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宇宙人ポール

年末最後の週である今週末は新作映画が公開されません。
お正月はちょっと長めの連休になるんですが、ボクにとっては映画が一番の娯楽なので、
観たい映画もない時に休みがあっても活かすことができず、
今年もただダラダラするだけで終わってしまいそうです。
正月用に観たい映画をストックしておけばいいだけなんだけど、
なんとなく公開年の内に観ておきたいって気持ちがあるので、それもできず…。
それ以前に、今年の正月映画は観たいものが少なく、ストックしておけるほど無いです。
冬休みだし、けっこう書き入れ時なんじゃないかと思うんですが、
最終週は配給しないなんて勿体ないです。

ということで、今日は年末に公開されたお正月映画の感想です。
ちなみに今年(来年)のお正月映画のオススメは、
『リアル・スティール』と『friends もののけ島のナキ』、そして本作です。

宇宙人ポール

2011年12月23日公開。
サイモン・ペッグとニック・フロストが主演・脚本によるSFオマージュ・コメディ。

SFオタクのイギリス人青年、クライブ(ニック・フロスト)とグレアム(サイモン・ペッグ)は、念願だったコミックの祭典「コミコン」とアメリカ中西部のUFOスポットを巡る旅を楽しんでいた。その途中彼らは、ネバダ州の「エリア51」でポールと名乗る宇宙人と遭遇する。そしてポールを故郷に帰すため、悪戦苦闘の日々が始まり……。(シネマトゥデイより)



ゾンビ映画のオマージュ作『ショーン・オブ・ザ・デッド』や、
ポリスアクション映画のオマージュ作『ホット・ファズ』の名コンビ、
サイモン・ペッグとニック・フロストによる最新オマージュ作である本作。
今回は70~80年代を中心としたSF映画をオマージュしたコメディです。
本作も有名な映画のオマージュネタやパロディネタが多いのですが、
映画歴が浅いボクには、全体の7割くらいしか認知できてないように思うけど、
それでも十分なほど面白く、宇宙人ものSF映画が多かった今年の公開作の中でも、
1~2を争う面白い宇宙人ものSF映画だったと思います。
というか、今年は侵略者系エイリアン映画ばかり続き、
もうそんなのには飽き飽きしていた中で公開された友達系エイリアン映画なので、
待ってましたって感じです。
今年でいえば『SUPER8/スーパーエイト』もSF映画のオマージュ作でしたが、
先人たちへのリスペクトを示すためだけのオマージュだったので面白くなかったです。
でも本作はストーリーも単なるオマージュだけに終わらないウェルメイドなもので、
数年後、数十年後には本作の更にオマージュ作が作られそうな名作SF映画です。
特に『SUPER8/スーパーエイト』に期待していたのに不満を感じた人は、
本作にその求めていたものがあるはずなので、必見ですよ。

念願のアメリカ旅行にやってきたオタクのイギリス人青年
グレアム(サイモン・ペッグ)とクライブ(ニック・フロスト)。
彼らはコミコンを満喫した後、レンタカーで宇宙人スポット巡りに出発します。
有名スポット「リトル・エイリアンイン」や「ブラック・メール・ボックス」を観光し、
順調に旅を続ける途中、一台の暴走車の事故に遭遇。
その暴走車に乗っていたのは"ポール"と名乗るグレイ型エイリアンで、
彼はエリア51から脱走し、政府の秘密機関の「ビッグ・ガイ」に追われていると言う。
グレアムは故郷に帰りたいと言う彼の頼みを聞き入れ、目的地のデビルズタワーに向け、
オタク2人とエイリアンの逃亡劇が始まる、…という話。

政府から追われるエイリアンにヒッチハイクされるロードムービーといえば、
ディズニーのSF映画『ウィッチマウンテン -地図から消された山-』を思いだしますが、
一昨年の映画だし、別にその作品のオマージュというわけではなさそうかな?
もしかすると『ウィッチマウンテン』の原作映画である『星の国から来た仲間』は
意識してるかもしれませんが、ただ被っただけと考えた方が自然ですね。
でも本作は、後発にもかかわらず『ウィッチマウンテン』よりも面白いです。
やはりそれは、オタク2人とエイリアンの3バカトリオの魅力によるところが大きいです。
オタクを演じるサイモン&ニックは何度も組んだ名コンビなので、
それだけでもある程度面白くなることは担保されていますが、
そこに今回は超面白エイリアンのポールも加わり、パワーアップです。
ポールは1947年ロズウェル事件の折に地球にやってきたエイリアンで、
もう60年以上地球で生活しているため、妙に人間くさいところがあります。
でも見た目は典型的なグレイ型なので、そのギャップが面白いです。
ポールのCGに決して安くない製作費の3分の1を投じたそうで、
その甲斐あってチープさの全くない、リアルなグレイ型エイリアンに仕上がっています。
だからこそこの3人の絡みがとても自然に楽しめるんでしょうね。

更に中盤で本作のヒロイン、ルース(クリステン・ウィグ)が合流します。
もっと3バカトリオでの絡みを堪能したかったんで、
早々に余計な人が加わってしまったことにガッカリもしましたが、
彼女もまたキリスト教原理主義者という強烈なキャラで、
信仰から宇宙人の存在を認められない彼女と、宇宙人であるポールとの出会いは、
なんというか、シニカルで刺激的です。
ボクは宇宙人も宗教も信じるに足るものではないと思ってますが、
こうして対峙してみると、宗教よりも宇宙人の方がまだまともというか、
宗教がどれほど滑稽なものであるかが際立って興味深いです。
彼女はポールを宇宙人ではなく悪魔だと決めつけますが、ポールの特殊能力のひとつ、
ヒーリング能力は悪魔どころかキリストの奇蹟そのものなのも面白いですね。
終盤ではもうひとり、ポールと縁深い女性タラ(ブライス・ダナー)も加わりますが、
彼女は逆に宇宙人の存在を信じたことで酷い目に会った人で、
それぞれ立場は全然違うけど、最終的には仲間として行動を共にするというのが、
面白いだけでなく、ちょっとした感動にも繋がります。

ポールたちを追跡してくるのは、オタク2人に恨みを持つ地元のハンター2人と、
ルースの父親の超キリスト教原理主義者の危ないオッサン。
そして政府の謎の人物「ビッグ・ガイ」の指令を遂行する
ゾイル捜査官(ジェイソン・ベイトマン)と、その部下のオマヌケ刑事2人組です。
この「ビッグ・ガイ」の正体というのが、本作の最大の大ネタなので伏せますが、
かなりのサプライズで面白かったです。
名作映画オマージュネタなので、気が付かないおそれもありますが、
他のどんなネタを取りこぼそうとも、ここだけは押さえるべきです。
ヒントは「エイリアンと戦うと言えばこの人!」です。
いつもはエイリアンに追い詰められてますが、今回は追い詰める側ってわけですね。

ゾイル捜査官は『メン・イン・ブラック』と『逃亡者』のパロディだろうから、
ある意味トミー・リー・ジョーンズが元ネタですね。
更に彼はフルネームが「ロレンツォ・ゾイル」と言うそうなのですが、
それを知ったオタクたちはビックリしてたんだけど、ボクにはどういうネタかわからず、
帰って調べてみたら『ロレンツォズ・オイル(原題)』という映画があるそうで、
おそらくそれのオマージュだと思われます。
でもその映画を観たことないので、そのネタは楽しめず、笑いをひとつ逃しました…。
他にもオマージュとして『スタートレック』『スターウォーズ』『プレデター』
『マック』『未知との遭遇』『Xファイル』などSF映画ネタだけでなく、
『脱出』『ダーティ・ハリー』『タイタニック』『ブラインド・フューリー』
『ジョーズ』などの名作映画のオマージュも多いです。
ほとんどは劇中で参照を明かしてあるものを挙げただけなので、
気が付く人はもっと沢山のオマージュやパロディネタを拾えるはずです。
やはりSFが題材となると、『SUPER8/スーパーエイト』と同様に、
特にスティーブン・スピルバーグ作品への愛が強いオマージュ作となっています。
中でもスピルバーグ本人がカメオ出演する『E.T』のオマージュを込めたシーンは、
笑えるのはもちろん、うっすら感動まで覚えました。

キャストは日本では人気があるとは言えないコメディ俳優が多いし、
下ネタも多い作品ですが、それを差し引いても誰でも楽しめる作品です。
本作はもっと大規模公開するべきです。
特にユニバーサル映画なんだから、東宝東和が責任もって配給しなよ。
これをスルーするなんて、ちゃんと観て配給作品を選んでるなら、その目は節穴です。

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