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幸せの教室

なんでも、TOHOシネマズで新しい券売機が導入されているそうです。
今までのインターネットチケット発券機ではクレカや電子決済が必要でしたが、
それを使えば現金での支払いもできるそうです。
さらにチケットカウンターの代わりに当日券の販売もするそうです。
ボクの行きつけのTOHOシネマズ4館でも、15日のなんばを皮切りに導入されるみたいで、
一体どんな機械なのか楽しみです。
イメージとしては、ティ・ジョイのシネコンの券売機に近いのかな?

ただ、便利になったなんていっても、今までのチケットカウンターの仕事を、
機械にやらせているだけで、客にとってはそれほど利便性が向上したわけでもなく、
結局は従業員を減らすための単なる人件費カットだろうと思います。
今まで従業員が臨機応変に対応してくれたことで、助かったこともあるのですが、
融通の利かない機械が対応することは、客にとっては不便になったようにも思います。
なにしろその機械では紙の前売り券すら使用できませんからね。
割高なムビチケカードを買えってことでしょう。
人件費削減したいのはわかるが、日本トップのシェアのシネコンなので、
大企業の社会的責任として、雇用はどんどん増やすべきです。
しかも映画業界は一昨年に過去最高の利益を上げており、
この不況の最中では比較的元気な業界はずなんですが…。

ということで、今日はいきなり解雇された販売業従業員の物語の感想です。

幸せの教室

2012年5月11日日本公開。
トム・ハンクスが監督、脚本、主演を務めたヒューマン・ドラマ。

ラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、大学を出ていないという理由から長きにわたって勤務してきたスーパーをリストラされてしまう。その後、隣に住む夫婦の勧めで地元の大学に通うことに。大学での新生活に希望を抱くラリーだったが、ラリーを教える教師のメルセデス(ジュリア・ロバーツ)は仕事への情熱を失っていた。しかし、そんな二人の出会いがお互いの人生を大きく変えていく。(シネマトゥデイより)



本作はハリウッドのトップ俳優トム・ハンクスの16年ぶり、2本目の監督作です。
ベストセラーにもなった回顧録小説『How Starbucks Saved My Life』を原作としており、
それに感銘を受けたハンクスが映画化権を取得したのだそうな。
原作は大手広告代理店の重役だった男が53歳で突然解雇され、スタバで働くことになるも、
そこで仕事のやりがいや人生の本当の豊かさに気付く、という話です。
でもハンクスが手掛けた本作のストーリーは、ほぼオリジナルとなっているようで、
中年になってからの突然の解雇と、その後の若い女の子との交流くらいしか踏襲されず、
それでも十分面白いのでいいのだけど、これなら映画化権を取得することもなかったなと。
原作のままでも面白そうなので、それが別の機会に映画化されることもなくなったのは、
ちょっと勿体なかったのではないかと思います。

ハンクスも久しぶりの監督作で、かなり気合が入っているんだろうと思いますが、
あまり世間の評判は評論家の評価はよろしくないようで…。
たしかにわざわざハンクスがメガホンを取るほどの作品だからと期待させたわりには、
なんとも平凡なロマコメだったと思います。
でもボクとしては、それはそれで普遍的で安定感があるので、けっこう楽しめました。
それにハンクスとジュリア・ロバーツの豪華共演というだけでも観る価値はあるでしょう。
特にハンクスは、久々にコメディチックなキャラを演じており、よかったです。

大型スーパーに勤めるラリー・クラウン(トム・ハンクス)は、優秀な従業員だったが、
「大卒でなければ昇進できない制度」という口実で、突如リストラされてしまいます。
仕方なく就職活動を始めるも、この不況では再就職するにも大卒でなければ難しいく…。
それにしても無茶苦茶な解雇理由ですよね。
そんなことは面接の時に言っておくべきだし、ラリーも別に昇進を望んでないのに…。
「人種や性別、性的趣向で差別しないが、学歴は」なんて解雇理由の説明もやらしいです。
実際に学歴が役に立つのなんて、専門的な職業だけだし、
大型スーパーの従業員のような仕事は、それよりもっと大事な資質が必要なはず。
高卒でも優秀な従業員であるラリーを切るようでは、企業としても先は知れていて、
実際に作中でも、ラリーに解雇を告げた大卒のキャリア社員も、後に解雇されています。
従業員を大切にしない会社は潰れるし、潰れるべきです。

ラリーは再就職のためのスキルを身につけようと、短期大学に入学することにし、
そこで、プライム経済の講義とスピーチの授業を取ります。
短大といっても日本の短大とはぜんぜん別物で、大卒資格を取る場所ではなく、
主に職業訓練などをする専門学校のようなものです。
ボクは大卒ですが、学生時代は遊び倒していたので、ロクに勉強もしておらず、
今になって勉強がしたくなり、何度か資格スクールに通ったりしているのですが、
大人になってから勉強するのって楽しいですよね。
「若い方が覚えがいい」なんて言われますが、大人になっての勉強は意欲が違うので、
今の方が断然身に付いている気がします。
ラリーも教室で最年長ですが、かなり優秀な生徒で、プライム経済の講義で習ったことを
即日自分の生活に役立て、ローン地獄から脱出してしまいます。
このプライム経済の講師マツタニ先生(ジョージ・タケイ)は面白いキャラでツボです。

一方、スピーチの授業は、いつも定員割れギリギリの不人気授業。
でもスピーチの授業って楽しそうだし、けっこう役に立ちそうですよね。
ボクは潰しが効くと思って経済学部に入りましたが、
今となっては全然役に立ってない経済理論を詰め込む座学ばかりで、
いざ、就職の時の面接でかなり苦労しました。
今でも人前で話すのは苦手だし、こんな授業を受けたかったです。
特に本作でのスピーチの授業は、クラブ活動のようなノリで、
生徒が和気あいあいとしていて、とても楽しそうでした。
スピーチの授業の講師であるテイノー先生(ジュリア・ロバーツ)は、
自分の授業の意義に確信が持てず、授業することに対しても消極的。
自称小説家の夫との結婚生活も破綻し、酒に溺れる日々でした。
しかし、授業を楽しそうに受ける生徒ラリーのことが次第に気になり始め…。

人生のドン底だったラリーですが、短大に通い始めてからは、
勉強が始まったり、若い友達にも囲まれて生活が一変します。
特に若い女生徒のタリア(ググ・バサ=ロー)は、ファッションの見立てなど、
何かとラリーの世話を焼いてくれて、2人はとても仲良くなります。
親子ほども年の違う2人で、もちろんプラトニックな関係なのですが、
テイノー先生は「オヤジ好きの女子を狙って入学した」とラリーを誤解し軽蔑します。
ラリーの場合は違うけど、資格スクールとか行くと、そんなオヤジもたまにいますね。
資格スクールより料理教室とか習い事の方が多いかな?
軽蔑しますが、ボクもせっかくなら友達が出来たらいいと思って通ってますね…。

ラリーは学校に通いながらも、レストランで調理の仕事を始めることにします。
彼は高校卒業後、海軍で20年間コックをしていたので料理はお手の物です。
そんな手に職があるなら、クソみたいな大型スーパーで働かずとも、
はじめから調理師として働けば、引く手あまただっただろうに…。
でも販売の仕事の方が好きなのか、わざわざ経済学を学ぶんですよね。
なのに結局は調理の仕事を始めて、それなりに充実感を得ているというのは、
ちょっと脚本的に整合性が欠けるかなと思います。
そもそも本作は学校でスキルを身に付けたことでラリーの人生が変わったわけではなく、
学校での人との出会いが人生を変えただけで、あまり教養の重要性は説かれません。
実際に教養や学歴よりも、人間関係の方が人生を大きく左右するのは間違いないですが、
スピーチ技術を身に付けたラリーがどうなったとか、そんな展開も期待したので、
ちょっと肩透かしをくらった気分です。

ロマコメ部分に関しては、テイノー先生が自分とはまったく価値観の違うラリーに
惹かれるようになるのはよくわかるし、その過程もしっかり描かれていますが、
ラリーがテイノー先生に特別な感情を抱き始めるキッカケが明瞭ではなく、
これでは彼女からただキスされたから好きになったかのような印象です。
ラリーは誰に対しても好意を持ち、また好意を持たれやすい人物ですが、
どちらかといえば女生徒タリアとの関係の方が深い印象を持ちました。
本作はもしかしたら、テイノー先生がラリーに会うことで自分を見つめなおす話で、
ラリーよりもテイノー先生の方がメインなのかもしれませんね。
まぁロマコメってのは、基本的に女性が観るものなので、それが普通かもしれませんが。
そういえば本作は、ユニバーサルの調査では観客の7割以上は50歳以上だったそうだから、
ほとんどの観客が50代の中年ラリーの再スタートの話だと思って観たのかも。
だとすると、実際はロマコメだったために、完全にターゲットを逃しており、
あまり評判がよくなかったのも当然かも。
それはアメリカでの調査ですが、ボクが観に行った劇場も若干年齢高めだったかな。
でも本作は年齢も性別も学歴も問わない内容で、
期待しすぎなければ誰でも気軽に楽しめるいいロマコメだと思います。

余談ですが、作中で女学生タリアが「これは日本語で"勇気ある精神"という意味よ」と、
腰に入れた漢字のタトゥーをラリーに見せるのですが、
それを見たラリーは「それは中国語で"ソイソース"という意味だよ」と答えます。
たしかにタリアの腰には「醤油」と入っているのですが、
醤油を中国語と言われると、ちょっと違和感がありますよね。
まぁ中国発祥なのは間違いないけど、今となっては日本のものとは全く製法が違い、
アメリカで一般的にソイソースと呼ばれるものも、日本の醤油です。
本作の言い方ではアメリカではソイソースは中国のソースだと思われている感じで…。
でも確か日本の醤油は「Kikkoman」と呼ばれていると聞いたこともあるので、
アメリカ人はソイソースとkikkomanを別物と考えてるのかな?

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