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ドラえもん 2012

先日の『ライアーゲーム -再生-』を最後に、3~4月は実写の日本映画は観ませんが、
アニメーションの日本映画は4本観る予定です。

数日前の毎日新聞に日本のアニメ映画に関する興味深い記事が載っていました。
先月行われた第62回ベルリン国際映画祭で、日本の和田淳監督のアニメ作品が、
銀熊賞を受賞したことに関する記者さんのコラムです。
ボクは世界3大映画祭は注目していたつもりでしたが、
恥ずかしながら、この事実をこの記事を読んで初めてを知りました。
日本映画が銀熊賞獲るなんてスゴイじゃないですか。
しかも実写映画と競合することになる短編部門での銀熊賞です。
もっと日本でも大々的に報道すべき快挙なのに、大手メディアはもとより、
どの映画サイトもあまり報じておらず、これでは気付けなくても無理はないです。

あまり報じられなかった理由は、この受賞作品『グレートラビット』が、
いわゆる「アートアニメ」だったからに他ならず、
当該記事も日本でのアートアニメの不遇を論じるものとなっています。
『ドラえもん』や『ポケモン』など商業アニメとは違い、
採算性がネックで、作り手も限られてしまうとのこと。
上映する場も限定的で、一部のファンにしか届かず、また採算性が損なわれる悪循環です。
記者は「アニメは日本の文化というなら、アートアニメにももっと目を向けていい。」
と書かれていますが、全くその通りだと思いました。
世界をリードしてきた日本のアニメですが、日本の商業アニメの現状は、
内容・技術ともにハリウッド映画に惨敗していると思います。
しかしこの作品やオスカーを獲った『つみきのいえ』のように、
日本のアートアニメは、まだ世界をリードできているように思います。
その火を消さないように、応援していくべきです。
でも応援しようにも、その『グレートラビット』すら、観れる機会がありません…。

ということで、今日は商業アニメの感想です。
もちろん、商業アニメも好きだし、これはこれで作り続けてほしいです。
ジブリのように、世界でも評価されるようになれば、なお素晴らしいですが。

ドラえもん のび太と奇跡の島 ~アニマルアドベンチャー~

2012年3月3日公開。
『ドラえもん』劇場版長編シリーズ32作目(第2期シリーズ7作目)。

のび太とドラえもんは「タイムトリモチ」を使い、500年前に絶滅した巨大な鳥モアを捕獲する。そこでモアと一緒に、絶滅動物を保護し、ゴールデンヘラクレスという黄金のカブトムシによって守られているベレーガモンド島へ行くことに。彼らはそこでロッコロ族の少女やのび太にうり二つの少年ダッケらと出会い……。(シネマトゥデイより)



前作『新・のび太と鉄人兵団』の次回作の特報で、ジャイアント・モアが登場したので、
次は13作目『のび太と雲の王国』のリメイクかなと予想したのですが、
今回はオリジナル作品だったみたいです。
絶命動物が済む島に、ある少年が迷い込んでしまったり、密猟者と戦ったりと、
『のび太と雲の王国』を基本にしているのは間違いなさそうですが。
秘密道具タイムホールとタイムトリモチを使ったりする冒頭のシークエンスは、
コミック17巻のエピソード「モアよドードーよ永遠に」が基本になってますね。
このエピソード自体も『のび太と雲の王国』とは因縁浅からぬ関係です。
でもテーマ的には全く違うようにも思えるので、ほぼオリジナルと考えていいかな。

リニューアル後(第二期)の劇場版オリジナル作品の3本の中では、
おそらく一番よかったんじゃないかと思います。
いや、他の2本が酷過ぎたため、マシだったという表現が適切かも。
第二期の7本中では4番目か5番目の出来じゃないかと思います。
前作『新・のび太と鉄人兵団』はリメイクでしたが、原作を超える出来だったので、
本作にもかなり期待をしていたのですが、その期待に応えるほどではありませんでした。
ん~、悪くはないんだけど、無難な出来って感じですね。

虫相撲でジャイアンに勝ちたいために、タイムホールとタイムトリモチで
500年前の大きなカブトムシを捕まえようとするのび太とドラえもんだが、
うっかり絶滅した鳥、ジャイアント・モアを捕まえてしまいます。
モアを元の場所に戻しても、絶滅してしまうだけだと考えた2人は、
絶滅動物を保護するベレーガモンド島へ、モアを連れて行きます。
そこでは絶滅した動物たちが、不思議な力を持つ黄金のカブトムシに守られ生活しており、
その島でのび太たちは、のび太にそっくりなダッケという少年に出会います。
その少年ダッケは、時空のヒズミに落ちてこの島にやってきてしまった、
少年時代ののび太のパパ(記憶喪失中)です。
そんな中、島に黄金のカブトムシ「ゴールデン・ヘラクレス」を狙う密猟者が現れ、
のび太たちはダッケや原住民のロッコロ族と共に、密猟者と戦うことに…、という話。

本作で気に入らなかった点は、大きく分けて2つあります。
1つは、本作ではパパの扱いがいつになく大きくなっており、
のび太とパパの親子の絆の話という側面が生まれていますが、
これは『映画ドラえもん』のシリーズとしては、"らしくない"と感じます。
おそらく、「家族愛」を描くことで、保護者のウケを狙ったのだと思いますが、
「家族愛」的なテーマは『映画クレヨンしんちゃん』に任しておいて、
『映画ドラえもん』はいつも通り「友情」をメインに描くべきだと思います。
同じテレ朝系東宝アニメだから、その辺りの住み分けはするべきです。

のび太はダッケがパパであることにラストまで気が付きませんが、
観客はパパかダッケになる過程が描かれているので、始めからわかっています。
できればここは、観客も最後にダッケの正体がわかるようにした方が、
映画として面白いし、感動できるような気がしました。
ダッケの声を大御所声優・野沢雅子が担当しているのも売りのひとつですが、
声優に興味がないボクにとっては、この配役は不自然極まりなかったです。
孫悟空声のダッケが、30年後にあのパパの声になるとは到底思えません。
パパ役の声優さんが少年の声も出来るならそれが一番いいと思うけど、もし無理でも、
せめてもっと少年らしい声の声優に任せるべきです。野沢雅子ではアクが強すぎます。
大御所声優を使いたいなら、先代のび太の声優さんがよかったんじゃないかな?

2つ目の気に入らなかった点は、テーマ性の薄さです。
「友情」というテーマは「家族愛」が加わったことで希釈されましたが、
『映画ドラえもん』の一貫した最大のテーマである「共存」が、
あまり描かれていなかったことにガッカリしました。
本作で描かれるべきは『のび太と雲の王国』や「モアよドードーよ永遠に」を踏まえ、
「絶滅(危惧)動物との共存」だったはずです。
本作はモアやドードーをはじめ、グリプトドン、インドリコテリウム、メガテリウム、
エラスモテリウム、カリコテリウム、エピカテリウム、サーベルタイガーなど、
絶滅動物が多数登場しますが、本当にただ登場するだけです。
本作で主に活躍する動物はカブトムシで、密猟者も絶滅動物ではなくカブトムシを狙い、
のび太たちはカブトムシを守るために、カブトムシで戦います。
これでは子どもたちに絶滅動物に興味を持ってもらったり、
絶滅危惧動物との共存について考えてもらう機会にはなりません。
面白くて勉強にもなる、それが『映画ドラえもん』だと思うのですが…。

ゲストキャラが多すぎるのも、絶滅動物が目立てなかった原因かも。
本作はダッケという異質の重要キャラがいるので、
いつもの5人とダッケだけで展開させた方がよかったと思います。
それなのに人類とは思えない等身の、狙いすぎな女の子コロンとか、
『21エモン』からイモ掘りロボットのゴンスケまで引っ張り出して、
結局絶滅動物どころか、それぞれのキャラとの交流もかなり薄いものになりました。
ゲストじゃないけど、ドラミもいらないです。

まぁいろいろ文句も書きましたが、ターゲット層の子どもたちが
楽しんでいたようなので、それでいいのかもと思います。
さて、次回作の特報から察するに、次も旧作のリメイクではなさそうです。
おそらくコミックのエピソード「シャーロック・ホームズセット」を基本とした、
オリジナル作品になりそうです。

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