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パラノーマル・アクティビティ3

ハリウッド・レポーター誌が、映画3作目の歴代興行収入ランキングを発表しました。
1位は『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』で11億2202万ドル、
2位以降は書くのが面倒なので割愛しますが、興味深い内容です。

昔は映画の続編3作目というと「駄作」というイメージが強かったですが、
『ロード・オブ・ザ・リング』の3作目の大成功以降は、
シリーズ最高傑作になる3作目も増えてきました。
その要因のひとつは、トリロジー構想でしょう。
2作目を製作する時点で3部作にするつもりで製作し、
盛り上がりのピークを最終章となる3作目に持ってくるという手法です。
そのせいか、なんだか微妙な感じで終わってしまう2作目が増えました。
1作目からトリロジー構想でスタートすると、始めから中途半端な出来になってしまい、
結局2作目はGOサインが出なくなる、ということも増えています。
やはりシリーズものでも1作1作全力投球した方がいいですね。

ということで、今日はシリーズ3作目となる映画の感想です。
単発が常識のフェイク・ドキュメンタリーで3作目が作られるというのも妙ですが、
観客はあまり気にしないようで、前作を超えるヒットとなっています。

パラノーマル・アクティビティ3

2011年11月1日日本公開。
大ヒットしたフェイク・ドキュメンタリー・ホラー、シリーズ第3弾。

1988年9月3日、ごく一般的な家庭ですくすくと育つケイティとクリスティ姉妹の姿をホームビデオがとらえる。そして9月24日、2人の少女は鏡の前にカメラを設置し、部屋の照明を落とした中で「ブラッディ・マリー」と唱え始めた。すっかり怖い遊びに夢中の彼女たちは気付いていないが、ある映像がカメラに残っていた。(シネマトゥデイより)



製作費15,000ドルという超低予算でありながら、
世界中で大ヒットした『パラノーマル・アクティビティ』。
そのシリーズ第3弾となるのが本作です。
前作の第二弾では製作費300万ドル、本作では500万ドルとジャンプアップし、
本作は、もはやフェイク・ドキュメンタリー・ホラー映画としては、
ずば抜けた高額の予算で撮られた作品です。
でも、予算と内容は比例しないのがホラー映画の面白いところです。
たしかに仕掛けは大掛かりになっているものの、やっていることは1作目と一緒で、
それどころかフェイク・ドキュメンタリーとしては、
シリーズを重ねるごとに無理が生じてきています。
本作ではこの映像の出所さえハッキリさせていません。

このシリーズは完全な続きもので、前作(第2作目)は前々作(第1作目)の前日譚、
そして本作は前作の前日譚と言う位置づけになっています。
まずは少しシリーズのおさらいから。
ケイティとその恋人ミカの家で怪現象が起き、
ミカは死亡、ケイティは失踪してしまう、というのが一作目の話。
その6月前には、ケイティの妹クリスティの家でも怪現象が起きており、
どうやらそれは、クリスティに悪魔が憑りついているからであることがわかります。
悪魔はクリスティの子どもハンターを連れ去ろうとしており、
それを回避するため、クリスティに憑りついた悪魔を、
姉であるケイティにこっそり転移させてしまう、というのが2作目です。
つまり1作目の怪現象の原因が2作目で語られるという形ですね。
結果、悪魔に憑依されたケイティにクリスティは殺され、
ハンターも彼女に連れ去られてしまう、というのが2作目のラストでした。
その後ケイティは日本人女性の運転する車に轢かれ、悪魔はその日本人女性に憑りつき、
日本にやってくる、…というのが日本版続編『TOKYO NIGHT』の設定ですが、
これはオフィシャル設定かどうかはわかりません。

そもそもなぜクリスティが悪魔に憑りつかれているのかについて、
前作では、クリスティの祖母(ハンターの曾祖母)が行った魔女の儀式が原因とか、
クリスティと姉ケイティが子どもの頃にやってしまった悪魔の儀式が原因だとか、
なんとなく説明されていますが、そのことについて描かれているのが本作です。
本作は、前作でクリスティの家に監視カメラが付けられる原因となった、
強盗事件の様子から始まります。
その事件で、姉ケイティが置いていった古いビデオテープが盗まれますが、
その紛失してしまったビデオテープの中身が本作の主な内容となっています。
(紛失したテープがなぜこうして公開されているのか説明はありません。)

1988年、ケイティとクリスティ姉妹がまだ子どもの頃のビデオテープです。
その頃の妹クリスティには"見えないお友達"トビーがいました。
トビーは大人はもちろん、姉ケイティにも見えません。
どこかの屋敷しもべ妖精のような名前ですが、そんなかわいらしいものではなくて、
クリスティいわく、背の高い老人らしいです。
このくらいの子どもが見えないお友達を作るのはよくあることですが、
普通は同年代の子どもという設定なのに、ちょっと気味が悪いですよね。
トビーはクリスティとは仲良しですが、他の人は嫌いみたいで、
今回の怪奇現象は、彼によるもののようです。

姉妹の母親ジュリーは、恋人のデニスと同棲中。(デニスは姉妹とも仲がいいです。)
カメラマンであるデニスはジュリーとのセックスを撮ろうとしますが、
撮影中に地震が発生(もしかしたら大規模なポルターガイストかも)、
その時の映像に、おかしな現象を発見したデニスは、家中にビデオカメラを取り付け、
夜な夜な回し続けるが、その中にも様々な怪奇現象が映し出されており…、という話。

セックス撮影中にたまたま怪奇現象が取れてしまったという展開は、
俗っぽいが、なんともドキュメンタリーっぽい演出ですよね。
舞台が1988年なのでカメラもかなり旧式で大きいもので、台数も用意できなくて、
広いリビングの監視のため1台のカメラを扇風機に取り付け首を振らせて撮影します。
こういう細かい時代考証が、フェイク・ドキュメンタリーでは大切です。
でも一か所致命的にやっちゃっているところが…。
劇中でデニスの友人ランディが、(たぶん)トビーに襲われた時の恐怖を、
「かわいいキャスパーとはわけが違う」と語りますが、『キャスパー』は90年代の映画。
残念ながら、1988年には存在しません…。

友人ランディが襲われたのは、ケイティと一緒に「ブラッディ・マリー」をしたからです。
鏡の前で「ブラッディ・マリー」と3回唱えると、彼女に殺されるという肝試し的遊びです。
本作の予告編では、この遊びをするのはランディとケイティではなく、
ケイティとクリスティの姉妹二人でした。
他にも予告編には、クリスティがトビーに水をかけるシーンや、
クリスティが2階の吹き抜けから飛び降りるシーン、
霊能力者らしき男がぶっ飛ばされるシーンなどがありましたが、
いずれも本編には使用されていません、
さしずめフェイク・ドキュメンタリーならぬ、フェイク予告です。
使われないシーンなのに、お蔵入りレベルではなく、下手すると本編よりも衝撃映像満載。
これを使わないなんて勿体ない、とも思ったのですが、
もし本編に霊能力者が出てきたら、「あ、こいつぶっ飛ばされるな」とオチがわかって、
あまりドキドキできないですもんね。
逆に言えば本編は未公開衝撃映像ばかりということで、ずっと緊張感を味わえます。

このシリーズは悪魔系スーパーナチュラル・ホラーですが、
本作はそこに「ブラッディ・マリー」や「ブギーマン」(箪笥のおばけ)といった、
都市伝説的な要素が加えてあり、興味深いです。
悪魔なんて言われても、多くの日本人にはピンときませんが、
都市伝説が絡めてあることで、より身近に感じることができます。
まぁ「ブラッディ・マリー」が日本で浸透してるとは思いませんが、
幽霊ということでは「花子さん」や「カシマレイコ」と同じようなものだし。
クリスティの"見えないお友達"も、国籍問わずけっこう一般的な現象です。

ただ、後半は魔女や悪魔の儀式の話になってくるので、ちょっとトーンダウン…。
ラストの恋人デニスの殺され方も、エクソシスト系ホラーのようで、あまりに不自然。
フェイク・ドキュメンタリーとしては、あそこまで超自然的な殺し方はいけません。
(表向きは事件に巻き込まれて殺されたように見えないと成り立たない。)
ボクにとっての本作のピークは、ケイティがトビーに襲われるところでした。
それ以降はあまり面白くもなければ怖くもなかったです。
結局このトビーが、後に大人のケイティに憑りついた悪魔ってことでいいのかな?
でもトビー自体は人を殺すような悪い悪魔(霊?)という感じは受けないので、
なんだか釈然としないものが残りますが、その真相は次回作でってことでしょうか。
でもシリーズを重ねるごとに前日譚になるので、次は魔女の儀式が始まった30年代かな?
でもそのころはビデオカメラなんてないし、フェイク・ドキュメンタリーは成立しません。
本作は3部作完結編で、一応完結したということでいいのかも。
クリスティの子ども、ハンターの行方が気になりますが、
あやふやなことが味になるのがフェイク・ドキュメンタリーの利点です。

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