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ブタがいた教室

このところ見たい映画が多くて、毎週のように映画館行ってましたが、
11月はそれほど見たい映画がないのでちょっと落ち着けそうです。
今日の記事で映画の感想もしばらくお休みになるかな。
ということで、今日も映画の感想です。

ブタがいた教室

2008年11月1日公開。
1990年に大阪の小学校で実際にあった実践教育のドキュメンタリーを映画化。

新米教師の星先生(妻夫木聡)は、小学6年生の26人の生徒たちと、卒業までの1年間“食べる約束”で子ブタを飼い始めるが、子供たちはブタを"Pちゃん"と名づけて世話をするうちに愛情が芽生え始め、やがてPちゃんを「食べる」「食べない」でクラスの意見は真っ二つに…。

ドキュメンタリーの映画化なので、事実として覆せない結末はあるが、
この映画自体、一部はドキュメンタリーになっています。
26人の生徒役の子たちに渡された台本では、子供たちのセリフ部分は白紙。
この映画の見どころである大論争学級会はガチです。
もちろんガチだからといって結論が変わるわけはないし、
その子役たちが実際にブタを殺して食べるわけではないんですが、
そこは子供の純真さゆえか、かなり臨場感のあるディスカッションになってます。

観客にとってはブタのPちゃんとの付き合いはせいぜい2時間ほどだけど、
Pちゃんの愛らしさは半端ないく、やはり愛着が沸きます。
別にふつうのブタなんだけど、撮り方の妙ですかね。
ボクはなるべくブタにも子供にも感情移入しないように、
星先生(妻夫木聡)の立場に近い客観的な目線でこの映画を見ようと思ってたけど、
小学校の時、飼育当番を熱心にやっていた頃のことが思い出されて、
否が応にも「食べない」派の子たちに感情移入しちゃいます。

そちら目線で見ると、「食べる」「食べない」派が拮抗するのは意外です。
「食べる約束で飼い始めた」「Pちゃんの命を奪っていいのか」
「Pちゃん以外のブタは食べていいのか」「命の長さは誰が決めるのか」…
子供らしい正論と感情論のぶつかり合いで議論は堂々巡り。
前提として"みんなPちゃんが好き"なので、ドライに考えれば「食べる」派が正しいが
「Pちゃんを殺してもいいのか」と言われてしまうと肯定できない。
大人でも答えの出ないものを子供に課すには過酷な問題で、
当時この授業に賛否両論あったのも頷けます。

最終的に「3年生に飼育を引き継ぐ」か「食肉センターに送る」かになるんだけど、
こうなってくると議論の本質からズレてしまっている気がしますね。
この2択なら「食べない」派のボクも「食肉センターに送る」が正しいと思います。
なにしろ始めはひとりで抱えられるほどの子豚だったPちゃんも、
1年ほど経つと大人数人がかりで引きずらなければいけないほどの巨体になってるし、
物理的に下級生が飼育できるはずがありませんからね。
卒業して学校を去る子供たちと違い、勤務を続ける先生の立場を考えても、
もはや結論ありきだったと思います。
物語もPちゃんを食肉センター職員が引き取ったところで終わってるし、
もし引き取ってもらっただけで、子供たちがPちゃんを食べてないのなら、
この実践教育の意義は半分になるし、映画としても中途半端です。

映画の感想からズレてきたので元に戻しますが、
ブタを喰う喰わないの是非は別として、映画としてはけっこう面白いです。
Pちゃんは動物好きにはたまらない可愛さだし、
Pちゃんを介しての子供たちの成長や交流も心温まります。
ブタの飼育に熱中する子供たちに対する保護者や先生方のリアクションも面白い。
(特に池田成志が演じる他のクラスの先生の何気ない無神経な一言は必笑です。)
そして、星先生役の妻夫木くんがいい味出してます。
最近、隔月で妻夫木くんが出演している映画を見るほど引っ張りダコの彼ですが、
映画俳優として、おぼこさが抜けてきて、いい風格が出てきましたね。
ちょっと小学校の先生にしては、スーツもビシッと決まっていて格好よすぎるけど…。

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