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AKB48の大島優子が、ディズニー/ピクサーの最新作『メリダとおそろしの森』の
日本語吹替え版主演声優に抜擢されたらしいです。
ピクサー作品は大好きなので、現時点ではかなり不安です。
AKB48の篠田麻里子がハリウッド映画『TIME タイム』でヒロインの吹替えに抜擢され、
かなり不評だったそうですが、それは字幕版を観れば避けられました。
しかし、『メリダ~』のようなハリウッドのアニメーション映画は、
日本ではほとんどが吹替え版で上映され、かなり避けるのが難しいです。
別にAKB48のアンチではないですが、音楽業界やテレビ業界に止まらず、
映画業界にまでゴリ推しされるようになるのであれば、いよいよアンチになりそうです。

ただ一縷の望みとしては、この作品がディズニー・アニメーションであることです。
ディズニーのアフレコはかなり厳しいと言われています。
もし大島優子が単なるコネで抜擢され、声の演技がかなり下手だとしても、
ちゃんと出来るまで何度も録り直しさせられるはずで、
下手なままで公開されるということはまずないはずです。
彼女も喜んでられるのは今のうちだけ。
これからディズニーや、ディズニーのファンの厳しい評価に晒されることになります。
もちろん、彼女が声の演技、めちゃめちゃ上手いって可能性もあります。

ということで、今日は世界中で吹替えを必要としない映画の感想です。
なぜなら、サイレント映画だから。

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2012年4月7日日本公開。
第84回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞ほか5部門を受賞したサイレント映画。

1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターとして君臨していたジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は、新作の舞台あいさつで新人女優ペピー(ベレニス・ベジョ)と出会う。その後オーディションを経て、ジョージの何げないアドバイスをきっかけにヒロインを務めるほどになったペピーは、トーキー映画のスターへと駆け上がる。一方ジョージは、かたくなにサイレントにこだわっていたが、自身の監督・主演作がヒットせず……。(シネマトゥデイより)



本作は白黒&サイレントのフランス映画です。
パルムドールを受賞した(クソつまらない)ドイツ映画『白いリボン』や、
話題の(クソ気持ち悪い)オランダ映画『ムカデ人間2』など、
今でも白黒映画はけっこう観る機会はありますが、サイレント映画は珍しいですね。
ボクも長編サイレント映画はこれが初めての経験でした。
ただ厳密に言えば、音響は収録されている本作はサイレントではないかな。
(当時は音響が生演奏だったようですが、それってとんでもなく贅沢ですよね。)
俳優の声は収録されていないので、無声映画と呼ぶべきかもしれません。
もっと厳密に言えば、完全な無声映画でもないんですが…。

1920年代末にトーキー(発声)映画までは映画といえば無声映画しかなかったそうで、
1929年の第1回アカデミー賞の最優秀作品賞は無声映画だったそうです。
本作は第84回アカデミー賞の最優秀作品賞に輝きましたが、
無声映画がアカデミー賞を受賞するのは、初回以来、実に83年ぶりだったそうです。
でも無声映画しか作れなかった83年前と明らかに違うのは、
本作はあえて無声映画として撮られているってことですよね。
演出として白黒&無声で撮られているので、やはり当時の無声映画とは全然違うものです。
ボクも無声映画というものがどんなものか体験したい気持ちもあって、
本作を観に行ったのですが、正直あまり参考にはなりませんでした。
カラーで普通に撮った映像を白黒に加工しているそうですが、
無声映画全盛の頃からすれば、かなり画質も向上してしまっていると思います。

ただガッカリしたかといえばそうでもなく、演出としての白黒&無声を、
メタ的に使用しており、とても斬新な印象を受けました。
例えば、主人公がトーキ-映画の悪夢を見るところとか、
無声映画しかない時代には出来なかった演出で、ある意味無声映画として初の試みです。
古風なはずの無声映画から斬新さを感じれるなんて、なんだか興味深い現象です。

以下、ネタバレ注意。

1927年、まだサイレント映画しかない時代のハリウッド。
映画スターのジョージ(ジャン・デュジャルダン)は、
新人女優のペピー(ベレニス・ベジョ)を見初めて、彼女をスターへと導きます。
時は流れ、ハリウッドはサイレント映画からトーキー映画へ移行し始めますが、
ジョージは「トーキー映画なんてお遊びだ」と考えており、
所属スタジオがサイレント映画から完全撤退しても、サイレント映画に固執し続け、
自らサイレント映画『愛の涙』を製作しますが、全くヒットせず…。
(サイレント映画か以前に、全然おもしろそうじゃないのが問題な気も…。)
株価の大暴落の影響もあり、ジョージは破産してしまい、
妻と離婚し、私財を全て競売にかけなくてはならないほど落ちぶれます。
一方で、同日公開されたペピー主演のトーキー映画『付けぼくろ』は大ヒット。
ペピーは一躍スターダムにのし上がり、その後の主演作も次々と大ヒット。
しかし彼女は大スターになっても、いつもジョージのことを気にかけており…。
ジョージは自暴自棄になり、自宅の映画フィルムに火をかけてしまい、
火事になって危うく死にかけますが、一命を取り留めます。
そんなジョージのために、ペピーは自分の次回作に彼が出演できるよう取り計らいますが、
ジョージのプライドがそれを許さず、ついに彼は拳銃自殺をしようとするが…、という話。

ジョージがそれほどサイレント映画にコダワルわけが、イマイチわかりにくいですが、
新しい技術に対する疑心というのはわからなくもないです。
奇しくも近年は、サイレントからトーキー、白黒からカラー以来とも言われる、
2D映画から3D映画への映画業界の大変革の真っ只中です。
ボクも新しい技術である3Dに対しては強い疑心を感じており、
ジョージ同様に「3D映画なんて流行りもののお遊びだ」と思っています。
でも3D映画への移行は、ジョージのような俳優業にはあまり関係ないですね。
ハリウッド俳優が危惧する新技術でいえば、CGI技術なんかが近いですかね。
パフォーマンス・キャプチャーで重宝されているアンディ・サーキスなんかは、
他の俳優から疎まれているなんて話も聞きますし…。

ただ今となっては当たり前だから思うのかもしれないけど、
サイレントがトーキーになるのは当然の進化のように感じます。
むしろ映画誕生から40年近くもサイレント映画の時代が続いていたのが不思議なくらい。
ジョージもペピーのように普通にトーキーにも出演すれば、
変わらぬ人気を得ることができたと思います。
そんなに声を録られるのに抵抗があるなんて、きっと外見とは大違いの、
クロちゃんみたいな声なのかな?とかいろいろ想像できたのもおもしろかったです。
でも、最後の最後に一言だけですがジョージの音声が録られちゃってるんですよね。
とてもダンディないい声でしたが、ジョージだけは最後まで無声の方がよかったかも…。

それにしても無声映画ってのは興味深いもので、俳優の声が発せられないと、
どんな声なんだろう?どんなセリフなんだろう?どんな気持ちなんだろう?と、
俳優の顔をガン見しながら作品を観てしまいます。
これだけ俳優の演技に集中して観れる作品も珍しいです。
特に普段は洋画だと字幕を追っていることが多いだけにね。
本作では、トーキー映画が無声映画に取って代わったのは、
俳優の声を聞きたいという客の欲求によるもの、みたいな描き方でした。
それはボクとしても当然の欲求だろう思うのですが、よく考えたら、
洋画を日本語吹替えで観る人っていうのは、そんな欲求がないってことですよね。
やっぱり吹替え版を観る人の気持ちは理解できないです。

無声映画はセリフは字幕カットで表示するのですが、
必要最小限のセリフしか字幕で表示されません。
なのでそれ以外のセリフはこちらで想像するしかありません。
(読唇術ができるなら、その必要もないかな?)
でも全然想像できないところもあって、とても気になります。
例えば質屋の前でジョージに対して警官がなんて話しかけたのか…。
それが引き金になってジョージは拳銃自殺を決意するので、
かなり重要なことを言われたと思うんだけど、全然見当が付きません。
そこのセリフは観客に委ねるってことなのかな?
無声映画を観賞するのって、イマジネーションが必要なんですね。

ラストで、ジョージはついにトーキー映画に出演することになります。
ペピーの計らいで、声は録らないでもいい形での出演となるのですが、
ここは「なるほど、その手があったか!」って感じの落としどころです。
トーキー映画の魅力は俳優の声だけではないぞってことですよね。
ぶっちゃけると、ジョージは得意のタップダンスで登場することになるのです。
でも、普通は映画だと、タップダンスの音とかは効果音で後から付けられるはずです。
ジョージの靴の生音が録音されるってことはないんじゃないかな?

最後にジョージの愛犬ジャック(アギー)について。
パルム・ドッグも受賞した天才アニマル・アクターですが、ホントに素晴らしかったです。
本作には2回泣かされましたが、どちらもジャック絡みのシーンで、
ひとつは、火事からご主人を助けるために必死に人を呼びに行くシーン、
もうひとつは、拳銃自殺するご主人を必死に止めようとするシーンです。
ボクが犬好きなのもあるんですが、めちゃめちゃ感動させられました。
笑えたシーンもジャック絡みが多かったかな。
小型犬であんなに扇情的な演技ができる犬はなかなかいませんよね。
オスカーも納得の、万人にオススメできる素晴らしい映画でしたが、
特に犬映画好きは絶対に観るべきです。

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