ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

モンスター上司

ボクはハリウッド映画の情報は、日本公開が決まる前からチェックしているので、
日本公開のために後から付けられた邦題よりも、原題の方に思い入れがあります。
なので邦題は、なるべく原題のままにするか、直訳が理想だと思っています。
でも実際は、日本独自の変な邦題を付けられることも多くて…。
最近では『ミッション:8ミニッツ』が酷い邦題だなと思いました。
この映画は「8分間の指令」がメインのように誤認させる悪い邦題です。
『ラスト・ターゲット』や『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』も酷い邦題です。
きっと原題のままの方が、日本でもヒットしたんじゃないかと思われます。

でも稀に素晴らしい邦題だなと感心する作品があります。
最近だと『ファイナル・デッドブリッジ』なんて、内容を端的に表したいい邦題です。
よく便乗されていますが、それもいい邦題だからでしょう。
近年で一番お気に入りの邦題は『マイレージ、マイライフ』。
内容にもバッチリで、語感も気持ちいい、原題以上に素晴らしい邦題です。
でもだからといって日本でヒットできるわけでもないんですが…。
結局日本でもヒットするのは原題そのものか、近い邦題のものが多い印象です。

ということで、今日はなかなか上手い邦題が付いた映画の感想です。
原題の『Horrible Bosses』も語感は悪くないですが、日本では伝わりにくい。
ほぼ直訳同然の意味でありながら、日本独自のスラングで表現したこの邦題は、
原題よりもインパクトがあり、会心の邦題だと思います。

モンスター上司

2011年10月29日日本公開。
豪華キャストによる過激なブラック・コメディ。

毎日のようにウンザリする仕事をしているニック、カート、デイルの3人は、それぞれのどうにも耐えられない上司を葬り去れば、少しはマシになると考えるようになる。彼らは怪しい雰囲気の酒好きな元詐欺師のアドバイスを受け、絶対に成功する“上司排除計画”を遂行するが、最高の計画だったはずなのに穴だらけで……。(シネマトゥデイより)



人生の半分は仕事だから、上司がどういう人かってのは
人生のかなり大きな部分を占める重要な要素です。
上司がいい人ならすごく幸運なことだと思うけど、なかなかそんなことはなく、
ボクも呪殺してやりたいと思う上司は何人もいました。
本作はそんな嫌な上司をぶち殺す計画を実行しようとする痛快な物語です。
…と言いたいところですが、そんなクライム・サスペンスではなく、
あくまでコメディなので、逆に計画を立てた部下たちが泥沼に嵌まっていく話。
本作の主人公の部下3人は、相当完全犯罪に向かないタイプなので、
彼らの危うい上司排除計画の実行をヤキモキしながら見守る作品です。
だから期待していたような痛快感は得られません。

本作には3タイプのモンスター上司が登場します。
そのそれぞれの直属の部下である主人公たち3人が、
その上司を殺そうと考えるわけですが、殺したいと思うことはあっても、
実際に殺すとなると、よほど酷い境遇じゃないとそこまでには至りませんよね。
その3人の上司と3人の部下によるそれぞれのケースについて、
ひとつずつ感想を書いていきたいと思います。

金融会社に勤めるニック(ジェイソン・ベイトマン)は、
出世のために朝6時に出社し、毎日12時間働いています。
上司のハーケン(ケビン・スペイシー)は昇進をチラつかせながら、
そんなニックをいびりながらこき使います。
ハーケンは「部下は奴隷だ」と公然と言う、典型的なパワハラ上司です。
ただ、ニックは本作の主人公3人の中では一番まともな男ですが、
ちょっと迂闊すぎで、なんだかんだでハーケンからいびられる隙を自分で作っています。
遅刻するのもそうだし、祖母を変な呼び方するのもそうです。
その迂闊さから、後の計画時には現場を離れる時にスピード違反をしてしまい、
かなりピンチに追い込まれてしまうほどです。
ハーケンじゃなくてもとてもじゃないが彼を昇進させるのは賢明とは思わないでしょう。
ただこのハーケンは、モンスター上司なんてかわいらしいものではなく、
リアルにモンスターな超危険人物であることが後々判明します。
モンスター○○とか言われる人は、精神疾患がある可能性が高いらしいけど、
彼はまさにそうで、かなりのサイコ野郎です。
ニックも今までいびられる程度で済んでいたことを感謝するべきですね。

歯科助手のデイル(チャーリー・デイ)は、
上司の淫乱女医ジュリア(ジェニファー・アニストン)のセクハラを受ける毎日。
肉体関係を要求して挑発してくるジュリアに耐える日々です。
ジュリアはセクシーな女医さんなので、ある意味願ってもない状況なのですが、
デイルには婚約者がおり、どんなに誘惑されても絶対に手は出せません。
ドジでマヌケでそれほどモテるようなタイプでもなく、なぜ誘惑されるのか不思議ですが、
その貞操観念だけは立派です。
そんな彼はジュリアのセクハラが苦痛で仕方ないのですが、
過去に酔って公然わいせつしてしまった性犯罪歴があり、
今の仕事を辞めてしまったらどこにも雇ってもらえない虞があります。
それは開業医のジュリアを殺してしまっても無職になるのは同じことだと思うんだけど、
とにかくアホなので、そんなことには気づかないみたいです。
ラストにある手段で、ジュリアのセクハラを封じることに成功するのですが、
殺そうなんて考える前に、その方法使えば早かったのに…、と思いました。
そんな一見不条理なところも、彼のアホさならあり得るかなと思います。
このケースが一番なんてことないように思えるけど、それは「逆セクハラ」だからで、
デイルとジュリアの性別が逆なら、一切笑えない、一番性質の悪いケースです。

製薬会社で経理を担当するカート(ジェイソン・サダイキス)は、
社長から目をかけてもらい、いずれは会社を継がせてもらえそうだったのだが、
その社長が急死し、バカ息子ペリット(コリン・ファレル)が会社を継いでしまいます。
ペリットはヤク中のどうしようもないダメ社長で、会社を私物化し、
気に入らない社員(デブや身体障害者)を解雇し、環境廃棄物も垂れ流します。
殺すまでもなく自滅しそうなバカですが、その前に会社が倒産するか…。
しかしカートもペリットに負けじとどうしようもないやつで、
脳みそが下半身にあるような女にだらしないダメ男。
主人公3人の中でも実はアホのデイルにも勝る一番問題児だと思います。
こんな男を出世させたら、女絡みで絶対失敗するのは目に見えているし、
彼を重用した先代社長も、人はいいが無能だと思います。
そもそもバカ息子を縁故入社させるような経営者が有能なはずないです。

という具合に上司3人も酷いが、部下3人も大概な奴ばかり。
そんな3人が上司排除計画のために頼ったのが、怪しいバーで飲んでいた怪しい黒人、
"マザーファッカー"・ジョーンズ(ジェレミー・フォックス)です。
名前からしてかなり痛い人ですが、彼はヤバい仕事で10年間パクられていたんだそうで…。
そのヤバい仕事とは、実は殺人ではなく、かなりアホらしい罪で笑いました。
そんなことで10年もパクられるんですね。
日本でも10年以下の懲役、もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。
(何度も聞いたフレーズなので覚えてしまいました。)
かなり重い罪なので気を付けないといけませんね。

そんな彼を殺し屋だと勘違いした3人は大金を払って殺人コンサルタントを受けます。
彼の助言で交換殺人することを思い立つが、3人は殺す相手を交換するだけで、
交換殺人のメリットであるアリバイ作りを一切しません。
つくづく犯罪に向いてない3人だと思います。
まぁ交換殺人自体、実行する前にアクシデントで中止になるのですが…。
ジュリアはともかく、ハーケンとペリットが殺されることに期待したけど、
計画が上手くいくことよりも、主人公3人がドジ踏まないかが気が気じゃないです。

最後まで計画は何ひとつ上手くいかなかったけど、最終的には円満に解決したので、
痛快感はなかったけど安心感を得て劇場を後に出来ました。
ブラック・コメディだけど、それほどエグいないようではなく、
ハラハラドキドキできて、けっこう笑える、ポップな喜劇だと思います。
「上司に悩まされているすべてのサラリーマンに贈る痛快復讐コメディ」とか、
「立ち上がれ、世界中の部下たちよ!」なんてキャッチコピーが付いていますが、
むしろ本作は部下よりも上司の立場の人が鑑賞して、
「自分を殺したいと思っている部下がいるかも」と自覚してもらえるといいかな。
殺されはしないかもだけど、カートがペリット邸でやった嫌がらせくらいは、
知らず知らずのうちにやられてるかもしれません。
部下にもモンスターはけっこういますよ…。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/575-0893ac86
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad