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ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬

前クール、視聴率40%超えを記録したドラマ『家政婦のミタ』で主演を務め、
株が急上昇した松嶋菜々子ですが、間髪いれずに出演した今クールの月9ドラマは、
視聴率もイマイチみたいで、せっかくの株にケチがついた感じです。
『家政婦のミタ』のヒットは、やはり出演者ではなく脚本がよかったから、みたいな…。
彼女クラスの女優が2クール連続でドラマに出演するなんて珍しいし、
空前の大ヒット作の後なので、芳しい評価は受けられないのは予想できたことなのに、
なぜそんなことをしてしまったかといえば、前作での役柄が当たり役すぎて、
今後の女優活動のためにも、その役のイメージが固定化してしまうことを恐れたのでは?
という見方もあります。
ジュリー・アンドリュースは『サウンド・オブ・ミュージック』が当たり役すぎて、
その後似たような役しか付かずに悩んだ、というのは有名な話ですが、
当たり役に当たってしまうというのも考えものですね。
ちなみにボクは『家政婦のミタ』は見てないし、他の出演作もそんなに見てないので、
松嶋菜々子のイメージは未だに『リング』で止まっています。

ということで、今日は当たり役のイメージがなかなか抜けない俳優の主演作の感想です。

ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬

2012年1月21日日本公開。
ローワン・アトキンソン主演のスパイ・コメディ第二弾。

かつて祖国の危機を救い諜報(ちょうほう)機関MI:7のエースとなるも、ある任務で自信を失ったジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)はチベットの僧院に引きこもっていた。そんな折、英中首脳会談を控えた中国首相を暗殺する動きがあることから、彼に情報収集と暗殺阻止の命令が下る。イングリッシュは新たな任務に張り切るが、思いもよらぬ陰謀が待ち受けていた……。(シネマトゥデイより)



予告編などからは、なかなか面白そうだとは思っていたものの、
前作はあまり面白くなかったし、本作も全米で初登場8位と全く振るわず、
あまりに不人気に懸念も感じていた本作ですが、いざ観てみると意外と楽しめました。
よく考えれば本作はイギリス映画だから、全米興収は参考になりませんね。
本国イギリスの興収では、ダントツの成績で2週連続ナンバー1を飾っています。

前作を鑑賞した時に思ったのは「喋るMr.ビーンは面白くない」ってことです。
それだけ主演のローワン・アトキンソンには、当たり役であるMr.ビーンのイメージが強く、
Mr.ビーン以外の役を演じる彼に凄まじいほどの違和感を覚えました。
(特に吹替版での山口智充のアドリブが最悪で、喋る彼の面白くなさが際立ってました。)
でも、(4年前に新作『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』があったものの、)
『Mr.ビーン』のレギュラー放送から十数年経った今、
さすがに当時のMr.ビーンの強烈な印象は薄れ(忘れ)てきています。
それに、ローワン・アトキンソン自身もかなり老けてしまって、
外見的にもMr.ビーンのイメージから脱却した感があります。
(アホ面が和らいで、かなり渋くなりましたね。)
そのお陰で、本作はかなりニュートラルな状態で観ることができるようになっており、
『Mr.ビーン』と比較してガッカリすることはなかったです。
前作から8年もブランクがあってのシリーズ第二弾なので、正直「今更」とも思ったけど、
この月日のお陰で先入観が薄れたことは結果的によかったです。

本シリーズはジェームズ・ボンド『007』シリーズのパロディ映画です。
でもパロディと軽く見切るには勿体ないほどちゃんとしたスパイ映画で、
本家と遜色ないとまでは言えないものの、凡百のスパイ・コメディの中では、
よく出来すぎだと思えるほど、しっかりしたプロットだと思います。
その真面目で骨太な印象は、コメディとして観ると、パロも笑いの量も物足りないかも。
そこをどう受け取るかが、評価の分かれ目だと思いますが、
ボクは『007』ファンではなく、パロにそれほど期待していたわけではないので、
普通にスパイ映画として、けっこう楽しめました。

前作で祖国イギリスの危機を救った英国諜報機関MI7のエージェント、
ジョニー・イングリッシュ(ローワン・アトキンソン)ですが、
モザンビークでのとある任務で大失態をしてしまいMI7を追い出され、
今ではチベットの僧院で修行する毎日。
しかしある日、彼の元に8年ぶりにミッションの要請が届き、彼はMI7に復帰します。
MI7局長、コードネーム「ペガサス」(ジリアン・アンダーソン)の指令で、
彼は英中首脳会談に出席予定の中国首相の暗殺計画を阻止することになります。
彼は新米エージェントのタッカー(ダニエル・カルーヤ)の共に、
情報提供者フィッシャー(リチャード・シフ )に会いに香港を訪れるが、
フィッシャーは掃除婦に化けた謎の中国人老婆に殺され…、という話。

中国首相暗殺計画の裏には"ボルテックス"と呼ばれる三人組暗殺組織が暗躍し、
彼らはイングリッシュがクビになったモザンビークの事件でも暗躍していたことが判明。
彼らは一人一本ずつ謎のカギを携帯しており、それは暗殺計画の重要な証拠らしく、
イングリッシュと暗殺組織による三本のカギの争奪戦になります。
後にボルテックスはKGB、CIA、MI7の裏切り者3人から構成されていることが判明し、
MI7の裏切り者の策略で、イングリッシュはボルテックスのメンバーと濡れ衣かけられ、
彼はMI7に追われながら、真の裏切り者を探し、暗殺計画を阻止しようと奮闘します。

イングリッシュはかなりドジで、ボンドなら絶対しないようなミスを繰り返します。
しかしスパイとしてのポテンシャルはボンド並かそれ以上で、
さらに本作ではチベットでの修行での成果もあり、やるときはやる男です。
やるときはやるが、またすぐにミスして全てを帳消しにしてしまうので、
観ている方も並のスパイ映画よりハラハラさせられます。
謎のカギも激しい争奪戦の末に苦労して手に入れますが、
その苦労とは全く釣り合わないようなイージーミスで全て奪われます。
ヤキモキする反面、そのギャップに笑ってしまいます。
前作のイングリッシュはただの唐変木で、運だけで事件を解決するという感じでしたが、
本作では運動神経も抜群で、頭もかなり切れる敏腕エージェントなのに、
とにかく間が抜けているという、なかなか得難い残念なキャラに変貌を遂げており、
それも前作より面白くなった要因のひとつかな。
ドジり方はけっこうベタですが、やはりローワン・アトキンソンの顔芸は、
他に真似のできない比類なき面白さですね。
特にモザンビークでの失態に触れられた時の顔面のヒクツキ方はツボです。
天丼になっていて、ボディブローのようにジワジワ効いてきます。

イングリッシュの行く手に何度となく現れ、彼を翻弄する中国人掃除婦が、
ババアなのに凄腕の殺し屋で、主人公イングリッシュを食いそうなほどの
インパクトのあるキャラで、なかなか面白いのですが、
結局よく立ち位置のわからないキャラですよね。
最悪の暗殺組織ボルテックスよりもクセものなのに、謎が多すぎるまま終わってしまい、
もうちょっと設定や活躍があってもよかった気がします。
反面、そのよくわからなさが魅力でもあるので、微妙に気になるくらいの登場で、
ちょうどよかった感じもしますが…。
よくわからない設定といえば、MI7が"東芝"英国情報局になっていることです。
諜報機関なのに民営化されているってネタなのはわかりますが、なぜ東芝の子会社に?
…と謎に思ったので軽く調べてみたのですが、
数年前に東芝の子会社の社員が旧KGBのスパイに機密情報を売り渡した事件が元ネタかな?
イギリスでは東芝のことを「スパイのいそうな企業」と思ってるのかも?
まぁただのタイアップかもしれませんけどね。

今年は本家の最新作『007 スカイフォール(原題)』も公開されます。
ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの3作目ですね。
ボクは『007』シリーズは正直あまり好きではなかったのですが、
ボンドのイメージが一新されたのでダニエル・クレイグ版からは観てます。
ローワン・アトキンソン版パロディも3作目が出来たらいいですね。

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