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センター・オブ・ジ・アース2

ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』が3Dに変換されて再公開中されています。
今週末はジェームズ・キャメロンの『タイタニック』が3Dで再公開になり、
スティーブン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』も3Dで再公開が決まったとか…。
いずれも名作ですが、今更3Dにする必要あるのか疑問ですよね。
超大物監督が揃いも揃って過去の作品頼みなんて情けないです。

しかも、通常のカメラで撮影されたものを無理やり3Dに編集した偽装3Dでの再公開。
ジェームズ・キャメロンなんかは、一時期は偽装3Dのことを毛嫌いしてたのに、
今では『ターミネーター』も偽装3Dで再公開もしたいと考えているらしく…。
まぁ偽装3Dでも観たいと思う人もいなくもないだろうから別にいいけど、
不思議なのは『スターウォーズ』や『タイタニック』では、
偽装3D版だけでなく、2D版も同時公開されていることです。
もう一体何がしたいのやら…?

ということで、今日はデジタル3D映画の草分け的作品の続編の感想です。

センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島

2012年3月31日日本公開。
ジュール・ヴェルヌの小説をモチーフにしたアクション・アドベンチャー大作第2弾。

謎の島からの遭難信号を受け取ったショーン(ジョシュ・ハッチャーソン)は、義父のハンク(ドウェイン・ジョンソン)と共に島へと旅立つ。二人がたどり着いたのは「神秘の島」。巨大なトカゲやハチ、小さな象など自分たちの世界とは大きさがまったく違う生物、金の山やアトランティスといった驚くべき光景に遭遇する。しかし、その島はもうすぐ沈む運命にあった。(シネマトゥデイより)



期待していたよりも上出来じゃないかな。
春休みにはぴったりの、かなり良質なファミリー向け王道アドベンチャー映画ですね。
ただ、いろいろツッコミどころの多い作品でもあります。
それがまた楽しかったりするんですが…。

まず誰もがツッコまずにはいられないであろうこの邦題。
本作の舞台は全然地下じゃないのに「センター・オブ・ジ・アース2」って…。
前作『センター・オブ・ジ・アース』の続編だから、
それを明示したかったのでしょうが、内容とズレすぎです。
前作はジュール・ヴェルヌの冒険小説『地底旅行』がベースになっていますが、
続編である本作は同じくヴェルヌの冒険小説『神秘の島』がベースです。
だから邦題もその小説の英題である「ミステリアスアイランド」でいいのでは?
同じ作者だけど『神秘の島』は『地底旅行』の続きではなく、全く別の話だし、
本作と前作も、それほどしっかり繋がってるわけでもありません。
日本で前作がヒットしたわけでもないし、かなり前作から期間も空いているので、
続編であることをアピールしすぎない方がよかった気もします。
ただ奇しくも、東京ディズニーシーのアトラクション「センター・オブ・ジ・アース」は、
『神秘の島』のネモ船長をモチーフにしたエリア「ミステリアスアイランド」内にあり、
日本人にとっては不思議とそれほど違和感を覚えない邦題でもあります。
ただ、意外と勘違いしている人も多いみたいなのですが、
ディズニーのアトラクションやエリアと、本作と前作は、
ただ元ネタが同じだったというだけで、直接は関係ありません。
たまに『パイレーツ・オブ・カリビアン』のように、
アトラクションが映画化されたと思っている人がいるようですが、
本作はディズニーではなく、ワーナーの映画ですから。

前作と「それほど繋がってない」と書きましたが、
その最たるところは主人公の交代でしょう。
前作はブレンダン・フレイザーが主演でしたが、本作はドウェイン・ジョンソンです。
前作でフレイザーが演じた主人公トレバーは、本作ではいないも同然の扱いで、
その甥っ子ショーン役だったジョシュ・ハッチャーソンだけが、
前作から続投する形になり、キャストは一新されました。
フレイザーの降板理由はスケジュールの都合ということになっていますが、
実際は主演作『ハムナプトラ3』が評価も成績も散々だったために、
フレイザーの商品価値に疑問がもたれたのだと思います。
そこで今やアクション俳優としても大人気のザ・ロックことドウェイン・ジョンソンを
主演に起用して、続編を製作することになったんでしょう。
彼を映画スターにしたキッカケは、奇しくも『ハムナプトラ2』でしたね。
下剋上です。

本作のモチーフはヴェルヌの冒険小説『神秘の島』ですが、
前作と『地底旅行』もそうであったように、原作ではなくあくまでモチーフです。
本作の冒険の舞台となるのは、パラオ沖の死の海域にあるとされる幻の無人島ですが、
そこはヴェルヌによって書かれた「神秘の島」であるだけではなく、
スティーブンソンの『宝島』や、スウィフトの『ガリバー旅行記』に登場する島とも同一。
つまり本作は、いろんな海洋冒険小説をミックスした世界観になっているわけです。
その島の正体は実は伝説の島アトランティスだったのですが、
前作の最後で『アトランティス、大洪水前の世界』という本が登場し、
続編の存在を匂わしていましたが、それもちゃんと踏襲してあるわけです。
あ、「繋がりない」なんて書いたけど、そうでもないかも…。

冒険家の父親を失った少年ショーン。
前作で叔父(父の弟)トレバーと、ヴェルヌの小説に書かれている地底の世界を探検し、
すっかり冒険することに目覚めた彼は、ある日、謎の島から遭難信号をキャッチします。
暗号化されたその信号が、2年前に消息を絶った冒険家の祖父ものだと確信し、
彼は謎の島へ行く決心をしますが、それを心配した母親の再婚相手である
ハンク(ドウェイン・ジョンソン)も彼に同行することに…。
2人は現地ガイドの親子と共に、死の海域にある神秘の島に上陸する、…という話。

神秘の島の生態系は『ガリバー旅行記』がベースになっており、
大きい動物は小さく、小さい動物は大きなサイズになっています。
ただランプとして使用されていたホタルが通常のサイズだったりと、
この設定はけっこういい加減です。
特に気になったのは、主人公たちが乗り物として使用したミツバチと、
ミチバチを捕食する鳥ハリオアマツバメのサイズです。
(実はこの鳥、ハリオアマツバメと称されますが、本当はハチクイです。)
ミツバチも鳥も通常よりかなり大きく、人間以上のサイズですが、
この島の設定でいえば、鳥よりもハチの方が大きくないとおかしいのに、
本作では鳥の方が大きいんですよね…。
はじめに登場する小さいゾウが、ちょっとかわいいと思えたくらいで、
あまり大型動物が小さいという設定は活かされてないし、
それならいっそのこと、動物全てが大きい島という設定にした方が納得できます。

遭難信号はショーンの予想通り祖父アレキサンダー(マイケル・ケイン)からのもので、
孫のショーンに自分が発見したこの島を見せてやろうと発信されたものでした。
(孫の前に、実の息子がまだひとり残ってることを忘れているようですね…。)
ショーンたちはアレキサンダー爺ちゃんに出会うことができますが、
爺ちゃんはショーンの義父であるハンクのことが気に入りません。
まぁハンクは自分の息子の妻の後添いだから複雑な思いがあるのでしょう。
ハンクもこの冒険で、義理の息子ショーンにいいところを見せてやろうと思っており、
何かと主導権を握る爺ちゃんに反発します。
しかし、あるキャンプの夜に2人は打ち解けるのですが、
その時ハンクが歌った「この素晴らしき世界」の替え歌にはビックリしました。
あのザ・ロックが、こんなに歌が上手いなんて…。彼はホントに多才です。

冒険に参加することになったガイドの親子ですが、
はじめはショーンとハンクと、あとひとりヒロインがいるくらいのパーティが、
バランスがいいと思えたため、ガイドの娘カイラニ(ヴァネッサ・ハジェンズ)がいれば、
父親ガバチョ(ルイス・ガスマン)は余計かと思いましたが、
このガバチョが憎めないトラブルメーカーで、なかなかいいキャラ。
ガバチョとカイラニは、ある意味ショーンとハンクの義理の親子とは対照的な親子ですが、
子を思う親の気持ちは共通しており、親子関係を描いたストーリーに深みを与えています。
ハンクとガバチョの父親コンビの絡みも面白かったです。

神秘の島はアトランティスであり、70年周期で浮き沈みしているのですが、
ショーンたちが島に来た時にはすでに液状化が始まっており、
数日以内に島から脱出しなくてはいけないことがわかります。
そのためにネモ船長が残した潜水艦ノーチラス号を探すことになるという展開ですが、
このご都合主義で在り来たりな展開が、評論家からはあまり評判がよろしくないようです。
でもモチーフが百数十年前の小説だし、子ども向けアドベンチャー映画なので、
子どもがワクワクできる内容ならそれでいいんじゃないかと思います。
春休みなので子どもだらけでしたが、ポップコーンぶちまけるほど興奮してた子もいて、
子どもたちはかなり楽しそうにしてました。
大人でも前作が楽しめる人なら、本作で不満を感じることはないはずです。
ブレンダン・フレイザーのファン以外はね。

続編は『ヒューゴの不思議な発明』で使われて再注目されている、
ヴェルヌの小説『月世界旅行』をモチーフにするのかな?
今度はショーンの新しい保護者は誰になるのかな?

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