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フェイシズ

登場人物が多い外国映画って苦手です。
なぜなら登場人物が多すぎると、顔と名前が一致しなくて混乱してくるからです。
よく外国人は日本人の顔の区別がつかないといいますが、
ボクも外国人の顔を覚えるのは苦手で、はじめはみんな一緒に見えました。
まぁその俳優に興味を持てば自然と区別できるようになって、
映画をよく観るようになってからは、かなり外国人俳優も覚えたし、
メインキャストで混乱することは少なくなりましたが、脇役になるとまだまだです。
「あれ?この人、さっき出てた気がするけど、誰だっけ?」みたいになります。
特に美女やイケメン俳優は、顔が整いすぎて個性がなく、見分けるのが困難です。
ダニー・トレホとかロン・パールマンみたいな個性的な顔ばかりなら楽なのにね。

まぁ外国人に限らず、AKB48なんかも全く見分けが付かないんだけど…。
人数が多すぎて覚える気が失せるのも確かですが、一部の人の好みで選出されてるから、
メンバーのタイプも似たり寄ったりで、同じような子ばかりだし…。
ボクがパッと見て区別できるのは3人くらいですが、そんな人、多いんじゃないかな?
今度、フジテレビがAKB48の選抜総選挙を、3時間も独占生中継をするそうですが、
フジテレビはこの番組で視聴率が取れると思っているかもしれないけど、
ほとんどの視聴者は、見たとしても上位発表の20~30分くらいだけで、
誰だかわからない下位発表の間の視聴率は悲惨なことになると思います。

ということで、今日は顔が区別できない病気がテーマの物語の感想です。

フェイシズ

2012年5月12日日本公開。
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演によるシチュエーション・サスペンス。

女性を殺害してはレイプする、シリアル・キラー「涙のジャック」。すでに5人の女性が犠牲となっているが、警察は何ひとつ手掛かりをつかむことができずにいた。ある晩、小学校教師のアンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、運悪く涙のジャックの犯行現場に出くわしてしまう。そのまま追いかけられ、すんでのところで川に落下して逃れられるが、その際のショックで人の顔の識別が不可能になる相貌(そうぼう)失認という障害を抱えてしまう。目撃した涙のジャックの顔を懸命に思い出そうとするアンナだったが……。(シネマトゥデイより)



本作は本国アメリカでもそれほど大規模では公開されなかったみたいで、
当然ヒットしたわけでもないので、あまり情報もなく、
ボクもとりあえずミラ・ジョヴォヴィッチ主演ということだけを頼りに、
面白い作品なのかどうか半信半疑で観に行きましたが、
面白かったかは別として、なかなか興味深い作品だと思いました。
ある記憶障害が題材になっているのも興味深かったですが、
なによりこんな映像にするのが難しそうな題材によく挑戦したものだと感心しました。
まぁその映像化の挑戦が成功したかどうかは微妙なラインですが…。

女性を殺し泣きながら死姦するサイコな連続殺人犯"涙のジャック"の犯行の瞬間を、
たまたま目撃してしまった小学校教師アンナ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)だが、
口封じのために襲ってきた犯人から逃げ、川に転落してしまう。
それでも犯人からは逃げ切り、病院に担ぎ込まれた彼女だが、
転落時に頭を強打したのが原因で、「相貌失認」という記憶障害になってしまう。
「相貌失認」というのは、人の顔や表情が判別できない記憶障害の一種で、
噛み砕いて言えば、人の顔を覚えられなくなり、誰でも初対面に感じる病気です。
どんな親密な人でも、例え自分の顔でも、全く識別できなくなるのです。
犯人の顔を見たアンナですが、当然犯人の顔を識別できなくなってしまい、
例え隣に犯人がいたとしても、顔からは気付くことはできません。
しかし犯人は、唯一の目撃者である彼女を放っておくはずもなく…。

かなり厄介な症状ですが、「相貌失認」というのは実在にある記憶障害らしく、
ウィキによれば、先天的に発症する確率は2%もあり、珍しい病気ではないそうな。
でも人の認識は顔だけで行っているわけではないので、
他の機能で補われ、本人が気付かないケースも多いのだそうです。
人の顔がなかなか覚えられないって人は、もしかしたら発症しているかもしれません。
ボクも仕事関係の人とか全然覚えられないので、ちょっとドキッとしました。
ボクの場合は単なる近視で、人の顔がぼやけているからわからないだけかな?
でも親しくなれば、顔をまじまじと見なくてもすぐわかるので、
やっぱり視力の悪さも他の機能で補完されているんでしょうね。

相貌失認になったアンナは、恋人や友達の顔もわからなくなってしまうのですが、
医者の助言で、ホクロやタトゥー、歩き方などの特徴から、人を識別する努力をします。
具体的には服装で識別するのですが、小学校の生徒たちはみんな制服だし、
恋人はいつもスーツを着ており、なかなか上手く識別できず、
仕事も休職させられ、恋人とも破局してしまいます。
ボクも立ち振る舞いで人を識別しているかはわかりませんが、
服で人を識別することってよくありますよね。
芸能人でも、いつものお決まりの恰好をしてなかったら誰かわからないなんてことも。
その点では、制服とかユニフォームとかはホントに厄介で、
同じような格好のアイドルグループとか、スポーツ選手とか、全く覚えられません。
アンナが恋人と破局したのは、恋人に相貌失認が治ったと誤魔化していたのに、
同じ格好をした男と恋人を見間違えたことが原因です。
でもそんな嘘をつかないで、恋人に個性的な格好をしてもらえばいいのにね。

人の顔が認識できないはずのアンナですが、なぜかひとりだけ認識できる人がいます。
それがこの殺人事件の担当しているケレスト刑事です。
医者からも「奇跡的に識別できる人がいるかも」と言われていた彼女は、
彼に運命を感じるのですが、何故彼だけ識別できるのかかなり胡散臭いですよね。
率直に言えば、彼女が相貌失認になる直前に見た顔だから、脳に焼き付いているのではと。
つまりはケレスト刑事こそ"涙のジャック"ではないのかと。
ストーリーは、明らかに恋人が犯人のような展開になっているので、
そっちにミスリードさせようとしているのではないかと。
でも、ボクごときに見透かされるようではサスペンスとしてまだまだだな、
なんて思っていたら、実はケレスト刑事の方もミスリードだったのです。
まさかの二重のミスリードで、まんまとやられてしまいました。
なのでサスペンスとしては、なかなか楽しめたと思います。

でもやはり興味深いのは、相貌失認をどう映像にするのかですよね。
観客はヒロインであるアンナの立場で、相貌失認の彼女の目に、
人の顔がどう見えているかを再現する演出になっています。
いわば相貌失認の疑似体験を映像でやろうとしているのですが、
おそらく本当の相貌失認の感覚はこんなものではないと思えます。
誰であっても、会うたびに初対面に感じるという表現を、
会うたびに別人に感じるというふうな演出にしています。
そのため、ひとりの役を何人もの俳優を使って演じさせるという手法で表現してるけど、
実際には会うたびに記憶がリセットされているだけで、顔が別人になるはずはなく、
この表現方法は相貌失認の再現としてはちょっと歪曲しすぎかなと思えます。
まぁ観客は相貌失認にかかっているわけではないので、
こんな手法を取るしかなかったのはわかるんですけどね。
そのためにあえて似た俳優をたくさん集めた努力も評価できます。
小学校の生徒たちなんか、首のすげ替えでもしたのかってほど似た顔ばかりで、
うまくいっているとは言い切れないけど、その挑戦は興味深かったです。

なかなか楽しめたので、地味な作品なのに日本公開してくれたことはありがたいですが、
どうせ邦題を付けるのなら、もう少し凝った方がいいです。

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