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バトルシップ

今日の朝方、ついに北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」名目の
長距離弾道ミサイルの発射実験を実行しました。
ロケットは沖縄県先島諸島上空を通過するとみられるため、
自衛隊はイージス艦を用いた弾道ミサイル防衛システムを使い、
もしもの事態に備えていましたが、結局ミサイルはほとんど飛ばず、
黄海の洋上に落下したみたいです。
日本としては、やはり杞憂に終わってちょっとホッとしましたが、
北朝鮮としては、あれだけ国際的に非難されながらも強行しておいて、
この大失敗はかなり恥ずかしいでしょうね。
第一書記が顔を真っ赤にして怒ってる様子が目に浮かぶようです。

ということで、今日は北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて、
日本海に配備されたイージス艦「みょうこう」も参戦する、
エイリアンとの決戦を描いたSFアクション映画の感想です。
脅威という意味ではエイリアンも北朝鮮も大差ないですね。

バトルシップ

2012年4月13日日本公開。
ハスブロ社製作のユニバーサル映画100周年アニバーサリー大作。

アメリカや日本など、各国の護衛艦がハワイに集まって大規模な軍事演習を敢行することに。アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本の自衛艦の艦長ナガタ(浅野忠信)をライバル視しながら演習に参加。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。人類からの友好的な呼びかけに応じて現われたエイリアンの母船だという科学者たちの推測に反し、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる。(シネマトゥデイより)



本作の製作会社ハズブロ社は、『トランスフォーマー』や『G.I.ジョー』の製作会社で、
本業はおもちゃ屋さんで、自社のおもちゃやゲームの映画化をしています。
だから本作も当然ハズブロ製品、ゲームの実写映画化なのですが、
原作ゲームはどんなものかといえば、日本でもお馴染みの「海戦ゲーム」です。
ボクの周りでは「軍艦ゲーム」と読んでましたが、
誰でも小学生のころにやったであろう対戦型ペンシルパズルです。
紙とペンがあれば誰でも遊べるそのゲームが、なぜハズブロ製品なのかってことですが、
どうもそのゲームをハズブロ社がボードゲーム化し、
そのボードゲームを直接の原作としているからみたいですね。

そんな原作ゲームにストーリーなんかあるはずもなく、
エイリアンと軍艦が戦うという本作のストーリーは後から足したものです。
本作のプロデューサーでもあるピーター・バーグ監督は、軍艦オタクだったので、
軍艦による海戦がメインの戦争アクションを撮りたいと思っていたそうですが、
その監督の思いと、自社の製品を映画化したいハズブロ社の思惑が一致し、
本作の製作に至ったのでしょう。
監督にしてみれば軍艦での海戦が撮れれば、原作ゲームなんてどうでもよく、
彼曰く、原作の「見えない敵を見つけて攻撃する」というルールだけ参考にしたのだとか。
それだけのネタから、長編映画なんて作れるのだろうか?と思いましたが、
いざ観てみると、予想をはるかに超える面白さで、感動しました。
原作は映画化されたハズブロ製品としては一番地味ですが、
映画化された本作は、今までのどのハズブロ映画よりも面白かったです。

2005年、知的生命体がいそうな惑星「プラネットG」を発見したNASAは、
その惑星と交信を試みようと信号を送る「ビーコン・プロジェクト」を始動する。
その数年後、アメリカ海軍主催で、海上自衛隊など世界各国の海軍が参加し、
ハワイで開催された環太平洋合同演習の最中、
プラネットGからエイリアンの宇宙船の編隊が地球に飛来し、真珠湾に着水。
演習中の艦隊と武力衝突が起こる、…という話です。

エイリアンの宇宙船は5隻の編隊でしたが、1隻は大気圏外で人工衛星に激突し墜落。
真珠湾に着水した残る4隻と演習艦隊のバトルになるのですが、
宇宙船がドーム型の電磁波バリアを張ったため、実際に迎え討てる戦力は、
バリア内に展開していた駆逐艦3隻だけです。
それが本作の主人公ホッパー中尉(テイラー・キッチュ)が着任する米海軍駆逐艦JPJと、
彼の兄が艦長を務める米海軍駆逐艦サンプソン、
そしてナガタ一等海佐(浅野忠信)が艦長の海上自衛隊イージス艦みょうこうです。
環太平洋合同演習なので、カナダ、オーストラリア、韓国などの海軍も参加しており、
エイリアンVS多国籍艦隊という構図になるかと予想していたので、
各国に満遍なく華を持たせて、海上自衛隊の活躍なんてほんの少しだろうと思ってたけど、
ほぼエイリアンVS日米軍という構図だったのは、嬉しい誤算でした。
日米が協力して戦う場所が、真珠湾というのも、なんだか洒落が効いてますよね。

エイリアンの宇宙船4隻に対して、日米軍も駆逐艦3隻+α。
武器もエイリアン側の主力は直線的に飛ばすナパーム弾で、
日米軍の駆逐艦に搭載された武器と、そんなに技術的な差もありません。
宇宙船は未知の金属で作られており、目視はできるものの、レーダー等には認識されず、
海中に潜ってしまうと索敵できなくなりますが、
なぜか宇宙船側も、日米軍の駆逐艦の位置は把握できないみたいです。
なので戦力的にも拮抗しており、原作の対戦型ゲームの公平なルールを踏襲していますね。
出会いがしらの接近戦で、みょうこうとサンプソンはあっという間に撃沈されますが、
目視できないくらい離れてしまえば地の利は日米軍にあり、
ナガタの発案による海洋気象データの津波情報を使った索敵ができるため、
むしろ日米軍が有利なくらいです。
あくまで対等な立場であることを示すためか、エイリアンの主観映像も多く使われます。

しかしエイリアン側には卑怯なくらい強力な自律型砲弾があり、
やはりエイリアン側に分がありますね。
最後に残った駆逐艦JPJも、結局沈没してしまいます。
それにより戦力が尽きたかにみえた米軍ですが、ここでまさかの真打登場です。
本作のタイトルは「バトルシップ」、つまり「軍艦」ですが、
これまでの3隻は「駆逐艦」、つまり「デストロイヤー」です。
なので軍艦が登場してからが真骨頂でしょう。
現在のアメリカ海軍も軍艦なんてもう配備していないのですが、
たまたまバリア内に展示してあった軍艦ミズーリ号を再始動させ、
エイリアンとの最終バトルに挑むのです。
第二次世界大戦の頃の軍艦ですから、装備もローテクなのですが、
最新テクノロジーに頼らない見事な戦術により、敵主力戦と渡り合います。
ローテクがオーバーテクノロジーを凌駕するという、熱い展開に燃えますね。

それにしても、このエイリアンたちが、なぜ地球に来たのかは明確ではありません。
侵略と考えるのが妥当ですが、なんだか違うような気もします。
エイリアンたちはプレデターと同じで、無害なものは基本的に攻撃しません。
軍の兵器や補給路になりそうなハイウェイは破壊しますが、戦意のない人間は無視します。
地球突入時に通信船が大破したため、NASAのビーコン基地を制圧して、
母星プラネットGと通信しようとしますが、米政府が危惧するように、
その通信が援軍の要請のためかは定かではありません。
なにより武力衝突が起こった原因は、駆逐艦サンプソンの汽笛に呼応し、
宇宙船が汽笛を鳴らしたら、とんでもない音波が発生し、
駆逐艦の一部を破損させてしまったからで、ホントに悪気があったのかどうか…?
どちらかというと海軍側から攻撃を仕掛けたように見えました。
エイリアンのデザインも最近のSFでよく見るような禍々しいものではなく、
進化の過程で地球人と枝分かれしたようなヒューマノイドで、人間ぽいです。
太陽光に弱いようなので、太陽に近い地球なんて侵略しても利用価値はないかと…。

ストーリーですが、エイリアンが飛来するまでの序盤は、
主人公ホッパーが無茶やらかして兄貴に怒られたり、
ナガタと親善サッカーでいがみ合ったりと、コメディなノリで面白いです。
エイリアン飛来後は、一転して怒涛のアクションの連続になりますが、
いがみ合っていたナガタと協力し、不利な状況をどんどん克服していく展開は、
ワクワクさせられたし、爽快感も抜群です。
彼らの海戦と同時に、ホッパーの彼女サマンサ(ブルックリン・デッカー)が、
キャナルズ退役中佐(グレゴリー・D・ガトソン)と共に、
ビーコン基地を奪還する物語も描かれますが、こちらも地味ながらいい感じで、
特にキャナルズ退役中佐は過去の戦争で両足が義足になってしまった元陸軍兵ですが、
祖国のために今一度立ち上がる姿に感動しました。
これは退役戦艦であるミズーリ号の再始動と重なる展開ですね。

なにより本作の見どころは、我らが浅野忠信演じるナガタの予想外な活躍です。
浅野忠信もどうせ脇役のひとりだろうと思いながら演じていたそうですが、
完成してみれば準主役級の扱いじゃないで驚いたそうです。
はじめはちょっと嫌味な自衛官って感じで、あまり好感を持たれる役じゃないけど、
その能力が認められ、一時はアメリカ海軍の駆逐艦JPJの艦長にまでなり、
実質このエイリアンとの海戦の現場の最高指揮官ですからね。
ハリウッド出演2作目でこの待遇は、ボクも予想だにしませんでした。
本作は別にアメリカ海軍だけでも成立する内容ですが、
わざわざ海上自衛隊やナガタを重要なポジションを与えてくれたのは、
世界第二位の映画市場である日本に対するサービスに他ありません。
その好意はしっかり受け止めて、本作を日本でヒットさせましょう。
特にユニバーサルは(浅野忠信も出演する)超大作『47RONIN』の公開も決まっていて、
親日的な舵取りをするハリウッド・メジャーだと思うので。

浅野忠信は予想外の大活躍で嬉しかったけど、逆に活躍が少なく意外だったのは、
初めての映画出演となる世界的歌姫リアーナです。
アメリカ海軍の紅一点ではあるけど、ヒロインでもなく、けっこうな脇役です。
なんでも初演技なので、脇役から始めたかったという彼女の意向だったようですが、
なんとも謙虚で好感を持ちました。
一方、もっと活躍させないと勿体ないと思ったのは、リーアム・ニーソン。
アメリカ海軍の提督で、この演習の指揮官だったのですが、
彼の着任する空母ロナルド・レーガンは電磁波バリアの外で、一切参戦できず…。
まぁそのお陰で浅野忠信がいいポジションを得たわけだけど、
エイリアンに鉄拳制裁するニーソンの姿も見たかったです。

こんな面白い映画を製作したハズブロ社とユニバーサルですが、
なんでも契約を解除してしまったそうで…。
それにより、ハズブロ製品のボードゲーム「モノポリー」や「Clue」、
TCG「マジック:ザ・ギャザリング」の映画化企画もポシャったそうです。
本作も続編への引きを作っていましたが、続編は実現しないでしょうね…。

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