となったテイラー・ロートナー主演作ですが、
全米初登場4位と少し物足りない成績でのデビューでした。
しかしそれ以上に、映画評論家からの酷評が凄まじく、各所で散々叩かれ、
主演のロートナーは、本作と『トワイライト』シリーズ最新作との合わせ技一本で、
第32回ゴールデン・ラズベリー賞の、最低主演男優賞にノミネートされたほどです。
なのでボクも多少警戒心を持って観に行ったのですが、
普通にちゃんとしたスパイ・アクション映画で、逆に拍子抜けしました。
どうせそんなことじゃないかとは思ってましたが、本作の評価は不当なものです。
アメリカの映画評論家のジジイどもは、ただロートナーを目の敵にしているだけです。
彼が若者から絶大な支持を受ける『トワイライト』シリーズの象徴的キャストなので、
『トワイライト』の面白さが理解できない評論家のジジイどもから、
その作品のスケープゴートとして攻撃対象にされているに違いないです。
ロートナーは、たしかに顔もイカツくて表情に乏しいところはありますが、
ラジー賞候補になるほどダイコンでもなく、しっかりアクションもこなしています。
すぐに上半身裸になって筋肉アピールする役柄ばかりなのは、脳筋っぽく見えるけど、
『トワイライト』シリーズでもエドワードよりジェイコブ派のボクとしては、
純朴な感じがしてそこそこ好きな若手俳優です。

ロートナー自身へのバッシングの他に、本作についてよく語られる評価は、
『ボーン・アイデンティティー』の偽者という批判です。
恥ずかしながらボクは『ボーン』シリーズを観たことがないのですが、
日本では"『ボーン・アイデンティティー』のDNAを受け継ぐ…"と堂々と宣伝してるし、
どちらも自分が何者かを探すスパイアクションというプロットなので、
たしかに似た概要の作品であることは間違いないのでしょう。
とはいえ、その手の概要の作品って、けっこういっぱいあるし、
本作に限って『ボーン』シリーズと比較するのは、悪意がある気がします。
特に『ボーン・アルティメイタム』なんて、スパイ映画史上最高のヒット作です。
そんな大人気シリーズと比較されたら、大概の映画は霞みますよ。
ボクは幸いにも『ボーン』シリーズ未体験なので、
比較せずに本作を観れたのはよかったのかもしれません。

ただボクは本作が素晴らしい作品だと主張しているわけではなく、
あくまでも評論家の評価ほど酷くなく、普通に楽しめる程度の映画だと言いたいだけです。
脚本も演出も、とりたてて見どころがあるわけでもなく、
特筆して褒めるべきところも見当たりません。
強いてあげるなら、ヒロインのカレン役のリリー・コリンズが、
クッキリ眉毛の美人でボク好みだということくらいかな。
彼女はレラティビティ版の白雪姫映画『白雪姫と鏡の女王』でもヒロインを務めるそうで、
今後の活躍が楽しみな若手女優のひとりですね。
そういえばユニバーサル版白雪姫映画『スノーホワイト』のヒロインは、
『トワイライト』シリーズのヒロイン、クリステン・スチュワートでしたね。
ロートナーはふたりの白雪姫女優の相手役を務めたことになりますね。

ちょっと話が脱線しましたが、ここからは本作のストーリーの感想です。
主人公のネイサン(テイラー・ロートナー)は、幸せな家庭で育った普通の高校生です。
ある日、社会学の授業の課題で、アメリカの失踪児童のことを調べていると、
あるサイトの失踪児童のリストに、自分の3歳の頃の写真が掲載されており、
彼は自分の出生のことや、両親に対して疑問を持つようになります。
そのことを母親を問い詰めると、彼女は血の繋がりがないことをあっさり認めます。
その直後、ネイサンを狙って家に侵入した謎の組織の男に両親が射殺され、
何とかその場を脱した彼は、謎の組織から追われることになります。
更になぜかCIAまで追いかけてきて、彼は敵味方もわからぬまま、
自分の本当の両親や自分が誰なのかを探しながら逃亡し続ける、という話です。

本作は「Abduction」という原題なので、てっきりネイサンは、
子どもの頃に今の両親に「誘拐」されたのだろうと思いましたが、
「誘拐」は全く関係ないストーリーでした。
彼の本当の両親のことや、育ての両親のこと、謎の組織の正体や、
なぜ組織やCIAが普通の高校生の彼を追ってくるのかなど、
なかなか明かされないまま逃走劇はどんどん進みます。
真相に迫るたびに邪魔が入るの繰り返しで、中盤までは全然話が見えてこず、
「引っ張りすぎだろ」って思いましたが、正直たいした真相でもなかったので、
観客の興味を引き付けるためには、あれぐらい引っ張っていたのは正解かもしれません。

以下、ネタバレになります。

真相を要約すれば、ネイサンはある凄腕CIA諜報員の息子で、
本当の両親は仕事柄子どもを養育できないので、同僚のCIA職員に息子を預け、
それが育ての両親だったというわけです。
そして彼の父親の諜報員から機密情報を奪われたセルビアの情報部員たちが、
ネイサンを人質に捕えて、父親との取引の材料にしようとしていたというものです。
失踪児童サイトは、その組織がネイサンを見つけるためだけに作った偽サイトで、
これぞまさにフィッシング・サイトですね。
CIAが彼を追ってきたのは、基本的には彼を保護するためなのですが、
CIA内部にもイザコザがあり、事態をややこしくしていたのです。

残念なのはネイサン自身に何ら重大な秘密があるわけではなく、
父親との交渉の材料としての価値しかなかったことです。
もっと生まれついての特殊な能力を保持しているとか、誰かの息子という展開でも、
さる王家の血を引き継いでいるとか、もっとスケールの大きな真相を期待しましたが、
父親の機密情報と交換するためのコマでしかなく…。
その機密情報も核の制御番号とか世界を滅ぼすようなデータなどではなく、
CIA内部の汚職に関する人物のリストで、世間的にはどうでもいいデータです。
終盤でそのリストがネイサンの手にあることがわかるのですが、
そうなってしまうと追われるのは彼ではなくリストで、彼は無価値同然ですよね。

さらに残念なのは、ネイサンの実の父親です。
ジュネーブ条約を無視できるほどの権限を与えられた特別なCIA諜報員で、
名前はマーティンということはわかったのですが、
最後までネイサンの前にハッキリと姿を現すこともなく、
釈然としない感じで幕を下ろしてしまいます。
ネイサンのことを陰ながら見守っているといことだったので、
てっきり今までに登場した人物のうち誰かが父親で、
「え?この人が実の父親だったのか!」って驚きの展開を期待したのですが、
結局断片的ながら確認できた姿は、全く知らない人でした。
せめてすごい大物俳優が父親役でカメオ出演するとか、サプライズがほしかったです。
それこそマット・デイモンとかね。

記事の前半で擁護しておいて何ですが、
ロートナー版『ボーン・アイデンティティー』の本作はまずまずといった出来でした。
やっぱり多少なりともロートナーが好きな人しか楽しめないかもしれません。
しかし今年は本当に『ボーン・アイデンティティー』のDNAを受け継ぐ映画が公開されます。
ジェレミー・レナー主演の『ボーン・レガシー』です。
ボクはマット・デイモン主演の『ボーン』シリーズ三部作はまだ見てませんが、
ジェレミー・レナーの主演作は絶対に観たいので、
これを機に『ボーン』シリーズ三部作も近々見てみようと思っています。
なんでもキャストに繋がりもあるらしいし、もしかしたらデイモンの出演あるかも?
本作にガッカリした人も、気を取り直して『ボーン・レガシー』に期待しましょう。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/706-3554a296
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad