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1911

公開中の映画『1911』は、ジャッキー・チェンの出演100本目となる作品です。
100本くらい出演している俳優は結構いると思うけど、
ジャッキーの場合はそのほとんどが主演作だからスゴイです。
ボクがジャッキーの作品をよく見るようになったのは71作目『ラッシュ・アワー』からで、
その前の香港映画時代はほとんど観ていませんでした。
一番好きなのは90作目『ドラゴン・キングダム』なので、かなり浅いファンです。
ハリウッド出演作の方が好きで79作目『シャンハイ・ナイト』シリーズも好きです。
ハリウッドと香港(中国)映画が混在しており、どれが何番目かわかりにくいのですが、
わかる範囲で直近10作の順番を書いておきます。

91作目『カンフーパンダ』…ハリウッド・アニメ映画。脇役の声優。
92作目『新宿インシデント』…日本が舞台の香港映画。
93作目『カンフー・キッド』…チャン・イーシャン主演の香港映画。日本ビデオスルー。
94作目『建国大業』…中国建国60周年記念映画。チョイ役。日本未公開。
95作目『ダブル・ミッション』…ハリウッド進出30種年記念作品。
96作目『ラスト・ソルジャー』…ワン・リーホンとW主演の武侠もの香港映画。
97作目『ベスト・キッド』…ジェイデン・スミス主演のハリウッド映画。リメイク作品。
98作目『新少林寺/SHAOLIN』…アンディ・ラウ主演の香港映画。
99作目『カンフー・パンダ2』…91作目の続編。脇役の声優。
100作目『1911』…出演100本目記念となる香港映画。

…あれ?あまり単独主演作はありませんね。(上記の3作もW主演だし。)
最近はスーパーサブとして活躍することが多くなってきたのかな?
以上の順番は英語版Wikiを参考にしていますが、
日本では『新少林寺/SHAOLIN』は99作目として宣伝されてます。
ちなみに日本では100作目の方が先に公開されます。

ということで、今日はジャッキーチェン出演100本目作品の感想です。

1911

2011年11月5日日本公開。
ジャッキー・チェン映画出演100本記念の歴史巨編。

1911年、中国は欧米列強の脅威にさらされ、清王朝は衰退する一方だったが、業(ごう)を煮やした民衆たちが立ち上がる。革命軍を束ねる孫文の参謀・黄興(ジャッキー・チェン)は一気に総督府に攻め込むが、情報が漏れていたため失敗に終わる。この戦いで多くの尊い命が奪われ、敗残兵となった彼らは次第に戦意を失っていき……。(シネマトゥデイより)



ジャッキー・チェンの出演100本目となるメモリアルな作品なのに、
彼の代名詞であるコミカルなカンフーが全くない、クソまじめな伝記映画です。
ハリウッドデビュー30周年記念映画『ダブル・ミッション』は、
これまでのジャッキー映画のオマージュ満載で、
本作なんかよりもよっぽどメモリアルな内容でした。
本作はジャッキー100本目よりも、辛亥革命100周年のメモリアルの方が強く出ています。
ボクは辛亥革命なんて知ったことではなく、ジャッキーの映画として観に行ったので、
期待に全く添わず、ちょっと残念な気持ちになりました。
おそらく多くの日本人もジャッキーのカンフーは好きでも、
中国の近代史になんて興味はなく、こんな中国の国威発揚映画なんて、
日本で公開するほどのものではないと思います。
本作は東映の洋画配給レーベル「東映トライアングル」の第2弾配給作品ですが、
東映は中韓でヒットしたものをただ日本公開するだけでなく、もっと吟味しましょう。

アヘン戦争、日清戦争で敗れた清朝は列強諸国から半植民地化されています。
そんな祖国を憂う孫文(ウィストン・チャオ)や黄興(ジャッキー・チェン)ら
中国同盟会は革命を企て、広州で武装蜂起するも清朝に敗北、
中国各地で次々と蜂起するも、全て清朝に鎮圧されてしまいます。
そんな中、中国同盟会の張振武(ジェイシー・チェン)が、武昌でクーデターに成功。
辛亥革命の狼煙を上げ、革命軍は漢陽、漢口も制圧します。
孫文は欧州へ飛び、英米仏独の四国借款団に清朝への借款をやめてもらうように頼み、
清朝が列強から戦費を調達できないようにします。
黄興は漢陽へ行き、革命軍と合流、革命軍陸軍総司令となり指揮をとります。

清朝は袁世凱(スン・チュン)を内閣総理大臣・総督に任じ、革命軍鎮圧にあたらせます。
袁世凱は漢陽を取り返しますが、野心家である袁世凱は、
そのまま革命軍を倒しても、清朝が得するだけで自分はおいしくないと考え、
そのまま武昌には攻め入らず、革命軍との交渉のため一時停戦します。
共和制を目指す孫文は中華民国の臨時政府を南京で樹立し、自ら臨時大総統となります。
彼は袁世凱の野心を利用し、皇帝を退位させたものに大総統の座を譲ると明言。
国家元首になりたい袁世凱は宣統帝溥儀の母・隆裕皇太后に皇帝退位を迫り、
皇太后は皇帝退位を決定、ここに辛亥革命が成される、…という物語です。
近代中国史には興味がないため、これが事実かどうかはわかりませんが、
本作はだいたいこんな内容だったと思います。

中国の封建制が終わり、共和制になる礎を築いたころの物語だけど、
その結果、今に至る中国はロクなものではなく、ある意味日本にとっては、
最後の封建時代の清朝の方がまだマシだったと思える今の現状です。
中国はちょっと国土と天然資源が多いからって調子乗ってるし、
それでも飽き足らず、まだ他の国の領土を掠め取ろうとしてきます。
尖閣諸島だけでなく、ほとんど周辺諸国が迷惑を受けています。
(昨日も五島列島のあたりにまで漁船を侵入させてきました。)
そんなカスみたいな今の中国の礎となった辛亥革命なんて、
周辺諸国や世界各国にとってはむしろなかった方がよく、
それを成し遂げる物語である本作に感動できるはずはないです。

とはいえ、「中国革命の父」と称され、辛亥革命を主導した孫文が
大した人物であることはわかります。
なにしろあの中国で一時的とはいえ民主化を実現した男ですからね。
本作は辛亥革命を描いた内容だけに孫文を描く比重が高いです。
ジャッキーが演じる黄興は、名ばかりの主役で、あまり活躍することもなく、
中国での彼の評価がどうなのかは知りませんが、本作を観る限りでは、
あまり辛亥革命の立役者のひとりという印象も受けません。
物語冒頭で彼が主導した広州蜂起も負けてるし、
その後、革命軍総司令になってからも、袁世凱に敗れ漢陽を失うなど、いいとこなし。
むしろ彼の息子であるジェイシー・チャンが演じる張振武の方が、
辛亥革命の契機となる武昌でのクーデターを成功させるなど大活躍です。
本作の総監督はジャッキー自身ですが、なぜこんな物語を自身の100本目に選んだのか、
なぜあまり活躍しない役に自身をキャスティングしたのか、理解に苦しみます。
逆に総監督となったことでバランスを取りすぎて、自分を活躍させられなかったのかも。

本作は中国の内戦を描いた戦争映画なので、アクションは銃火器によるドンパチが基本。
ジャッキーが演じる黄興は革命軍の総司令となり、前線で戦うのですが、
実際の戦争でピストルやバズーカを相手にカンフーで戦えるはずもなく、
それどころか、序盤の武装蜂起で指を失う大怪我をしてしまい、
カンフーなんてできるはずもない役柄です。
ただ、ほんの短いシーンですが、一か所だけ素手でのアクションがあります。
船に潜んでいた武装工作員を彼が見つけ、軽くヒネるというシーンで、
ジャケットを使って柱を滑り降りたりと、ちょっとジャッキーらしい演技を見せます。
おそらくファンサービスのつもりでしょうが、本作の中にあってはむしろ浮いており、
リアリティのない不要なシーンに感じられてしまいます。
来週公開となる主演98本目の『新少林寺』は、列記としたカンフー映画で、
ジャッキー主演ではないですが、彼のコミカルなカンフーを楽しめる内容のようです。
カンフー映画ファンはそちらに期待しましょう。

辛亥革命の末に孫文が作った中華民国ですが、中華民国といえば今は台湾のことですよね。
本作は民主共和制国家の中華民国が誕生したことでハッピーエンドとなっていますが、
ご存知のように今の中国は中華人民共和国であり、一党独裁の社会主義国家です。
この物語の後、袁世凱は約束通り中華民国の初代大総統となるが、
すぐに自ら皇帝に即位し、帝政を復活させようとします。
もうこれまでの物語はなんだったのかって話ですよね。
まぁ皇帝・袁世凱は反帝政運動にあい、早々に失脚してしまいますが…。

第二次世界大戦後、中華民国政府は中国共産党との内戦に敗れ、
本土を失い台湾に移り、今の台湾こと中華民国となるわけです。
中国共産党による中華人民共和国は中華民国を承認してませんけどね。
同じく日本も中華民国は承認しないという立場ですが、
台湾は中国に比べたらかなりマシな国で、日本との関係も悪くないと思います。
(今の総統はあまり好きじゃないけど…。)
個人的には是非独立してほしいですが、中国がそれを許すはずもなく…。
もし中国が、中華人民共和国ではなく今でも中華民国だったなら、
本作もそれなりに感動できたかもしれないけど、現状では全然ダメですね。
それに本土の中国人も、中華民国建国の話なんて観ても感動しないと思うんだけど…?

さて、ジャッキーの出演101本目が何になるのかはわかりませんが、
続編ものの企画は結構あるみたいです。
まず香港映画では『プロジェクト・イーグル』の続編が決まっているみたい。
ハリウッド映画では『ベスト・キッド』や『ドラゴン・キングダム』の噂がありますね。
もちろん『カンフーパンダ』の続編も作られるでしょう。
今回みたいにカンフー映画以外にも積極的に出るようになれば、
生涯150本くらい出演できるかもしれませんね。
カンフーしないジャッキーなんて別に見たくもないけど…。

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