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タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

ここ2カ月ほど、3Dで映画を観なくて済んでいます。
3D映画はコンスタントに公開されているのですが、
ちゃんと2D版と同時上映してくれることが多くなってきました。
3Dを避ける人、3Dにメリットを感じない人がどんどん増えているようですが、
ホントは割増料金取りたい映画館も、客の要望を無視できなくなってきたんでしょうね。
このまま完全に廃れたらいいのに…。

3Dなんて子ども騙しなので、子どもしか楽しめないと思ってましたが、
最近は親よりも子どもが率先して3Dを避ける傾向があるようです。
たしかに3D映画はあまり体にいいものではなく、
特に子どもには負担が大きいと言われていますが、
子どもたちはそれを実感として持っているんだと思います。
メガネに対する違和感も大人以上だろうし、かなり疲れるんじゃないかな?
まぁ子どもに言われる前に、親が3D映画を避けてあげるようになるのが理想です。

といことで、今日は2D版でも沢山公開されている3D映画の感想です。
ついでに本作はアニメ洋画には珍しく、字幕版と吹替え版も比較的容易に選べます。
全てのアニメ洋画がそうなればいいのですが…。

タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密

2011年12月1日日本公開。
スティーヴン・スピルバーグ監督がベルギーの漫画をアニメ化したアドベンチャー。

ある日、タンタン(ジェイミー・ベル)は、ガラスケースに陳列されていた帆船の模型に魅了され購入する。ところがその直後から、彼は見知らぬ男たちに追いかけ回されるハメになる。何とその船は17世紀に海賊の襲撃によって消息を絶った伝説のユニコーン号で、模型のマストにはある暗号が記された巻物が隠されており……。(シネマトゥデイより)



『ヒア アフター』『トゥルー・グリッド』『SUPER8/スーパーエイト』
『カウボーイ & エイリアン』『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』
そして今週末公開の『リアル・スティール』…。
今年は製作や製作総指揮でスピルバーグが関わっている大作映画が沢山ありました。
普通はあまりプロデューサーが誰かなんて大々的に取り扱ったりしないけど、
さすがは大御所スピルバーグです。
プロデューサーなのに監督よりも売りにされています。
そんな製作で忙しかった彼ですが、この年末についに監督作が公開になります。
製作した作品がいくら良かろうが所詮はプロデューサーです。
やはり監督作が面白くなくては全然評価できません。

で、その監督作が本作なわけですが、
本作はスピルバーグ監督にとって、初のアニメ作品なんだそうです。
彼は役者が演技してこそ映画だと考えているらしくて、
今までアニメ作品を作りたいとは思わなかったそうです。
でも役者の演技をアニメに取り込むパフォーマンス・キャプチャーの技術が進歩し、
これなら満足のいくアニメ作品が撮れるだろうということで、
今回初挑戦することになったんだとか。

ただボクは、実写ならまだしも、アニメにパフォーマンス・キャプチャー使うのは、
作画能力の低さをアピールしているようなものなので、
あまり褒められたものではないと思ってます。
キャプチャーされるアクターも、ダニエル・クレイグなど、顔も売れてる人気俳優だし、
わざわざアニメ化してしまうのは単純に勿体ないと感じます。
それなら演技のうまい無名の俳優でも一緒だと思うんですよね…。
人気俳優をキャプチャするなら、せめてキャラの顔も似せてくれた方がいいです。

それ以前に本作は、妙にリアルに、写実的にアニメを描いているので、
あまりアニメにする必然性を感じないません。
アニメは大胆にキャラをデフォルメできることが魅力のひとつだし、
そんなに実写に近付けたいのなら実写で撮ればいいと思うんですよね。
ここまで写実的にされると、実写が大変だからアニメに逃げたようにすら感じます。
本作のキャラは、肌の質感などは皺や毛穴まで描かれてすごくリアルなのに、
原作の漫画キャラに合わせて局部的にだけデフォルメしてあるんですが、
どうも中途半端で、不気味の谷に落ちています。
その気持ち悪さはロバート・ゼメキス監督のアニメに近いです。
主人公タンタンなんて、ジュード・ロウに似せた出来そこないのアンドロイドみたいです。
漫画ならいいけど、あんな山田五郎みたいな髪型の童顔男を写実的に描かれると…。

展開的にも、モロッコの街での追いかけっこや、
クライマックスのガントリークレーン同士のバトルなど、
アニメじゃないと再現するのが大変そうなシーンはあります。
なかなかお目にかかれないくらいのエキサイティングなシーンですが、
ストーリー上、その展開に必然性を感じないため、
本作の原作をアニメで映像化する動機にはならないかな。
まぁ簡単にいえば、この内容ならば実写で観たかったということです。

CGIアニメはどんなすごいアクションシーンだろうが、所詮はプログラム上の映像なので、
ちゃんと役者が演じている実写ほどは感心することができません。
だからCGIアニメ作品に求めるものはそんな映像的な派手さではなく、
素晴らしいストーリーと、魅力的なキャラクターです。
キャラクターは外見の不気味さに目をつむれば、いいキャラもいます。
特にハドック船長は、ホントにどうしようもないダメな大人で、
とても愛すべきキャラだと思いました。
しかし本作のストーリーは、ありきたりなアドベンチャーで…。
今どきただ財宝を求めて冒険する物語なんて、なんの工夫も感じられません。
ハドック船長が楽しい男だから何とか最後まで観れたけど、
砂漠あたりの中弛みで、かなりまぶたが重くなりました。

これではスピルバーグ監督の『インディ・ジョーンズ』とやってることは同じ。
『インディ~』は実写な分だけアクションばかりで内容なくても楽しめるけど、
アニメでやるなら、アクションばかりじゃなくて、もっと考えさせられる謎解きや、
思わずウルッとできるような感動できるシーンがほしかったです。
もともとスピルバーグ監督がこの原作に興味を持ったのも、
『インディ~』の映画1作目を公開した時に、欧州のレビューで、
「漫画『タンタンの冒険』に似ている」と評されることが多かったかららしいです。
普通そんな評価を受けたら、「もっと独創的なものを撮ろう」と考えそうなものだけど、
逆に「類似作品を映像化しよう」と思うなんて、変わってますね。
よほど監督はこの手の財宝探しのアドベンチャーが好きなんでしょうね。
でも観客からすれば、「もっと多様な作品を観たい」と思うんじゃないかな?
特に久々の監督作だったから更なる進化を期待したし、
前作は『インディ~』だったので、また宝探しアドベンチャーか…、と。

ボクは実写映画よりもアニメ映画に対しての要求が高いので、
本作の出来にはかなり不満でしたが、
普通はアニメを実写より軽んじている人の方が多いので、
そんな人たちからすれば「アニメなのにここまで出来るのか」と感心できるかも。
技術的には最高峰ですからね。
アニメにドラマ性を求めない子どもたちも十分楽しめると思います。
過度な期待しなければ、無難に楽しめる作品です。
もしかするとオスカーのアニメ部門で善戦できるかもしれないです。

さて、次のスピルバーグによる監督作品は『戦火の馬』です。
次はそれほど間を空けずに公開となります。
実写だしアドベンチャーじゃないので、今度は期待できそうです。

コメント

スピルバーグはプロデューサーとしてなら、昔からアニメに関わっているんですけどね(タイニートゥーン、アニマニアックスなど).... アニメ版・原作のタンタンは一見の価値ありですよ。

  • 2017/05/27(土) 22:41:09 |
  • URL |
  • 無記名 #-
  • [ 編集 ]

無記名さんへ。

以前からアニメーションにも関わってたんですね。
でもやっぱり製作と監督では勝手が違ったのでしょう。
本作以降、アニメーションに関わってないところをみると、
やっぱり向いてないと自覚したのかもしれません。
私は微妙でしたが、本作の世間の評価は悪くないんですけどね。

原作漫画はちょっとだけ読んだことがありましたが、
日本の漫画に慣れすぎたせいか海外の漫画は少し読み辛いです。
左綴じだしコマ割りが単調すぎて、数ページで断念したので、
内容が面白かったかどうかもわかりませんでした。

  • 2017/05/28(日) 22:03:16 |
  • URL |
  • BLRPN #-
  • [ 編集 ]

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