ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

フェイク・クライム

テアトルシネマグループの映画館が、今月から新しい会員サービスを始めました。
新しい「TCGメンバーズ・カード」の会員になると、
映画がいつでも1300円、火曜日と金曜日は1000円で鑑賞できます。
ボクはテアトルシネマグループのシネ・リーブル梅田やテアトル梅田をよく利用するので、
これは会員になるしかないと思いカードを作ってもらおうとしましたが、
今までのシネ・リーブルの「シネマポイントカード」でも
同様のサービスが受けられるようになるとのこと。
しかもポイントが付与される分、新カードよりお得だということで、
新カードに乗り換えるのは見送りました。
でもこの旧カード、テアトル梅田のオンライン予約には対応してないという落とし穴が…。
あと来年3月までに新カードを作れば、無料映画鑑賞券が1枚もらえるので、
いずれ乗り換えるなら、入会金1000円無駄にしないためにも、
それまでに乗り換えた方がよさそうです。
何にしても、いつでも映画1300円になったことはホントに有難いです。

有難いが、シネ・リーブル梅田やテアトル梅田はミニシアターなので、
比較的小規模公開の作品ばかり上映しています。
そこでしか観れない作品ばかりなので、鑑賞料が安かろうが高かろうが観に行きます。
競争がないので、鑑賞料を下げる効果はあるのかどうか…?
本当に鑑賞料を下げるべきなのは、どこも同じものを上映しているシネコンだと思います。
梅田でいえば、特に大阪ステーションシティシネマと梅田ブルク7の料金サービスは、
もっと頑張るべきです。

ということで、今日は新しい会員サービスになったテアトル梅田で観た映画の感想です。
小規模公開なので、東京より3週間遅れでの上映でした。

フェイク・クライム

2011年11月26日日本公開。
キアヌ・リーヴスが主演・製作を務めたサスペンス映画。

至って普通の日々を送るヘンリー(キアヌ・リーヴス)は、高校時代の友人によって銀行強盗の片棒を担がされ、自分だけが刑務所に入れられてしまう。仮出所した彼は舞台女優のジュリー(ヴェラ・ファーミガ)が運転する車にはねられ、そのことをきっかけに彼女が出演する劇場と銀行との間に、禁酒法時代に掘られた地下トンネルが存在することを知る。そのトンネルを利用し、ヘンリーは銀行から大金を奪う計画を立てるが……。(シネマトゥデイより)



キアヌ・リーヴス主演のクライム・サスペンスと思って期待して観に行ったら、
なんだか期待していたものと違う内容で…。
途中までは期待通りとはいかないまでも、想定内の展開でしたが、
オチが「え?これでいいの?」って感じで、ちょっと肩透かしを食らった気分です。
それもそのはず、本作は日本ではクライム・サスペンス扱いされてますが、
実はロマンティック・コメディとして製作されてるんですね。
それがわかっていれば、極端な登場人物や展開にも違和感を覚えないだろうし、
あの妙なオチも、ロマコメとしてなら納得できなくもないです。
きっとはじめからロマコメと思って観ていたら、2倍は面白かったはず。
キアヌ主演のクライムサスペンス『フェイク・シティ』にあやかって、
こんな邦題を付けたのでしょうが、いらぬ誤解を生むだけです。

道路料金所で深夜働き、日々漫然と過ごすヘンリー(キアヌ・リーヴス)は、
ある日、学生時代の同級生エディから、知らぬ間に銀行強盗の片棒を担がされる。
気付いた時にはもう遅く、ヘンリーは逮捕され、懲役3年を言い渡される。
投獄されたヘンリーは、刑務所で会った詐欺師マックス(ジェームズ・カーン)の、
「(無罪なのに)刑期を務めたんだから、強盗しないと損だ」という言葉に触発され、
仮釈放後、本当に銀行強盗をすることを決める。
銀行とその向かいの劇場が、地下トンネルで結ばれていることを知ったヘンリーは、
劇場に出演する女優ジュリー(ヴェラ・ファーミガ)と、詐欺師マックスの協力を得て、
地下トンネルを利用した金庫破りの計画を進めるが…、という話。

こんなアラスジだけならクライムサスペンスに思えなくもないですが、
ボクはサスペンスとして観てしまったものの、本作はコメディとして作られているので、
サプペンスではあり得ないような無茶な展開が多く、唖然としてしまいました。
例えば、始めの銀行強盗ですが、ヘンリーは同級生エディから野球の試合に誘われますが、
実は野球などではなく、銀行強盗の逃走車の運転手として利用されることになります。
エディが目出し帽被って銀行に入っていけば、誰だって銀行強盗するつもりだと思うのに、
ヘンリーはエディから言われるままに、銀行前でのんびりスタンバイしたまま…。
そんなマヌケなので当然すぐ警備員に捕まり、警察送りです。
警察の取り調べでも、ヘンリーはなぜか逃走したエディのことは一言も喋りません。
主人公なのに全く心境が理解できず、イマイチ納得できないまま話は進みます。
ヘンリーの投獄中に、彼の妻デビーはエディの強盗仲間ジョーと再婚しますが、
これもあり得ない展開で、主人公だけでなく登場人物のほとんどが理解に苦しいです。
しかも再婚相手のジョーは韓国のマルチ商法を生業としているダメ人間だし…。
だけどコメディとしてなら、これくらい無茶苦茶な方が笑いとして成立します。
サスペンスとして鑑賞したので笑えるどころか唖然とするばかりでしたが、
ホントにコメディとして観ていたら、どれほど楽しめたかと後悔しています。

銀行と劇場の間の地下トンネルは、禁酒法時代に潜り酒場として使われていた場所の跡で、
ヘンリーはその存在を公衆便所に掛けてあった古新聞で知ります。
そんな銀行のセキュリティ上の重要な欠点が、誰でも知れる場所に貼ってあり、
銀行もなんの対策も講じていないなんて、都合がよすぎる設定です。
その地下トンネルは劇場の楽屋から伸びており、出演者じゃないと楽屋に入れません。
そこで詐欺師マックスは一計を案じ、協力者である主演女優ジュリーの紹介という形で、
演技経験ゼロのヘンリーを舞台に立たせるように取り計らわせます。
そして、ヘンリーの楽屋になったことで、悠々と金庫破りを実行できるようになります。
いくらなんでも出所したばかりの料金所のオジサンが、難なく役者に転身できるなんて、
コメディにしても予定調和すぎると思いますが、その与えられた役がポイントです。

劇はロシアの有名な戯曲『桜の園』で、ヘンリーはロパーヒン役を演じることになります。
大金を得るために愛するヒロインを利用しなければいけないロパーヒンの役柄が、
ヘンリーの立場と一致していることで、素でもロパーヒンを演じられるというわけです。
このあたりの作品と劇中劇のシンクロのさせかたは、ちょっと巧いなと思いました。
といってもボクは『桜の園』を知らないんですけど…。
もし知っている人ならもっと楽しめるかもしれないし、
逆に全然シンクルしてないと思うかもしれませんね。

金庫破り決行日と『桜の園』公演初日が重なってしまい、
ヘンリーは劇の最中、愛する女性ジュリーを残し、すぐに高飛びするべきか悩みます。
本作はロマコメなので、結局は愛を取るわけですけど、そこで問題のラストです。
金庫破りの結果、ヘンリーがどうなったか描くのは、完全に放棄されており、
クライム・サスペンストしては尻切れトンボで不完全な印象です。
ロマコメとしてなら、なかなかロマンティックな感じの告白で終わっているので、
それほど中途半端な印象は受けませんが、なんだかヒロインのリアクションが…?
ハッピーエンドなのか何なのかよくわからなくなります。
スパッと潔い終わり方だけど、スパツとしすぎて「あ、終わったの?」って感じです。
もうちょっと後日談みたいなのがあった方がスッキリしたかなぁ…。

コメディとしてはそれほど悪い作品ではなかったはずだけど、
日本向けの宣伝や邦題で、クライム・サスペンスと誤解させられたのは痛かったです。
そんなポロモーションで、正統な評価を受けられなかった洋画はけっこう多いです。
まぁキアヌ・リーヴスのサスペンス映画だから観に行こうと思ったので、
始めからロマコメだとわかっていたら興味も持たなかったのは確かですが…。
ボクみたいにロクな下調べもしない観客が、
こんな詐欺まがいのプロモーションを増長させてるのかも?
意外と「クライム・サスペンスに偽装している」から『フェイク・クライム』だったり…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/597-11fc1202
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad