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デビルズ・ダブル

台湾総統選挙、(中国の傀儡)馬英九が再選しちゃいましたね。
別に今すぐ日本に影響があるわけじゃなさそうなんで問題ないですが、
個人的にあまりいい印象はないんで、政権交代が起こってほしかったです。
予想してたより票数に差がなかったんで、もし対立候補が男性だったら逆転してたかも?
北朝鮮もせっかく金正日が死んだのに、息子もやっぱりロクな奴ではなく、
日本を取り巻く状況はしばらく好転しそうにもありません。
でも近隣の国家元首の問題よりも、日本の首長が一番状況を悪化させそうです。
野田首相の増税路線だけはホントに勘弁してほしいです。
せめて総選挙の後に進めてほしいです。
首長と言えば、うちの県(兵庫)の首長の例の大河ドラマ発言は、
県民としてホントにみっともないと思ったので、さっさとやめてほしいです。
前々から頭の悪い発言をする老害で、選挙のたびに誰が支持しているのかと疑問でしたが、
問題はロクな対立候補が立たないことなんですよね。
首長に関しては隣の大阪が羨ましいです。

ということで、今日はイラクの元首長の息子を題材にした作品の感想です。

デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-

2012年1月13日日本公開。
サダム・フセインの息子の影武者だった男の自伝を映画化した衝撃作。

家族思いの青年ラティフ(ドミニク・クーパー)は、ある日サダム・フセイン大統領の息子ウダイ(ドミニク・クーパー)に呼び出され、影武者になるよう命じられる。同級生だった高校時代から2人は似ていると評判で、一度は断るラティフだったが、家族の命と引き換えに強制的に影武者を引き受けることに。理不尽な運命に必死で耐えるラティフは、いつしかウダイの情婦サラブ(リュディヴィーヌ・サニエ)と心を通わせていく。(シネマトゥデイより)



イラクの元大統領サダム・フセインの長男であるウダイ・サダム・フセインの
影武者だったラティフ・ヤヒアの実体験を基にした本作。
世界有数の独裁者の息子の影武者を無理やりやらされた男の物語なんて、
想像を絶する数奇な人生ですよね。
でも本作の内容は、正直想像の範囲を超えないというか、思ったほど波乱万丈でもなく…。
もちろん常人に比べたら異常な境遇ですが、その異常な境遇の中で起こることとしては、
「こんな程度なのか」という印象でした。

ウダイの影武者にさせられた主人公ラティフ(ドミニク・クーパー)を、
真面目な青年として描いていることが、地味な内容になった原因じゃないかな。
嫌々影武者にさせられたのは気の毒だけど、同時に強大な権力を手にしたわけだし、
その境遇を利用すればもっと酒池肉林の破天荒な人生も遅れたはずで、
そんな乱痴気っぷりを描いた方が作品としては面白いものになったと思います。
本作の主人公ラティフは、ウダイの乱痴気っぷりを傍観して苦々しく思っているだけで、
本人の境遇の数奇さなどは、あまり描けていないと思います。
まぁ本作の内容は実在のラティフの弁ですから、自分を品行方正に描きたいだろうし、
ホントは自分も酒池肉林したりしてたかもしれないけど、そんなことは伏せますよね。
実際は本作の内容以上に凄まじい経験や境遇だったと思います。

それにラティフがウダイの影武者をしていたのは、湾岸戦争前後の期間だったようですが、
むしろウダイたちフセイン大統領のファミリーが大変な目に遭い、
話として盛り上がりそうなのは、その後のイラク戦争です。
ウダイたちは米軍の追求を逃れ逃げ回りますが、ラティフがその頃に影武者だったなら、
いつ死んでもおかしくないようなスリリングな展開になったと思います。
でも実際は、ウダイの絶頂期の比較的平穏な期間だけ影武者をしていたので、
四六時中命の危険にさらされるような大変さはないです。

「影武者」とは、権力者が暗殺されないように、身代りに表舞台に立って公務を行ったり、
主人と別行動して敵を混乱させるような役割だと思っていたけど、
ラティフの場合は、ウダイとほとんど一緒にいて、2人同時に人前に出たりもします。
湾岸戦争が始めってからは、ウダイの代わりに公務をしたりもしますが、
それまでは普通にウダイの側近のひとりという感じです。
もともと背格好は似ていて、整形手術で更に似せたりはしているのですが、
ウダイと間違われることはほとんどなく、周りの人は2人をちゃんと見分けています。
だから、想像していた身代わりとしての「影武者」とは少し事情が違うみたいです。
ボクたち観客もウダイとラティフの見分けは容易に付きます。
ウダイ役とラティフ役はドミニク・クーパーが1人2役で演じていますが、
同じ顔なのにちゃんと見分けられるように演じ分けているのは感心します。
影武者としては見分けられてはダメなんだけど…。

ラティフの境遇を描いた作品としては、期待していたほどではなかったけど、
彼の目を通して見た独裁者の息子ウダイの異常な生活は興味深かったです。
フセイン大統領のことはイラク戦争の報道などで多少は知っていましたが、
その2人の息子ウダイとクサイのことは、彼らが米軍に殺される前後の報道で、
ちょっと聞いたくらいなので、ウダイの人物像なんてほとんど知りませんでした。
ウダイは、あの独裁者フセイン大統領がまともに思えるほどの大ウツケだったんですね。
拷問ビデオを愛好したり、宴席でフセイン大統領の側近を衝動的に刺殺したりと、
かなり異常な男ですが、特に下半身の暴君っぷりは半端ないです。
夜の女遊びはもちろん、14歳の女学生だろうと、結婚式当日の人妻だろうとお構いなし。
レイプの挙句、そのまま殺してしまうことも…。
それがイスラム教の国の後継者なんだから衝撃的です。

しかし一方では、息子として母親を心配するような、人間的な部分も描かれています。
フセイン大統領も、息子に手を焼く父親として、人間的に描かれている部分もあり、
このファミリーを単なる極悪な独裁者として描いてはいません。
むしろ、湾岸戦争の発端となったルメイラ油田でのクウェート側の搾取や、
そのクウェートに味方するアメリカの横暴さを思わせるようなシーンもあり、
意外とフェアな視点で撮られていると思います。
それは本作が湾岸戦争やイラク戦争とあまり関係ない、ベルギーの映画だからなのかも。
もしハリウッド映画だったら、フセインのことは悪魔の権化の如く描くでしょうね。
米軍は大義なきイラク戦争の末に、ウダイたちを殺してるわけだし…。

ラストはウダイの横暴に我慢の限界だったラティフが、ウダイ暗殺計画を実行します。
それによりウダイに重傷を負わせますが、殺すには至らず…。
事実を基にしていると謳う本作ですが、このラストはほぼフィクションで、
ウダイ暗殺未遂事件は実際にあったそうですが、ラティフが犯人という事実はありません。
事実を誤認させかねない展開はどうかと思うけど、事実を脚色しながらも、
ビリーバブルな範囲でよくオチを付けられていると感心しました。

影武者を題材にした作品としてはイマイチでしたが、
フセイン大統領ファミリーを題材にした作品としては興味深い映画でした。

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