ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ブルー 初めての空へ

全米ではまだ上位にランクインし続けている
大ヒットCGIアニメ映画『アーサー・クリスマスの大冒険』ですが、
日本では一度もベスト10にも入れなかったことに困惑しています。
というか、『タンタンの冒険』も『ハッピー フィート2』も、思ったほどヒットせず、
結局日本では今年、1本もハリウッドのアニメが1位になっていません。
日本人のCGIアニメ映画への関心のなさにガッカリです。
で、どんな映画が1位なのかと言えば『怪物くん』に『仮面ライダー』って…。
全国の親御さん、お子さんに観せるべき映画、間違ってますよ!
…というのはいくらなんでも暴言ですが、もっとハリウッドのアニメも観てほしいです。

そんな状態なので、日本では商売にならないと考え始めているのか、
ハリウッドのアニメ映画が日本で劇場公開を見送るケースが増えているように思います。
近年では『Planet 51』、『Alpha and Omega』、『Gnomeo and Juliet』、
『Hoodwinked Too! Hood VS. Evil』など、全米ではチャートを賑わせたアニメ作品も、
日本では劇場公開はおろかDVDリリースすら決まってない始末…。
中でも一番の心配は、一向に音沙汰のないドリームワークスの『メガマインド』です。
ドリームワークス作品でさえ公開されないなんて、
もうディズニー以外のアニメ映画は日本劇場公開を期待するのが怖くなります。

ということで、今日は劇場公開中止になった映画の感想です。
もちろんDVD(BD)での鑑賞となります。

ブルー 初めての空へ
Rio.jpg

2011年12月14日リリース。
「アイス・エイジ」のスタッフが贈る、勇気と友情と感動のハートフル・アドベンチャー。

ブラジル生まれの飛べない読書家インコ“ブルー”は、飼い主リンダと一緒にミネソタ州の小さな田舎町の本屋で仲良く暮らしていた。ある日、鳥類学者チュリオが二人のもとを訪れ、ブルーが絶滅種のインコであることを告げる。そして、仲間たちを救うためにリオデジャネイロへ行くことを提案した。リンダは悩んだ結果、ブルーを連れてリオへ行くことを決意する。リオでブルーは同じ種のジュエルに出会い、一瞬で恋に落ちる。しかし、その夜、ブルーとジュエルは何者かに捕らわれてしまうのだった……。果たして、無事に逃げることが出来るのか!? リオを舞台に、飛べないブルーとジュエル、そして仲間たちの大冒険が始まる。(公式サイトより)



本作は今年9月に日本劇場公開されることが予定されていましたが、
同じく日本公開予定だった『ラブ&ドラッグ』、『恋人たちのパレード』と共に、
土壇場で日本公開中止となりました。
この3作の映画会社である20世紀フォックスが、急きょ日本公開中止を決定したようで、
いまいち理由はわからないのですが、もしかしたら東日本大震災のダメージで、
日本公開してもまだお客が入らないと考えたのかも?
『ラブ&~』と『恋人たちの~』は、他の配給会社が買い付け日本公開が決まりましたが、
本作は公開中止のまま、ビデオスルーとなりました。

日本ではビデオスルーなんて仕打ちですが、全米2週連続1位を記録するほどの大ヒット作。
当然かなり期待して9月の公開を心待ちにしていたので、突然の公開中止はホントに残念…。
とはいえ、日本人はディズニー以外のCGIアニメは好まないみたいだし、
ノリノリのアドベンチャー映画なのに、青春映画みたいな邦題付けられちゃってるし、
劇場公開していたとしても、たぶんお客は入らなかったでしょう。
それほど配給会社としても期待感の薄い作品だったと思うので、
年内にビデオリリースしてくれただけでも、喜ばしいことかもしれません。

制作したのは、『アイス・エイジ』などCGIアニメを得意とするブルースカイ・スタジオ。
このスタジオの特徴はカラフルな色調にあると思います。
『タンタンの冒険』や『ランゴ』など、最近のCGIアニメは技術が高すぎて、
妙にリアルな質感を再現し、写実的に進化していますが、
アニメは本作くらいポップでデフォルメされている方が好きです。
まぁそれは作品にもよりますが、南国を舞台にした本作では、
この原色系のカラフルな色調がマッチしており、とても華やか。
画面を見ているだけで楽しい気分にしてくれます。
冒頭からサンバのリズムでノリノリのミュージカルから始まり、
ラテン系、ブラックミュージックを基調とした明るい音楽が全編を通して効果的に流され、
ウキウキ気分になれるハッピーなアニメです。

主人公はアオコンゴウインコのブルー。
彼はリオのジャングルで生まれますが、雛の時に密猟者によって捕獲され、
ペットとしてミネソタ州ムースレークにやってきて、少女リンダに大切に飼われます。
それから数年立ったある日、リンダの所に鳥類学博士チュリオが訪れ、
ブルーは絶滅種の最後のオスだから繁殖のためにリオに連れて行きたい、と申し出ます。
一度は断ったものの、リンダとブルーはチュリオ博士の誘いに乗りリオに行くことに…。
リオでブルーを待っていたのはアオコンゴウインコ最後のメス、ジュエルだった。

ブルーは飛行訓練前に人間に飼われはじめたせいか、飛べる種の鳥なのに飛べません。
それどころか優しい飼い主のリンダに大事に大事に育てられたため、
安全な室内で、人間に飼われていることが、とても居心地がいいと感じるほど、
なんとも都会的で過保護なインコになってしまいました。
一方、ジュエルは野生のインコで、繁殖のため不本意に捕獲されただけなので、
なんとか環境保全センターから脱走しようと企てているワイルドなインコです。
地上最後のオスとメスですが、そんな真逆な性格の2羽がうまくいくはずもなく…。

人間に飼われ野生を忘れた動物が野生を取り戻していき、
野生の動物と恋をするという展開は、ちょっと『マダガスカル』っぽいです。
途中で新世界ザル(マーモセット)が登場するあたりも似てますね。
それに加え本作では、リンダとチュリオ博士の人間同士の恋模様や、
リンダとブルーの飼い主とペット(友達)の絆も描かれており、
完全に動物がメインの『マダガスカル』ほど子ども向けな印象は薄く、
大人も十分楽しめる内容に仕上がっていると思います。

環境保全センターに預けられ、ジュエルとお見合いさせられるブルーですが、
絶滅種の彼らを狙ってセンターに侵入した密猟者によって拉致されます。
ケージに閉じ込められる2羽ですが、ケージ育ちのブルーにとっては、
鍵を外すことなんて造作もなく、密猟者の隙をついて2羽は脱走します。
しかし2羽は密猟者によって互いを鎖で繋がれているため、飛ぶことができず、
走ってジャングルまで逃げかえることに…。
2羽はジャングルでオニオオハシのラファエルと出会い、
鎖を外せるというルイスを紹介してもらうことになり、
飛べないまま、ルイスの所に向かうことになります。
しかし密猟者は、ペットの凶暴なキバタン、ナイジェルを追手に差し向けてきて…。

何気に南米のジャングルの密猟問題を絡めた社会派な展開ですね。
アオコンゴウインコという種は実際にいるみたいですが、
やはりペットにするための乱獲により、野生では絶滅している可能性が強いそうです。
それも問題ですが、もっと問題だと思うのは、ブラジルのストリートチルドレン問題。
本作の中で環境保全センターに侵入し、ブルーたちを攫うのは、
密猟者に金で雇われた孤児フェルナンドでした。
後に彼は罪悪感に苛まれ、ブルーを探すリンダに協力してくれます。
世界最大のお祭り「リオのカーニバル」真っ最中のブラジルが舞台の陽気な内容の裏で、
普通にこんな問題が描かれてしまっていることに、逆に根深さを感じますね。
本作は今年ブラジルで一番ヒットした映画らしいですが、
ハリウッドから指摘されたこれらの問題に、現地の人はどう感じてるんでしょうか?
もう当たり前のことすぎて、普通にカーニバルのシーンを楽しめちゃってるのかな?
あ、でも基本は明るく楽しい映画なので、我々が難しいことは考える必要はないです。

鎖を外してくれるルイスの正体もなかなか意外で面白く、
ブルーを助けてくれるキイロカナリアのニコやコウカンチョウのペドロもいいキャラ。
悪いキバタンのナイジェルの手下になるマーモセットたちも可愛いし、
他の鳥たちも魅力的です。(ヒナの時のブルーの可愛さったら…。)
他のハリウッド産CGIアニメのバタ臭いキャラに比べたら、
日本人ウケするだろうし、見やすいアニメだと思います。
ナイジェルは敵とはいえ、よくよく聞けばちょっと可哀想なやつだったりするので、
もうちょっと救いのある展開でもよかったと思いますが、
キャラものアニメとしては、今年一番だったと思える快作でオススメです。
公開中の鳥アニメ『ハッピーフィート2』よりも、若干勝ってるかも…?

いい映画なのに、ビデオスルーになったから、
もし続編が作られて、どんなに世界的なヒット作になっても、
日本ではまたビデオスルーになるのかな…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/631-64d97694
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad