ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

メランコリア

今日はレイトショー(20時以降の上映回)で映画を観ました。
レイトショーは安いのに空いてるのが有難くて、よく利用しますが、
公開日初日の作品なのに、ここまでガラガラなのは珍しく、ちょっと驚きました。
たしかに人を選びそうな印象のある作品だったので、人気がないだけかもしれないけど、
もしかすると、みんな地上波初登場の『アバター』を家で見てるのかも?…と。
視聴率30%超えてるんじゃないか?って思ったほど閑散としていました。

レイトショーはいい面も多いんだけど、嫌なところもあります。
かなりの確率で1人、2人、寝てる人がいるんですよね。
静かに寝てる分にはいいんですけど、きっと一日働いてかなりお疲れなのでしょう、
イビキかいて寝てる場合が多いです。
それが観客が少なくて静かなだけに、けっこう気になるんですよ。
問題はそれをどう処理するかです。
ボクはお喋りしているバカには、けっこう注意できるのですが、
それは映画館のマナーとして、注意するボクに理があると思えるからできるのです。
でも映画館のマナーには「寝ちゃダメ」ってルールはないんですよね…。
だから、イビキが気になっても、ある程度は我慢します。

でも我慢の限界になれば、仕方がないので叩き起こして注意します。
しかしこれがあまり意味がない。
おしゃべりは注意すれば(真性のバカ以外は)止めてくれますが、
イビキは無意識ですから、起きてるうちは止まりますが、大体またすぐ寝るんですよ。
抜本的に解決するには退場させるしかないんですが、お客のボクにはそこまで出来ません。
映画館従業員を呼んだとしても、寝ている客を一度起こして従業員が退場するだけです。
やはり「寝たら退場」というルールを、映画館が作ってくれるしかないです。
てか、寝ちゃうほど興味ない映画なら、わざわざ観に来るんじゃないよ。

ということで、今日はレイトショーで観た映画の感想です。
斯く言うボクも下手すると退屈するかもしれない作品だったので、
用心のためにエスタロンモカ錠(眠気覚まし)を3錠飲んでから観に行きました。
(※エスタロンモカの用法用量は守りましょう。)

メランコリア
Melancholia.jpg

2012年2月17日日本公開。
ラース・フォン・トリアー監督による終末映画。

巨大惑星メランコリアが地球に接近する中、ジャスティン(キルステン・ダンスト)は盛大な披露宴を催す。姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)の夫(キーファー・サザーランド)が所有する豪勢な屋敷での宴は盛況だったが、花嫁のジャスティンはどこか空虚な表情だった。披露宴を取り仕切った姉夫婦はそんな妹を気遣うが……。(シネマトゥデイより)



去年のカンヌ映画祭で、(監督の問題発言など)いろんな意味で注目された本作。
その時パルム・ドールを受賞した『ツリー・オブ・ライフ』もそうですが、
カンヌ映画祭は芸術性が高い映画が集まる映画祭です。
もう高尚すぎて、凡人のボクには到底理解できないものも多く、
カンヌ絡みの作品では幾度となく痛い目に遭っています。
はっきり言ってしまえば、退屈な作品が多いです。
本作はそんなカンヌの常連、ラース・フォン・トリアー監督の最新作です。
彼は鬱映画を撮るのが得意で、やはり人を選ぶ作品を撮る監督です。
なので、やはり観に行くのは警戒してしまいますが、
本作はアカデミー賞の前哨戦のひとつ、全米映画批評家協会賞で作品を受賞しており、
カンヌ映画祭だけでウケる作品ではないことが証明されました。
(なぜかアカデミー賞にはノミネートすらされず…。やはり問題発言が…?)
この監督には似つかわしくないような、キーファー・サザーランドも出演してるし、
意外と娯楽性が強い作品かもしれない期待して、観に行きました。

バックで死んだ鳥が降ってくるヒロインのアップ映像から始まり、
続いて何の脈絡もない、印象派絵画のようなスーパースロー映像が連続して流れる本作。
「やばい、意味がわからない。芸術性の高いタイプのやつだ。」と感じ、
まさかこれが2時間以上続くのかと愕然とし、観に来たことを後悔しました。
その時点で寝息立ててるオッサンも…。(後にイビキに変わったので叩き起こしました。)
しかし、地球が謎の惑星と衝突するスーパースロー映像の後、
「第1部 ジャスティン」とテロップが表示され、
ちゃんとストーリーのあるドラマが始まります。もう「ホッ」としました。
そこからは全然退屈することはなく、それどころか、かなり興味深い展開になり、
最終的にはかなり娯楽性の高い、面白い作品だったと思えました。
本作でも鬱映画的なところは確かにあるけど、鬱をポジティブに描いていると思います。

「第1部 ジャスティン」では、結婚披露宴の様子が描かれます。
コピーライターの新婦ジャスティン(キルスティン・ダンスト)と、
新郎のマイケル(アレクサンダー・スカルスガルド)は、
新婦の姉クレア(シャルロット・ゲンズブール)のプランニングで、
義兄(姉の夫)ジョン(キーファー・サザーランド)の大邸宅で披露宴をしますが、
新婦ジャスティンの奔放な行動により、なかなか披露宴が進行せず、
姉クレアと義兄ジョンはイライラします。
ジャスティンは自分の披露宴を抜け出して、敷地内のゴルフ場で放尿したり、
甥の部屋で寝てしまったりと、マイケルと結婚するのが嫌なのか、マリッジブルーなのか、
とにかく情緒不安定な女だなと思って、ボクも彼女にイライラしたのですが、
どうも統合失調症とか、鬱病を患っているということが徐々にわかります。
その原因はよくわかりませんが、仕事での上司による圧力が原因かな?
芸術系の仕事だから、精神的に参ってくることもありそうです。
これは鬱経験のある監督の実体験がヒントになっているのかも。
ジャスティンの家族もクレア以外は変人なので、遺伝かもしれないけど。

病気だから仕方ないけど、ジャスティンのあまりに浮世離れした行動の連続に、
義兄ジョンだけでなく、新婦マイケルもウンザリし始めます。
初夜を理由もなくお預けされたりして、もう彼女のことが理解できなくなったマイケルは、
披露宴当日にもかかわらず、彼女に三下り半を突き付け、出て行ってしまいます。
まぁ誰がどう見ても、この結婚はどうせ長続きしないよね。
ジャスティンの異常さを理解しながら、盛大な披露宴をすること自体が間違いです。
めちゃくちゃな披露宴として、なかなか興味深いエピソードでしたが、
これが冒頭の印象派絵画的映像とどう関連しているのかはまだわかりません。
それは、続く「第2部 クレア」でようやくわかってきます。

「第2部 クレア」では披露宴から暫らく後の話になります。
ジャスティンの抑鬱状態は悪化し、一人でタクシーもお風呂も不可能なほどに…。
姉クレアは、そんな妹を献身的に面倒をみます。
一方、太陽の陰に隠れていた青い巨大な惑星メランコリアが、
地球にフライ・バイ(接近通過)することがわかり、
義兄ジョンはその世紀の天体ショーを観測しようと大興奮しています。
ここでようやく冒頭の絵画的映像が、終末の日の様子だったことがわかりました。
でも、巨大惑星がフライ・バイできないことが示唆されちゃってるため、
ぶつかるかどうか、あんまりドキドキできませんね。

姉クレアは巨大惑星が地球にぶつかるかも…と少し不安に思っています。
彼女はネットで「地球とメランコリアの死のダンス」と称される計算で
算出(予想)された惑星の軌跡を見て、完全にビビり、
自殺用に睡眠薬を購入するほど追い込まれます。
そして終末の日、それまで平静を装っていたジョンですが、
地球に接近する巨大惑星を確認して、早々に自殺。
クレアも絶望でオロオロするばかりですが、妹ジャスティンは平然としています。
平時は鬱病で異常な精神状態の彼女ですが、それゆえに異常事態でも動じないのですね。
逆にまともなクレアは、まともであるがゆえに死を目の前に混乱します。
ボクも軽い鬱傾向なのでわかるのですが、"未来に不安を感じる"と鬱になりやすいです。
(逆に鬱になると未来に不安を感じやすくなるのかも。)
だから未来を不安に思う必要がなくなると、かなり楽になると思うんですよ。
(なのでボクはマヤ文明の2012年人類滅亡説をちょっと期待しちゃいます。)
ジャスティンもXデーが近づくにつれ、一人でお風呂に入れるようになったりと、
症状の改善が見られますが、たぶん同じような心境なのだろうと思います。
これが死の恐怖を回避できる、鬱病のポジティブな面です。

ただ、ジャスティンの場合は、ビーンズ・ゲームの正解を的中させたりと、
なにやら超能力らしきものを垣間見せているので、単なる鬱病ではない気もします。
急にアンタレスの異変に気づいたりするし、
「地球の生命は邪悪だから滅んでもいい」みたいな哲学的な発言や、
「生物は地球にしかいない」みたいな電波な発言を連発するし、
もしかすると、ただ人間ではなく、超自然的な存在になったのかもしれませんね。
だとすると、彼女が作った魔法のシェルターに入った3人は、
肉体的には滅んでも、超常的なレベルでは救われたのかもしれません。
ハッピーエンドではないのに、ハッピーエンドみたいな後味だったし。

観賞後、もし地球にヤバい規模の惑星や彗星が急接近してきたとしたら、
自分ならどうするだろうと考えさせられました。
衝突する確率が1%未満なら、天体ショーとして楽しむだろうけど、
それ以上なら、もしもの時になるべく楽に死ねるように、寝ちゃうかな?
でも、もし本当にメランコリアのような地球より巨大な惑星が接近したら、
例えフライ・バイが成功したとしても、人類はおしまいでしょうね。
本作でも接近しただけで、大気が奪われたり、異常気象になったり、
電気製品が放電したりしましたが、実際はその程度では済まないでしょう。
まぁ何が起きるかは想像すらできませんが、たぶん太陽周回軌道はズレそう。
そうなれば地球は無傷でも、太陽との距離が変わってしまって、
今の人類は全滅するんじゃないかな?

パニック映画とは一線を画す、面白い終末映画でした。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/652-df8b8025
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad