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ダーク・シャドウ

今朝の金環日食はご覧になりましたか。
ボクはそのころ仕事で屋内にいたので、見ることができませんでした。
曇りになるとか言われてましたが、見た人に聞くと、綺麗に見えたそうですね。
一応、日食観察用のメガネも用意してたんですけど…。
といっても、映画『ベルセルク』の前売券購入特典で貰っただけですが。
結局そのメガネも出番なかったし、購入特典はクリアファイルにするべきでした。

日本の広範囲で金環日食が見られたのは平安時代の1050年以来で、
次に見られるのは300年後の2312年なんだそうです。
そう聞くと、今回見られなかったのは非常に惜しいと思いますが、
日本の広範囲といえども、うちの地域は部分日食になるという話だったので、
どうせ部分日食なら、生きてるうちにまだ数回見られそうだし、大して価値ないな。
…なんて、虚勢を張って悔しさを紛らわしています。
こんなことなら雨でも降ればよかったのに…。日食なんて嫌いだー!

ということで、今日は太陽が嫌いな怪物が主人公の物語の感想です。

ダーク・シャドウ

2012年5月19日日本公開。
ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演によるゴシック・ファンタジー。

イギリスからアメリカに移り住んだお金持ちのコリンズ家に生まれたバーナバス(ジョニー・デップ)は、魔女アンジェリーク(エヴァ・グリーン)によってヴァンパイアにされてしまった上に、生きたまま埋められてしまう。その後、ふとしたことで彼は200年の眠りから目覚めるが、コリンズ家はすっかり落ちぶれていた。バーナバスは、コリンズ家再建を末裔(まつえい)と成し遂げるべく、自らの父の言葉である「唯一の財産は家族」を胸に行動を起こす。(シネマトゥデイより)



ハリウッドのヴァンパイア映画ブームもずいぶん長く続くなと思ったら、
ついにジョニー・デップまでもヴァンパイア映画に手を出したかって感じです。
原作は70年代の昼メロドラマらしいのですが、
なんでもジョニデ自身が映画化の版権買って、持ち込んだ企画らしいです。
それを受けた盟友ティム・バートン監督もヴァンパイア映画が好きそうですよね。
秋公開のヴァンパイア映画『リンカーン 秘密の書』の製作もしているみたいだし。
というか、自身の次の監督作はセルフリメイクの『フランケンウィニー』だし、
ヴァンパイア映画というよりもゴシック映画が好きなのかな?

本作はジョニデとバートンはすでに8作目となる鉄板タッグなので、
観る前から一定の面白さは担保されていると確信がありました。
その確信は正しかったですが、安定感がありすぎて、期待を超えるほどではなく、
ちょっとマンネリを感じてしまったようなところも…。
ただそのマンネリ感が、この鉄板タッグによるものなのか、
やたら多いヴァンパイア映画だからなのかは判断が付きません。
なんにしても、もうちょっとヒネりを利かせてほしかったです。

1760年、リバプールからメイン州に引っ越してきた富豪コリンズ家は、
そこに港町コリンズポートを開き、コリンウッドと称する屋敷を建て、定住を決めます。
それから暫らく後、コリンズ家の息子バーナバス(ジョニー・デップ)は、
美女ジョゼット(ベラ・ヒースコート)と恋に落ちますが、
バーナバスに想いを寄せていた魔女のアンジェリーク(エヴァ・グリーン)は怒り、
彼女はジョゼットに呪いをかけ、自殺の名所「やもめ岬」から見投げさせます。
なんだかものすごく悪い魔女のようですが、この件に関してはバーナバスも最低です。
彼は使用人としてコリンズ家に仕えていたアンジェリークに遊びで手を付け、
弄んだあげく彼女を捨てたわけですから、恨まれて当然ですね。
まぁジョゼットには何の落ち度もなかったわけですけど…。
しかしそんな強力な魔女が、なんで使用人なんかしてるんでしょうね?
その気になればバーナバスのことだって、どうにでも出来そうなものを。

恋人に目の前で死なれ、絶望したバーナバスもすぐに後追い自殺をするのですが、
彼もまた魔女の呪いですでに不死身の吸血鬼に変えられており、身投げしても死ねず…。
それでもバーナバスを自分のものにできないと悟ったアンジェリークは、
彼を生きたまま棺桶に詰めて、地中深くに埋めてしまいます。
それから時は経ち1972年、たまたま工事作業員が棺桶を掘り起こしてしまい、
バーナバスは約200年ぶりに解放されることになるのです。
本作は、一種のタイムスリップ・コメディで、『テルマエ・ロマエ』のように、
昔の人が急に現代に来てしまい、その文化のギャップによって起こる出来事を、
面白可笑しく描こうという展開になります。
18世紀の産業革命以前のイギリス人であるバーナバスが、
1972年のアメリカで蘇ってしまい、自動車やテレビに驚く様が笑いを誘うのですが、
1972年なんて80年代生まれのボクにとってもけっこうな昔なので、
大昔の人がけっこうな昔に来ただけという印象を受けてしまいます。
本作は70年代のドラマが原作なので、当時としては70年代が現在だったのでしょうが、
どうせ今リメイクするなら、2012年を時代背景に変えてもよかったと思います。
20世紀と21世紀では、ある意味18世紀と20世紀以上のギャップがある気がするし、
今更バーナバスに白黒のブラウン管テレビで驚愕されても…、という気持ちになりました。

とはいえ、70年代のままにした理由もわかります。
当時のアメリカはベトナム戦争の真っ最中で、若者の間ではヒッピーや、
トロール人形など妙ちくりんなものが流行した、文化的に混沌とした時代です。
200年前のバーナバスどころか、今の我々でも理解に苦しむような時代で、
ある意味、バーナバスとは逆のベクトルながらも、彼に共感を覚えることができます。
なにより70年代が青春だったジョニデやバートンにとって、思い出深い時代なのでしょう。
作中にもカーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」など、
挿入歌として当時ヒットしたロックやポップスが多数使用されていたり、
当時ブレイクした歌手アリス・クーパーが、本人役で出演してヒット曲を熱唱したり、
コリンズポートで当時の象徴的な映画『スーパーフライ』が上映されていたりと、
70年代の大衆文化に対するオマージュが数多く盛り込まれています。
当時まだ生まれていないボクにはアレですが、ある層の人には堪らない演出なのでしょう。
(アリス・クーパーに関しては、単なる顔面白塗りつながりという話も…。)

200年ぶりにコリンウッド屋敷に戻ってきたバーナバスですが、コリンズ家はすっかり没落。
家業である水産業は、200年の間に町の名士になっていた魔女アンジェリーナが経営する
「エンジェル・ベイ・シーフード」に牛耳られ、子孫は屋敷で細々と生活していました。
そこでバーナバスは、現当主エリザベス(ミシュル・ファイファー)と協力し、
吸血鬼の能力や隠し財産を使い「コリンズ水産株式会社」を設立したりと、
コリンズ家を再興のため尽力します。
バーナバス吸血鬼の能力で催眠術が使え、人の心を操ったりできるのですが、
そんなことができるなら事業起こさなくても大富豪になれそうですけどね。
それにしても現コリンズ家の人たちって、バーナバスの直系ではないですよね?
彼は未婚だったと思うし、ジョゼットにも子どもはいなさそうでした。
しかし彼の両親も彼が吸血鬼になる前にアンジェリーナの呪いで死んでいるので、
兄弟の子孫というわけでもなさそうで、実はかなり遠縁な気がします。

(以下、重大なネタバレあり。)

現コリンズ家の人々は、実は吸血鬼であるバーナバスに負けず劣らずの奇人ぞろいで、
中でも当主のひとり娘キャロリンは、人狼だったりするんですよね。
15歳のキャロラインを演じているのはクロエ・グレース・モレッツ。
なりきりアメコミヒーロー役でブレイクした彼女ですが、すでに吸血鬼役も経験し、
本作でついに人狼にまでなってしまいました。
今度はゾンビの役をするそうですが、いい感じにカメレオン女優化してきてますね。
まさに女版ジョニデ路線を一直線です。
彼女が本作に抜擢されたのも、過去に『モールス』で吸血鬼役をしたからでしょう。
他にもドラキュラ伯爵が当たり役だったクリストファー・リーや、
原作ドラマでバーナバス役だったジョナサン・フリッドもカメオ出演しており、
ジョニデやバートンのヴァンパイア映画に対する思い入れが感じられます。

あとコリンウッドの屋敷には、コリンズ家の子孫の他に、
使用人、精神科の女医、家庭教師の3人が住んでいます。
バーナバスは恋人ジョゼットにそっくりな家庭教師ビクトリアに恋しますが、
実はビクトリアには秘密の過去があり、ビクトリアも偽名なのです。
本名はマギーなのですが、どうやら偽名を名乗ることに深い意味は内容で、
原作で別々の人物だったマギーとビクトリアを合わせたための名残のようです。
一応ヒロインですが、強力キャラの魔女アンジェリークに喰われ気味で、空気状態です。
女医ジュリアを演じるのはバートン監督の奥さんヘレナ・ボナム=カーター。
いつものバートン作品より地味な役だなと思ったら、最後の最後に…。

バーナバスは主人公だけど「肉体の誘惑に弱い」と本人が認めるほど下半身がだらしなく、
コリンズ家を没落させ、恋人や家族を殺し、自分を怪物に変えた魔女アンジェリーナと、
懲りずにセックスしちゃったりします。(怪物同士のセックスはかなり激しいです。)
しかも恋人ジョゼットを愛しながらも、似ているだけのビクトリアに惚れたりと、
ジョゼットのことも容姿が好きなだけだったのか?って思っちゃいますね。
それになにより、吸血鬼なので食料として人間の血が必要で、
不本意と言いながらも無関係な町の人々を殺しています。
人間にとっては魔女アンジェリーナの方が実害がないばかりか、
実業家として雇用も創出してるありがたい存在で、もうどっちが悪者かわからないですね。

本作はバーナバスの時代ギャップにしても、コリンズ家の面々の秘密にしても、
出オチ的な展開だったので、続編を思わせるような結末でしたが、
たぶんこれで終わりなんじゃないかと思います。
ジョニデ&バートンの過去7作も、どんなにヒットしても続編なんてなかったし、
その潔さがこの鉄板タッグの魅力でもあったと思うから、
続編はないだろうというか、続編は作らないことを願います。

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