ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

名探偵コナン 2012

昨日に続きアニメ映画の記事です。
今日紹介させてもらいます『名探偵コナン』劇場版シリーズの最新作は、
「Jリーグ20周年記念プロジェクト」とのコラボ作品ということで、
作中に実在のプロサッカークラブや現役Jリーガーが実名で登場しています。
現役Jリーガーの役は選手本人がアフレコしているのですが、
これが観ているコチラが赤面してしまうほどのダイコンで…。
まぁスポーツ選手なので演技は素人だから当然ですが、それで思ったのは、
近年ではよくタレントがアニメ映画の声優をする機会が多いけど、
その人たちって意外と声の演技が上手かったんだなってことです。
声優ファンなんかからは、タレント起用に批判的な意見もありますが、
やっぱり完全な素人とは、ぜんぜん違うんだろうと思えました。
本作にはJリーガーだけでなく、タレントの桐谷美玲もゲスト声優に挑戦していますが、
ぜんぜん違和感なく、言われるまで気が付かないほどでした。

しかし言われないと気付かないようでは、せっかくのコラボも意味がなく、
Jリーガーのキャストについては、あえて下手くそなまま使って、
本人が声をあてていることをアピールしているのでしょうね。
本作に前作に引き続き実名でゲスト出演したフリーアナウンサーの宮根誠司は、
演技しすぎて不自然な声でしたが、それでは本人役の意味が全くないなと思ったし…。
そういえば昨日感想を書いた『クレヨンしんちゃん』でも、
フリーアナウンサーの羽鳥慎一が本人(?)役でゲスト出演してましたが、
コチラは自然な声でなかなかよかったと思います。

とはいえ、現役Jリーガーの出演を喜ぶのはサッカーファンだけ。
『名探偵コナン』ファンからすれば単なるダイコン声優でしかなく、
喋ることが仕事なタレントならまだしも、完全な素人の起用は控えるべきでしょう。

ということで、今日はJリーグの振興に一肌脱ぐことになった映画の感想です。

名探偵コナン 11人目のストライカー
名探偵コナン 2012

2012年4月14日公開。
テレビアニメ「名探偵コナン」の劇場版シリーズの第16弾。

毛利小五郎の探偵事務所に脅迫電話が舞い込み、小五郎の前で路上の自動車が爆発。そのころスタジアムでサッカー観戦中だったコナンは、犯人が突きつけた暗号を解読しなければ次の爆破が実行されると聞かされる。暗号解読に挑むコナンだったが、恐るべき真実に突き当たり……。(シネマトゥデイより)



今年も当り前のように初登場ナンバー1になり、興行収入30億円には届くであろう、
最強のゴールデン・ウィーク映画になるのは、ほぼ間違いなさそうな本作ですが、
ホントに『名探偵コナン』の劇場版シリーズはすごいですね。
ボクは(遅々として進まないので)原作漫画はずいぶん前に読むのやめたし、
テレビアニメの方も全然見たいとは思わないんですが、
劇場版だけは毎年楽しみにしています。
それは『名探偵コナン』という作品に惹かれて、というよりも、
日本最高峰の完成度を誇るアニメ映画だと思っているからです。

特に毎度感心させられるのは、作画の緻密さです。
静止画だと美しいアニメ映画はけっこうありますが、
アクションやスペクタクルシーンでの、複雑な構図や動きがここまで緻密な作品は、
日本では『名探偵コナン』の劇場版を置いて他にはないでしょう。
ハリウッドのCGIアニメーションをセル画風に落とし込んだような映像です。
これだけ手間がかかってそうだと、製作費も他のアニメの比ではないでしょうが、
「絶対に30億円は稼げるコンテンツ」だから出来るんでしょうね。
レギュラー放送では再放送ばかりしているようですが、
そこで得た余剰労力も全て劇場版に注ぎ込んでいるのでしょう。

本作でも、序盤のスペクタクルシーンである、
東都スタジアム爆破事件の映像は圧巻でした。
緻密な描き込みもさることながら、電光掲示板が客席に落下すると、
ホントにこんな事態になりそうだと思えるリアルさがあり、
アニメではなかなか感じることのできない迫力を感じます。
製作費200億円以上のハリウッド映画『ジョン・カーター』よりも迫力があるくらいです。
ただ、意図的にスペクタクルな展開にしようとするあまりに、
毎度毎度、劇場版のたびに爆弾事件になるのは、ちょっと味気ないですが…。

毛利探偵事務所に爆弾事件を予告する強迫電話があり、
犯人から爆弾を仕掛けた場所を示す暗号が与えられる。
暗号を解き、東京スピリッツ対ガンバ大阪の試合中の東都スタジアムの電光掲示板に、
爆弾が仕掛けられていることに気付いたコナンの活躍により、
爆弾解除は間に合わなかったものの、ひとりの死傷者も出さずに済む。
しかし、再び届いた脅迫状には、次はもっと大観衆の前で爆発させるとの予告が…。
捜査線上に浮上した6人の容疑者のうち、爆弾犯は誰なのか、
そしてコナンは爆弾事件を阻止できるのか…、というストーリーです。

毎度の爆弾事件は別にしても、今回はストーリー的にもイマイチだったかな…?
その理由は明白で、本作は『名探偵コナン』の劇場版であることよりも、
なによりJリーグの振興が目的となる話だからです。
キング・カズこと横浜FCの三浦知良選手をはじめ、ガンバ大阪の遠藤保仁選手、
名古屋グランパスの楢崎正剛選手など、現役Jリーガーが多数出演し、
物語の重要なキーマンとなっているのですが、
その反面、『名探偵コナン』のレギュラーキャラの扱いが小さくなっています。
特に原作からのゲストである架空のサッカー選手、ヒデや比護は、
本物のJリーガーが出演しているため、あまり目立った活躍も与えられず、
せっかくの劇場版出演なのに、少し可哀想な状況になっています。
でも一番らしくないのは、ヒロインである毛利蘭が完全に空気化していることで、
劇場版のひとつの売りであったロマンス展開が、本作では皆無なことでしょう。
劇場版はあくまでも原作やレギュラー放送の年に一度のスペシャル版なのだから、
原作ファンに対するサービスを蔑ろにするべきではないです。

それにJリーグ振興が最重要であるため、Jリーガーの凄さをアピールしすぎです。
二度目の爆破予告で、Jリーグ最終戦10試合が行われる全てのスタジアムに
爆弾が仕掛けられていることがわかり、その爆弾を解除するには、
試合中の一定時間内に、全試合の片方のチームのエースストライカーが、
コーナーポストのド真ん中にシュートを当てなければなりません。
しかもその解除方法は監督とエースストライカーにしか知らされないので、
通常のプレイ中に行われなければいけません。
いくらプロのサッカー選手とはいえ、そんなこと出来るわけないです。
ところが、劇中ではその難しいミッションをどんどん成功させ、
全てのスタジアムであっさり解除されてしまいます。
これはいくらなんでもJリーガーの凄さを過大評価しすぎです。
そんなピンポイントにシュートを決められるなら、日本は今頃W杯の王者です。
あまりにウソ臭すぎて、ミステリーとしての最低限のリアリティも感じません。

本作は主人公であるコナンも、ちょっと様子がおかしく、
犯人の意図を読み違え、らしくない重大な推理ミスをします。
暗号の解読ではさすがの完璧超人ぶりを発揮していますが、
犯人の割り出しに関しては、動機を掴んだ白鳥刑事の貢献の方が大きいくらいです。
クライマックスはコナンが「11人目のストライカー」として、
コーナーポストの真ん中にシュートをしなければならなくなりますが、
サッカーも超人的なあのコナンが、なんと枠を外してしまいます。
これも「コナンですら無理なことをJリーガーは簡単にできるんだよ」という、
Jリーガーに対するヨイショに他なりません。
コナンもセカンドチャンスでなんとか成功させますが、
それも遠藤選手も助言のお陰のような描き方になっています。

Jリーグのファンは嬉しい展開かもしれないけど、
『名探偵コナン』のファンの全てがJリーグのファンなはずはなく、
むしろ興味ない人の方が多いくらいでしょう。
ボクもサッカーは日本代表の国際Aマッチをちょくちょく見る程度で、
全くJリーグには興味がなく、振興目的が鼻について、逆に白けます。
特に今はJリーグが盛り上がっている時期でもなく、「なぜ今?」って感じだし、
こんなコラボをするなら、せめてW杯イヤーにした方がいいです。
今やるならJリーグよりもなでしこリーグの方が旬ですよね。
ただ、キング・カズの登場だけは、微妙にテンション上がったけど…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/677-0e9b09c7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad