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インモータルズ 神々の戦い

野田首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加を表明しました。
ボクはTPP自体はすごく嘘くさいものだと思いますが、
それを確かめるためにも交渉に参加するのはいいことです。
正式参加はアメリカがどんな要求してくるか、ちゃんと見極めてから決めてほしいです。
ただ、TPPに参加することとなれば他の加盟国とほぼ自由貿易できることになるでしょうが、
最近のギリシャ経済危機などEUの情勢を見るにつけ、
こうしてひとつの経済圏化するのはちょっと怖いなと思います。
まぁTPPは通貨統合するわけじゃないからEUほどの影響はないでしょうが…。

ギリシャ経済危機は、一昨年ギリシャで政権交代があり、財政赤字が露見したことが発端。
信用がガタ落ちし、一蓮托生でユーロの信用も低下、国債や株価が下落しました。
日本でも一昨年政権交代が起こり、これまでのいろんな無駄が明らかになりましたが、
やはり政権ってのは頻繁に交代する方がいいみたいです。
なんでもギリシャは国民の4人に1人が公務員だったようで、
そんな状態では財政赤字になるのは当然だと思えます。
財政再建にあたっては当然そこにメスが入るわけですが、公務員はそれに猛反発、
公務員によるストライキが行われ、公共サービスがストップ、
ゴミの回収が行われなくなりアテネ市内はゴミの山とか…。
ボクはギリシャ神話が好きなので、ギリシャは是非観光したい国ですが、
そんな状態ではあまり行きたくはないです。
でもあれだけの観光資源のある国だから、対応次第ではすぐに持ち直すと思います。

ということで、今日はギリシャの危機を救うという物語の映画の感想です。

インモータルズ 神々の戦い

2011年11月11日日米同時公開。
ギリシャ神話を題材に描くアクション・スペクタクル。

神話の時代のギリシア、全能神ゼウス(ルーク・エヴァンス)は人類の平和と繁栄を願い地上の営みを見守ってきた。そんな彼の前に、ギリシアを滅ぼし世界支配をたくらむ邪悪な王ハイペリオン(ミッキー・ローク)が現れる。彼のたくらみを阻止するためゼウスに選ばれた人間の勇者テセウス(ヘンリー・カヴィル)が立ち上がり、やがて世界を揺るがす戦いへと発展していく。(シネマトゥデイより)



ギリシャ神話をモチーフに描かれた本作ですが、
もともとは「War of Gods」と仮題が付いていました。
しかしギリシャ神話をモチーフにした大ヒットゲーム『ゴッド・オブ・ウォー』と、
タイトルも内容もかぶっているという理由で、今のタイトルに落ち着いたようです。
『ゴッド・オブ・ウォー』はギリシャ神話のゲームとしては最高峰の作品で、
いっそのこと『ゴッド・オブ・ウォー』の映画化にしちゃった方がよかったかも…。
本作は原形をとどめないほどギリシャ神話をアレンジしてしまっており、
もう97%オリジナルのストーリーで、ギリシャ神話が好きなボクにとっては、
本作には「ギリシャ神話をモチーフに」なんて言ってほしくないです。

件のゲーム『ゴッド・オブ・ウォー』が大ヒットしたことで、
アメリカは一時期ギリシャ神話ブームでした。
『タイタンの戦い』や『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』など映画も製作、
本作もそのブームに乗って製作が決まったんだと思います。
しかし、総じてハリウッド映画はギリシャ神話に対して敬意を払いません。
大概は登場人物の名前やクリーチャーなどのエッセンスだけを使い、
全く新しい物語を作ってしまいます。
本作はそれの最たるものです。

本作の主人公はテセウス(ヘンリー・カヴィル)は、『タイタンの戦い』のペルセウスや
『トロイ』のアキレウスに比肩する、ギリシャ神話の英雄のひとりです。
ラビュリントス(迷宮)でのミノタウロス退治で有名な英雄ですが、
如何せんギリシャ神話最大の英雄ヘラクレスと同時代の人物だったため、
ちょっと影が薄い印象があります。
本作はそれをいいことに、テセウスの設定を変更し、全く新しい人物にしています。
踏襲しているのは身内の名前くらいです。

まず、彼の最も大事な功績であるミノタウロスのエピソードですが、
一応申し訳程度にそれらしいシーンは用意してあるのですが、
牛頭人身の怪物ミノタウロスは、牛の兜を被っているだけのただの人間に…。
しかも戦うのは迷宮ではなく、テセウスの村の墓地です。
その墓地が意味もなく入り組んだ構造になっており、迷宮ぽくしてあるのですが、
自分の村の墓地だから、まったく迷ったりすることもなく…。
そのミノタウロス(野獣)は本作の敵軍の対象であるハイペリオン(ミッキー・ローク)の
子分のひとりでしかなく、エピソード自体も扱いが小さいです。
でもなぜか、後世ではこのエピソードが一番有名な扱いなんですよね。
それなら牛の兜は、せめてハイペリオンが被るべきだったと思います。
(ハイペリオンはなぜかクワガタムシみたいな兜を被っています。)
もしかしたら全くギリシャ神話のテセウスを知らないで製作してるのかとも思いましたが、
岩の中から武器を見つけるという地味なエピソードは知っているようで、確信犯です。

どうもこの世界観ではミノタウロスやケルベロスとった怪物の類はいないみたいです。
でも『トロイ』のように、ファンタジーな存在が全くいないわけではなく、
オリンポスの神々やタイタン族など、神様はいるという設定のようです。
ただ、その神様の取り扱いも無茶苦茶。
ハイペリオンは実際はタイタン族だけど、本作では人間として登場させていることは、
同姓同名のオリジナルキャラだと思えば許せます。
しかしオリンポスの神々であるアレスとアテナがあんなに仲がいいのは絶対にダメでしょ。
というか、アレスがあんなにいい神として描かれているのは前代未聞です。
(おそらくローマ神話のマルスと混同しているんだと思います。)
ギリシャ神話の世界観を利用したいなら、登場人物もイメージ通りにするべきです。

オリンポス神からはアレス、アテナの他に今回4柱が登場します。
ゼウスはもちろん、ポセイドン、アポロ、そしてヘラクレスです。
本来はテセウスと同時代の英雄であるヘラクレスですが、時代設定が紀元前12世紀なので、
すでに死んおり、天に上がったという設定なのでしょう、今回は神扱いなんですね。
物語もヘラクレスが鍛えた「エピロスの弓」を探すというもので、
けっこう重要な役どころかと思いきや、神としてのヘラクレスは全然活躍しません。
兜も『マイティ・ソー』のロキみたいでダサく、一般的なイメージと違い優男です。
アポロの扱いはもっと悪く、ほぼワンカットだけのやられ役でした。
ポセイドンはテセウスの実の父親とも伝わっているのですが、
今回はその設定はなく、テセウスの父親はどこかの強姦魔ということになっています。
なので彼もそれほど重要な役ではなく、中盤で津波を起こしてテセウスを助けるのですが、
危うくテセウスもろとも殺してしまいそうな大津波で、笑えました。
敵となるタイタン族も、冒頭のナレーションではそんなに邪悪な印象は受けません。
てか、タイタン族なのに小さすぎる!

…とまぁ、97%オリジナル・ストーリーな本作に、
「どこが神話とイメージと違う」なんて言い出したらキリがないので、
そろそろ普通にアクション映画としての感想を書きます。
紀元前の戦争を描いた映画なので、"『300』の製作スタッフ最新作"と宣伝されますが、
それよりもやはり『落下の王国』のターセム・シン監督らしい映像だと思いました。
衣装やセットの造形や色彩が個性的で、映像的には面白いです。
人間同士の戦いではけっこうグロいシーンがあったりと泥臭く生々しさを感じますが、
神同士の戦いはかなり超人的でマンガ的で、その対比が興味深いです。
神が人間の戦いに介入してはいけないというルールに思わず納得してしまうほど、
神と人間とでは戦闘力に尋常ではない差があるように描かれています。
神の戦いと人間の戦争で、2パターンのアクションが楽しめ、2度おいしい作品ですが、
ある意味ではそれが温度差にもなっており、神の戦いが始まった時点で、
人間の戦争なんてどうでもいいような印象を受けてしまうのは事実です。
特に神の戦いはとにかく斬新なアクションなので、もっと観ていたいと思えるもので、
鑑賞後になんだか物足りない気分になってしまいます。
結局、人間の戦争は終結しても、神の戦いはまだ続いている終わり方だったし、
むしろ本番はこれからだろって感じで…。

ストーリーはギリシャ神話の原型がないほどオリジナルにアレンジしてあるくらいだから、
さぞ面白いものになっているかと思えば、全くそんなことはなく、
ギリシャ神話以上に古典的な内容に仕上がっています。
簡単に言うと、オラクルと称される巫女パイドラ(フリーダ・ピントー)の予言により、
勇者テセウスがギリシャを救うことになるというものです。
実際にその通りになるのですが、その予言も細部は意味不明のまま終わります。
巫女ならギリシャを救うためにもっとマシな予言しろよと思うのですが、
パイドラはテセウスとセックスして処女を喪失したことで巫女の力を失います。
この大変な時に、巫女としての自覚がなさすぎるでしょ。
巫女を守るため、身代わりになって死んだ3人の姉妹に謝れって感じです。
ギリシャ神話だと、こんな女はアテナに酷い目に遭わされるのがオチなのですが…。
ハイペリオン軍に寝返った兵士リサンドラー(ジョセフ・モーガン)や、
なんとなくテセウスに手を貸すことになる盗賊スタブロス(スティーヴン・ドーフ)など、
何考えてるかわかりにくいキャラが多く、全体的にキャラ作りが粗いです。
ミッキー・ローク演じるハイペリオンの暴君っぷりはなかなかでしたが…。

結局、映像は面白いところもありますが、それ以外はイマイチな作品でした。
ちょっと中途半端に終わった感がありますが、この出来では続編製作の可能性もないかな。

さて、ギリシャ神話の映画では、『タイタンの戦い』が第2弾の公開を待たずして、
すでに第3弾の製作が決まったみたいです。
第2弾『Wrath of the Titans(原題)』は来年3月30日に全米公開予定ですが、
先にさらなる続編が決まるなんて、よほどの自信作が出来たんだと思います。
これは期待が高まりますね。
でも『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズも完結したことで、
ギリシャ神話ブームもすでに沈静化しているような気もするし、
ちゃんとヒットするかはちょっと不安です。
『パーシー・ジャクソン~』の方は完結しないまま放置だろうなぁ…。

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