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スーパー・チューズデー

今日は火曜日なので、現地時間の今日は共和党大統領予備選挙の日ですね。
3月6日(火)のスーパーチューズデーが終わっても、
まだ共和党の大統領指名候補が決め切れないようですが、
近いうちにもミット・ロムニー候補で決まりそうな感じはします。
でも貧乏人のボクとしては、ロムニー候補は全米屈指の金持ちらしいので、
どうも鼻持ちならないというか、僻みを感じます。
しかもウォール街の金融屋からの支持も厚いようで…。

まぁロムニー候補が共和党の大統領指名候補になったところで、
現職で民主党のオバマ大統領が結局2期目を務めることになるでしょうね。
ボクはそれほどオバマ大統領を評価しているわけではありませんが、
とにかく金持ちを優遇する共和党は嫌いだし、
共和党政権になったら、すぐイランと戦争するだろうし、
民主党のオバマ大統領の方が数倍マシです。

ということで、今日は民主党大統領予備選挙を題材にした映画の感想です。

スーパー・チューズデー 正義を売った日

2012年3月31日日本公開。
ジョージ・クルーニー監督・製作・脚本・出演のポリティカル・サスペンス。

マイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)の大統領選挙キャンペーンチームで戦略担当を務めるスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、決戦のキーポイントとなるオハイオ州予備選討論会の後、ライバル陣営から密会の依頼を受ける。その後、インターンとして働く女性と仲良くなった彼は、選挙戦を揺るがす重大な秘密を知ってしまう。やがて彼はし烈な情報操作戦の渦中へと巻き込まれていく。(シネマトゥデイより)



2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフが、
同選挙に着想を得て執筆した戯曲を映画化した作品ですが、
あくまで着想を得ただけで、本作の主人公がその選挙スタッフのモデルでもなければ、
ジョージ・クルーニー演じるモリス知事のモデルが、ディーン候補でもないみたいですね

主人公のスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、
民主党予備選に立候補したモリス知事の陣営で広報官として働いています。
スティーヴンの戦略もあり、モリス知事はライバル候補より優位に立った状態で、
3月15日のスーパー・チューズデーに向けた戦いが始まります。
スーパー・チューズデーの予備選挙のひとつ、代議士数161のオハイオ州を得れば、
モリス知事の大統領指名候補選出は決まったようなもの。
しかしスティーヴンが敵陣営の選挙参謀から引き抜き以来を受けたことで…、という話。

アメリカは二大政党制なので、両党から大統領候補を1人立てて、大統領選を戦います。
各党は大統領選前に、各州で予備選挙や党員集会をを行い、
最終的に代議士数が一番多かった候補が、党の大統領指名候補になります。
各州や民主党と共和党では微妙に予備選挙の方法が違ったりしてややこしいです。
日本の党首選びと違って、予備選挙の段階で有権者の投票があるので、
党員同士で相手を中傷したりするわけですが、
自分の党の大統領指名候補になるかもしれない人をボロカスに叩いたりして、
本番の大統領選挙で自分の党が不利になったりしないのかと心配しちゃいますね。

争点も日本とはかなり違い、経済とか外交のことももちろんあるのですが、
銃規制や死刑制度の是非など、日本では争点になりにくいもののほか、
中絶や同性愛の是非など、宗教的信条が大きな問題になるみたいです。
モリス知事は無神論者なので、同性愛などに寛容なのですが、
それだとカトリックの支持は得られにくいみたいです。
そういえば現在予備選中のロムニー候補も、モルモン教徒なので、
キリスト教右派からは支持されてないとか…。
日本の選挙では宗教なんて争点にしたら大問題になりそうですよね。
まぁ宗教によって票を集めている政党はありますけど…。

面白いのはオープン選挙もあるという制度です。
本作の舞台となるオハイオ州の予備選挙は、共和党支持者も投票できるオープン選挙です。
民主党のモリス知事は清廉潔白な人柄でカリスマ性もあるかなり強い候補なので、
共和党支持者にしてみれば大統領選に出てきてほしくない怖い民主党候補です。
当然モリス知事の対抗馬である、恐るるに足りない候補に投票します。
現に作中でもモリス知事は、オープン選挙の影響で対立候補に惜敗します。
面白いというよりは、党のためにならない少し不思議な制度ですよね。

モリス知事陣営は、とりあえずオハイオ州の予備選挙は置いといて、
356人の代議士をまとめる大物トンプソン議員の支持を取り付けようとします。
トンプソンの支持を得られれば、もしオハイオ州の予備選挙を落としても、
大統領指名候補選出は間違いないようです。
派閥の論理とでもいうのか、このあたりは日本も変わりませんね。
当然トンプソンはタダでは支持なんてしません。
すでに敵陣営は国務長官のポストを見返りに彼の支持を取り付けており、
モリス知事陣営はそれ以上の見返りポストを用意しなくてはいけません。
しかし当のモリス知事はそんなトンプソンが大嫌いで、ポストを用意する気はなく…。
でも最終的には副大統領と引き換えに支持を取りつけます。
やっぱり政治は汚いですね。

ただそんなポストを引き換えにした代議士の取りまとめや、情報のリーク、
敵陣営のブレーンの引き抜きなんてのは、汚いやり方だとは思うものの、
そのくらいのことは当然やってるだろうと思える想定内の汚さです。
本当の選挙戦なんてのはもっとスキャンダラスなこともありそうだと思うのに、
そんな内容はほとんどなく、意外と健全な選挙戦で…。
選挙スタッフが書いた物語なら、ホントはもっと裏話を知ってるはずですが…。
ヤバすぎて書けないのか、それとも末端のスタッフで内情は何も知らないのか…。
ボクとしては、もっと薄汚い政治の世界をあぶり出すような内容を期待したのですが、
意外にもあっさりした内容で、ちょっと物足りなかったです。
ただ、ボクはアメリカ大統領選挙の仕組みには詳しくないので、
その概要の一端を知れただけでも、それなりに興味深いものでした。

スキャンダラスな内容といえば、
インターンの選挙スタッフであるモリー(エヴァン・レイチェル・ウッド)ですね。
彼女はモリス知事陣営のブレーンであるスティーヴンに接近してきます。
はじめは敵陣営が送り込んだハニートラップかと思ったのですが、そうではないらしく、
なんと彼女はモリス知事とも関係を持っており、しかもモリスの子を宿しているとか…。
候補者が自陣営のインターンに手を付け、中絶させたとなると、
とんでもないスキャンダルですが、これは当然フィクションだし、
ちょっとリアリティに欠ける展開だと思います。
妊娠中でもスティーヴンを誘惑したりと、モリーが尻軽なのは間違いないし、
降ろした子が誰の子だかわかったものではないです。
それにモリス知事はホントに信念の強い男で、そんなことするようには見えないし…。
モリーはスティーヴンがモリス知事陣営をクビになったと知り、自殺しますが、
スティーヴンがクビになったのは敵陣営と接触したためで、モリーとは関係なく、
なぜ自殺したのか意味不明です。

結局ポリティカル・サスペンスと言えるほど政治について描いている作品ではなく、
権力の虜になった若者が翻弄されるヒューマン・ドラマですね。
主人公スティーヴンを演じたライアン・ゴズリングは、
同日公開の『ドライヴ』でも主演していますが、なかなか幅のあるいい役者ですね。
ただボクはジョージ・クルーニーのファンなので、
彼が演じるモリス知事の出番がもっと多かったらなと思いました。
まぁ自分の監督作に主演しないという余裕もカッコいいですけど…。

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