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ALWAYS 三丁目の夕日'64

10年くらい使っていた洗濯機が壊れました。
実際はまだ使えるのですが、なぜか脱水時に空襲警報かと思うほどの爆音がして、
ご近所に迷惑なので、買い替えざるを得なくなりました。
で、先週末に家電量販店に行ったのですが、洗濯機の進歩に驚かされました。
ボクの使っているのは縦ドラム式の全自動洗濯機でしたが、
今は斜めドラム式の洗濯乾燥機が主流だと言われました。
たしかに斜めドラムはスタイリッシュだし省エネだし、乾燥機が付いてたら便利だけど、
容量の小さいやつでも10万円近くするので、貧乏人には買えません。
だから今までどおりの縦ドラム式全自動洗濯機を買うしかないのですが、
斜めドラム式洗濯乾燥機に売り場を占拠され、少ししか展示販売されておらず…。
結局決め切れず、まだ暫らくは今の壊れた洗濯機で凌ぎます。脱水は自分で絞ります。
うちの家電で一番新しいものは、去年国から無理やり買わされた地デジ対応テレビですが、
それ以外の家電はだいたい10年くらい使っているものがほとんどです。
新しいものは好きだけど、貧乏なので壊れるまでは絶対買い替えません。
だから普通の人がうちに来たら、ちょっとノスタルジックな感じがするかも。

ということで、今日はノスタルジックな映画の感想です。

ALWAYS 三丁目の夕日'64

2012年1月21日公開。
コミックを原作にした『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ第三弾。

昭和39年、日本中が高度経済成長と東京オリンピックに沸く中、東京・夕日町三丁目はいつものように住民たちが和気あいあいと暮らしていた。小説家の茶川(吉岡秀隆)は間もなく新しい家族を迎えようとしており、鈴木オートの則文(堤真一)も事業を軌道に乗せ、三丁目中が活気にあふれていた。しかし、そんな中転機を迎える人もいて……。(シネマトゥデイより)



本作は、日本映画のフランチャイズとしては一番好きかも知れない作品の最新作です。
この『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの何に惹かれるかといえば、
やっぱりノスタルジーでしょうね。
80年代生まれのボクが60年前後が時代背景の本作に惹かれるのは不思議ですが、
作中の東京の60年前後の光景は、地方で貧しかったボクの子どもの頃とそう変わらず、
ちゃんと懐かしさを感じることができます。
逆にうちの両親は、この時代を経験しているにもかかわらず、本作は嫌いらしいです。
実際は「そんなにいい時代ではなかった」と…。
だから本作は、リアルな当時を描いているわけではなく、
日本人の普遍的なノスタルジーを想像で描いているから、
若い世代の人にも支持されるのかも。
"失われた20年"と言われる経済の低迷の中を生きる現代人にとっては、
(実態は別として)本作に描かれる希望に満ち溢れた時代は羨ましく、
ノスタルジーというよりも憧れを感じて惹かれているのかも…。

1958年(昭和33年)が舞台だった第1作目、その翌年が舞台の第2作目(前作)は、
それほど時代背景に差はありませんでしたが、本作の時代背景はグーンと進み、
前作から約7年後の1964年、東京オリンピックが開催される夏が舞台です。
高度経済成長も中盤になり、日本がどんどん豊かになっていく時期ですが、
ある意味では夢も希望もない現代にどんどん近付いて来ているわけです。
オリンピックのための整備でどんどん街が近代的に変わっていき、
銀座の街並みなんて今の日本の都市の街並みとそう変わりません。
東海道新幹線が開通し、東京駅も1作目から様変わりしてしまいました。
鈴木家にはカラーテレビがやってきて、次はクーラーを…なんて話も。
あと数年すれば大阪万博、『20世紀少年』の時代になってしまいます。
そうなれば後はバブル→バブル崩壊→失われた20年と、混迷の時代です。
まだ未来への希望しか感じなかった前作までとは違い、
否が応でも実際の暗い未来の片鱗が見える本作には、一抹の寂しさを感じます。
まぁこの7年の月日による日本の発展ほどには、三丁目の風景や住人はそう変わらないし、
実際の未来なんて知らない彼らは、今までどおり希望に満ち溢れてますけどね。

小説家・茶川(吉岡秀隆)はあいかわらずスランプで、
執筆の仕事は少年誌『冒険少年ブック』の「銀河少年ミノル」の連載だけ。
しかし編集部が漫画中心の雑誌にする方針で、掲載される読み物は一本だけになり、
その枠を新鋭の作家・緑沼アキラの「ヴィールス」に奪われ、連載を打ち切られます。
茶川が面倒を見ている少年・淳之介(須賀健太)は、小説家になりたがっているが、
淳之介には自分のようなみじめな生活をさせたくない茶川は大反対し、
頭のいい淳之介を東大に進学させようとします。
しかし実は「緑沼アキラ」は淳之介のペンネームであることが判明し…。
前作では小学生だった淳之介も、もう高校生で進路に悩む年頃。
小説家なんて東大合格してからでもなれるので、今悩まなくてもよさそうですけど…。
茶川も東京帝国大学出身なんだしね。
結局淳之介は『冒険少年ブック』での連載を続けるため、茶川の許から独立するのですが、
高校に入学したばかりで独立ってのはちょっと性急すぎるかな…。
それに淳之介に小説家の才能があるかは別としても、今の少年誌には読み物なんてないし、
少年誌が漫画雑誌化するのは事実で、職を失うのは時間の問題です。
せめて子ども向け小説ではなく、普通の小説が書けるようになってから独立すべきです。
まぁ本作は「1964年」ありきだし、おそらく「旅立ち」がテーマだから、
ちょっと時期尚早とはわかっていても、淳之介の独立を強行するしかなかったのかな。

もうひとつの「旅立ち」の話は、鈴木オートの住み込み従業員・六子(堀北真希)の話。
上京して8年、鈴木オートにはなくてはならない修理工に成長した六ちゃんですが、
若い医師・菊池(森山未來)と恋をして、彼からプロポーズされます。
しかし、娘のように可愛がってくれた社長(堤真一)や奥さん(薬師丸ひろ子)のため、
鈴木オートをやめるわけにはいかず、プロポーズを断ります。
東京に8年もいるのに東北訛りが酷くなった六ちゃんですが、もう結婚適齢期ですか。
本作は東京オリンピック開催前後の短い期間の物語なので、
交際から結婚までの間が短すぎると思いましたが、お見合い結婚が多い当時としては普通?
鈴木オートには新たに新米従業員ケンジ(染谷将太)が加わりますが、
彼は本当に必要だったのか疑問です。
彼がいることで、六ちゃんがプロポーズ断ってまで、鈴木オートに残ろうと思う理由が
薄くなってしまっているように思えます。
社長夫妻の六ちゃんとケンジの扱いの差も気になるし…。
できれば六ちゃんと入れ替わりで入ってくるようにしたらよかったんじゃないかな?

なによりケンジがいることの煽りを受けたのは、
鈴木オートのひとり息子・一平(小清水一揮)です。
一平は原作では主人公級キャラですが、本作ではほとんど空気です。
彼も本作では高校生になっていますが、淳之介とは対照的にまだまだ子どもで、
自動車修理工場なんてダサいから継ぎたくないと、日々チャランポランに生活しています。
おそらく同い年のケンジが新しく鈴木オートのメンバーになったことで、
似た立場の役だけに出番を分けあう形になって、存在感が薄まってしまいました。
六ちゃんの結婚を後押しするため、ケンジが「六先輩の分も頑張ります」と言いますが、
あのセリフを一平が言えば、六ちゃんのためにも家業を継ぐという感動的な展開になるし、
本来ならば一平の見せ場になったように思います。
淳之介役の須賀健太と違い、一平役の小清水一揮は俳優としてまだまだなので、
第注目株の染谷将太を新キャラ・ケンジにすることでテコ入れしたんでしょうが、
結局ケンジも一平も空気状態で、染谷将太の無駄遣いという印象になってます。

気になったところばかり書いたので批判めいた感想になりましたが、
全体的にはやっぱりかなり面白く、日本一のフランチャイズという印象も変わりません。
3作目にもなるとメインどころはすでにキャラが確立されていますが、
本作ではタバコ屋のババア(もたいまさこ)など脇役もキャラが立ってきて、
三丁目の世界観がより面白くなってきました。
『男はつらいよ』みたいな人情喜劇シリーズとして、末永く続いてほしい反面、
前述のように時代背景は現代に近づき、古き良き日本ではなくなってしまう懸念が…。
続編があるとすれば1970年になるだろうけど、そのあたりで終わってほしい気もします。

最後に、本作はシリーズ初のデジタル3D映画になりましたが、
まさか本作のような人情ドラマを3D化するなんて、驚いたというか呆れました。
観客に感動してほしいなら、3Dメガネが泣くのに邪魔になることくらいわかるでしょ?
3D化したのは「自分がそこにいるかのような気分になってほしい」とか、
「東京タワーが飛び出すのを観てほしい」とかいう理由らしいです。
しかし、いみじくも作中で、カラーテレビで東洋の魔女の試合を見たがるヒロミに、
白黒テレビを見ながら茶川が言います。「カラーテレビは想像力を失うだけ」と…。
これは3D映画も同じで、3Dなんかにしなくても観客は想像力でちゃんと立体的に見えます。
先週末の興収では本作を3Dで鑑賞した人は37%しかいなかったそうですが、
3Dの観客は週を重ねるごとに更に減っていくでしょう。
3D映画なんてのは映画業界の商業的思惑でしかなく、
観客は全く求めていないことをいい加減に理解するべきです。

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