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ミッション:8ミニッツ

公開中のハリウッド映画『ミッション:8ミニッツ』には、
「このラスト、映画通ほどダマされる」というキャッチコピーが付いています。
なんとなく挑戦的な印象のキャッチコピーで、どんなラストか期待が煽られますね。
ボクはここ数年は並みの映画評論家よりも映画を観ているつもりだし、
感想(レビュー)の執筆本数も、下手な映画ライターよりも多いと自負しています。
しかし「映画通」になれたかと言えば、まだまだその域には達してないと自覚しています。
映画オタクと自称するのもおこがましいくらいで、せいぜい映画ファンってところです。

だけど残念ながらボクの映画トークに付いてこれる知り合いが(1人しか)いません。
そこで自分の映画の知識が一般的にどの程度のものなのか確かめるために、
今年こそキネ旬主催の「映画検定」を受けようと思っていたのですが、
残念ながら受験日(先月10日)の予定が合わず…。
その日は映画観に行っていたので、ある意味受験する人より映画好きなのかも?
受けられなかったけど、自分としては3級相当の実力はあると思ってます。
でも2級以上はテキスト買って受験対策しないとダメなようなので、
勉強して受けたら力試しにはならず、ボクにとってはあまり意味がないかな。

ということで、今日は映画通なのかを判定するリトマス紙的な映画の感想です。
本作でダマされた人は映画通かも?

ミッション:8ミニッツ

2011年10月28日日本公開。
『月に囚われた男』のダンカン・ジョーンズ監督の第2作となるSFサスペンス。

シカゴで乗客が全員死亡する列車爆破事故が起こり、事件を解明すべく政府の極秘ミッションが始動。爆破犠牲者が死亡する8分前の意識に入り込み、犯人を見つけ出すという任務遂行のため、軍のエリート、スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)が選ばれる。事件の真相に迫るため何度も8分間の任務を繰り返すたび、彼の中である疑惑が膨らんでいく。(シネマトゥデイより)



シカゴ近郊で列車爆破テロが起こるが、それはその後にシカゴ中心街で起こる
さらに大規模な爆破テロの警告であった。
軍は次なる大規模テロを未然に防ぐため、開発中の極秘実験"ソース・コード"を使用する。
ソース・コードとはテロ犠牲者の生前8分間の記憶をプログラム化し、
列車テロ直前の状況をバーチャルで再現し、そこに被験者を送り込むことで、
列車内にいたであろう爆弾魔を特定しようというもの。
その被験者に選ばれたのが、主人公スティーヴンス(ジェイク・ギレンホール)です。

列車テロの犯人が特定できるまで、犠牲者の最後の8分間を何度も繰り返すという、
いわゆるループものですね。
都合8~10回程度ループすることになり、その都度、真相に迫っていくという感じです。
ループものは日本でもゼロ年代に量産されたジャンルのひとつですが、
出来、不出来の差が激しく、なかなか取り扱いの難しい世界観だと思います。
その点では本作は、あまりうまくループを使えてるとは言えないかな…。

というのも本作は、ループする列車テロの犯人探しがメインではないのです。
このテロ事件の真相はとても単純で、早くも2周目にして爆発物を発見したりと、
とんとん拍子で解決に向かい、真相も全く意外性のないものです。
よく出来たループものだと思って観ると、ちょっと拍子抜けするでしょう。
本作の主要な謎は、テロ事件の真相ではなく、主人公の身の上です。

陸軍大尉の主人公スティーヴンは、アフガンで戦闘ヘリを操縦していたはずだけど、
気が付くとコクピット型の密室に座らされています。
始めは自分の身の上に何が起こっているかわからないスティーヴン。
目の前のモニターに映るグッドウィン大尉(ヴェラ・ファーミガ)との会話で、
どうやら自分がいつの間にか「包囲された城」という場所に連れてこられ、
開発中のテロ対策実験ソース・コードの被験者となっており、
強制的にテロの犯人探しに協力させられていることが徐々にわかります。
しかし、なぜアフガンにいたはずの自分がここにいるのかは教えてもらえず…。
そんな状況なので、途中から彼はテロの犯人探しよりも、
自分の状況を確認することにバーチャル世界を使うようになり、
自分の置かれている状況も徐々にわかってくる、というのが物語のメインです。
まぁこの謎も中盤過ぎには明らかになるんですけどね。

たしかにキャッチコピー「このラスト、映画通ほどダマされる」の通り、
映画通はダマされるというか、予想外な展開を見せる作品かも。
というのも、映画通は深読みしすぎますからね。
現実、包囲された城、バーチャルの列車内と、重層的(3重)な世界観で構成され、
さらにパラドックスも絡んでくる一見ややこしい、映画通好みの設定です。
ですが、展開はシンプルそのもの。
本作に謎解きの要素はなく、列車の乗客の誰が怪しいんじゃないかとか、
さらに深読みして、主人公自身が一番怪しいとか、考えるだけ無駄です。
次々と新しい事実が提示されるだけで、伏線となるものの存在もなく、
ゆえに推理する余地は始めからありません。

でも、伏線に見せかけたものは沢山あり、映画通を惑わそうという意図はあるようです。
というか、観客が無意味な推理をしてくれることを期待している様子。
いろいろ推理(深読み)させておいて、結局何もないということで、
キャッチコピー通り観客はダマされたと感じるだろうという狙いでしょう。
それにこんなキャッチコピーで挑発すれば、映画通ではない観客でも、
普段よりも深読みしてくれるはずと目論んでいるのでしょう。
逆に何の推理も深読みもされないと、単なる出来の悪いループもので終わり、
観るべきところがない作品になってしまう綱渡りな趣向です。

でもそれは概ね成功したようで、他の映画のときよりも、
エンドロール終了までほとんどの人が席を立たなかったところを見ると、
みんな最後の最後まで「これで終わりではないだろう」と深読みし、
「どんでん返しがあるのでは?」と期待していたんだろうと思います。
しかし見事にダマされ、本当に何もないまま幕を閉じてしまいました。
特に映画通なら、この監督の前作『月に囚われた男』も当然観ていると思いますが、
その作品のようなどんでん返しを予想していたら、肩透かしを食らいます。

でもそれは予想外だけど、期待ハズレということでもあり、
物足りなく思うのも確かなのですが、不思議と鑑賞後感は悪くありません。
それはきっと、これ以上ないハッピーエンドのままで終わったからでしょうね。
終盤はずっと鬱な展開になるどんでん返しがあるのではないかと危惧していたので、
ハッピーなままで終わったことで、ある意味ホッとしました。
まぁディズニー映画なので、バッドエンドになる可能性はまずないんですが…。

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