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三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

TOHOシネマズの全国7サイトで実験的に導入していた新料金体系が、
あまりいい効果が得られなかったようで中止されることになりました。
その新料金はレディースデイ、シニア料金など各種割引はなくなるものの、
一律1500円、会員割引やネット割引を合わせると一律1200円で鑑賞できるというもの。
映画は定価1800円が普通なので、一見素晴らしい料金体系に見えますが、
日本映画産業統計によれば去年の平均入場料金は1266円で、
律儀に1800円払う世間知らずな客は全体の1割しかおらず、
全体の6割は割引制度などを利用し1000円で鑑賞しているそうです。
それが割引制度廃止されて一律1500円になったら実質値上げですよね。
お客さんはバカではなかったようで、そのことを敏感に察知し、
他社の映画館に流れてしまったようです。

そんな新料金が失敗することは導入前からわかりきっていたことですが、
各社横並びでカルテル同然だった映画料金に一石を投じようとした
TOHOシネマズのチャレンジは評価したいです。
できれば実質値上げじゃなくて、値下げの方で差別化を図ってほしいけど…。

ということで、今日はTOHOシネマズで鑑賞した映画の感想です。
3D映画ですが、1円でも安く観たいので2D版を観ました。

三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

2011年10月28日日本公開。
冒険活劇『三銃士』を、ポール・W・S・アンダーソン監督が映画化したアクション超大作。

17世紀フランス、銃士にあこがれを抱きパリにやってきたダルタニアン(ローガン・ラーマン)は、気が強く向こう見ずな性格が功を奏したか、あることがきっかけで三銃士の仲間入りを果たすことに。その後、フランス国王側近の裏切りで奪われた王妃の首飾りを取り返すため、イギリスへ向かうことになるが、彼の前には事件の鍵を握るバッキンガム公爵(オーランド・ブルーム)と正体不明の美女ミレディ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が立ちはだかる。(シネマトゥデイより)



「○○四天王」みたいな言い回しの3人版で「○○三銃士」なんてよく聞きますが、
その元ネタである『三銃士』のことはほとんど知りませんでした。
三銃士の登場する作品は『仮面の男』など数本見たことがあるので、
中世フランスの騎士だってことくらいは知ってましたが、
19世紀にアレクサンドル・デュマの書いた『三銃士』についてはさっぱりです。
三谷幸喜のNHK人形劇『新・三銃士』は見ようと思ったのですが、
この歳になるまで知らないだけあって、あまり興味がなかったようで、
1話だけ見て次週からはすっかり忘れてしまっていました。
でも、誰に聞いても『三銃士』についてまともに答えられる人はいなかったので、
日本人ではそんな人も多いみたいですね。

そんな『三銃士』が3D超大作として独仏英合作で映画化されると聞いても、
「なぜ今更?」という感じで、あまりピンとこなかったのですが、
『バイオハザード』のポール・W・S・アンダーソンが監督ということで興味が湧き、
あまり期待せずに観に行きました。
でも、意外と楽しめてしまい、同時に『三銃士』にも興味を持ちました。
なんで今までの『三銃士』関連の作品は面白いと思えなかったのか不思議です。

『三銃士』の主人公は三銃士ではなく、銃士になるため上京してきた若者
ダルタニアン(ローガン・ラーマン)なのは知っていましたが、
本作はそんなダルタニアンよりも、ましてや三銃士よりも、
敵サイドのオーランド・ブルーム演じるバッキンガム公爵や、
ミラ・ジョヴォヴィッチ演じる女スパイ・ミレディを前面に出した宣伝を展開しています。
まぁ三銃士の3人や、まだ駆け出しのダルタニアンのキャストと比べると、
オーリーやミラジョボの方が知名度も集客力もありますからね。
でもこれはひとつの懸念でもあって、せっかく『三銃士』を観に来たのに、
三銃士があまり出ないのではちょっと期待ハズレです。
でもそれは杞憂で、やはりダルタニアンと三銃士の活躍が中心でした。

17世紀の内憂外患のフランスが舞台ですが、本作は内憂の問題が中心。
オーリー演じるバッキンガム公爵は英国貴族なので、思ったほど出番はなく、
物語のキーマンであることは間違いないが、三銃士相手に剣を振るうでもなく、
むしろ二重スパイのミレディにいいように利用される少々情けない役です。
というのも、本作では顔見世程度の登場だったようで、
彼の本領発揮は次回作以降にお預けといった感じです。
『三銃士』自体が長いダルタニアンの物語のほんの導入の部分なので、
シリーズ化を織り込み済みのオーリー起用だったのでしょう。
もっとも、次回作が作られるかは本作の成績次第ですが…。

アトス(マシュー・マクファディン)、アラミスアラミス(ルーク・エヴァンス)、
ポルトス(レイ・スティーヴンソン)からなるフランスの英雄・三銃士は、
ベニスでレオナルド・ダ・ヴィンチが描いた新兵器・飛行船の設計図を手に入れる。
しかしアトスの恋人ミレディの裏切りで、設計図がバッキンガム公爵に横取りされる。
その失態で財政難のフランス王室から仕分けされ、ほぼリストラ状態になる三銃士…。
その間に、権力掌握を企てるリシュリュー枢機卿(クリストフ・ヴァルツ)が、
若い国王ルイ13世(フレディ・フォックス)を懐柔し、傀儡政治を始めていた。
国王の近衛兵である三銃士は、リシュリュー枢機卿が実権を握ったことで、
枢機卿の護衛隊ばかりが重用されることが気に入らず、ヤサグレていた。
17世紀にはまだ飛行船なんて発明されてなかったらしいけど、
「ダ・ヴィンチが設計した」と言われると、あの天才ダ・ヴィンチなら作れそうで、
なんだかあってもおかしくない気になります。
飛行船自体よりも、その装備である銃火器がすごいことになってます。

銃士に憧れ田舎から上京してきた血気盛んな若者ダルタニアンは、
枢機卿の護衛隊ロシュフォール隊長(マッツ・ミケルセン)ともめ事を起こし、
あやうく殺されかける。
そのことでロシュフォール隊長に恨みを持つようになったダルタニアンは、
護衛隊が気に入らない三銃士と意気投合し、行動を共にするようになる。
バッキンガム公爵でもなく、ミレディでもなく、
意外にもこのロシュフォール隊長が本作の主要な敵となります。
なのに2人のスターのせいで、なんか地味な感じがしますね…。

リシュリュー枢機卿はイギリスとの戦争を画策し、2重スパイのミレディを使い、
フランス王妃アンヌ(ジュノー・テンプル)と英国貴族バッキンガム公爵の
姦通をでっち上げ、国王ルイ13世を嫉妬させ、英仏の和平を潰そうとします。
罠に嵌められたと気付いた王妃は侍女コンスタント(ガブリエラ・ワイルド)を遣わし、
国王の誤解を解くべく、三銃士とダルタニアンをイギリスに乗り込ませ、
姦通の偽りの証拠であるダイヤの首飾りの奪還を依頼する、…という話です。

若い国王ルイ13世はアンヌ王妃のことをとても気に入っているのですが、
政略結婚だったので相手も自分が好きでいてくれているか、気持ちを図りかねています。
枢機卿の傀儡だから、どんなバカ殿かと思ったけど、意外と人間的ないい王様です。
国王はその恋の悩みを同年代のダルタニアンに相談します。
しかしダルタニアンも、王妃の侍女コンスタントにアッタクを繰り返すも、
田舎者と相手にされないような男で、2人とも恋には不器用です。
このサエないティーンエイジャー同士の身分を超えた友情というか、
なんだか微妙な関係のボーイズトークが可笑しかったです。
ルイ13世は史実でも嫉妬深い性格だったようです。
ダルタニアンもそうですが、リシュリュー枢機卿も実在した人物らしいですね。
けっこう史実を基にした物語だったんですね。

最後にミラジョボ演じるミレディですが、さすが監督の奥さんだけあって、
活躍するシーンも無駄に多く、ちょっと贔屓されているような印象です。
とにかく色んな場面に絡んでくるのですが、イマイチ彼女の目的がわかりにくいです。
一応、枢機卿がイギリスに送り込んだ二重スパイという立場で、
英仏双方に堂々と出入りできるのですが、枢機卿の不利になることもするので、
三重スパイなのかもと思ったり…。
でもやはり枢機卿の命令を最優先しているようで、もうよくわかりません。
なんの目的意識もなく、色々顔を出して、状況を攪乱させるだけの存在に思えます。
とりあえずニラジョボの出演シーンを増やそうという意図なのかもしれません。
悪女だけど心底悪人というわけでもなさそうで、オイシイ役です。
セクシーなシーンもあるけど、どうせならもうちょっと若い女優の方が…。
ミラジョボのアクションは『バイオハザード』シリーズだけで満足です。

基本は原作の『三銃士』を踏襲しながらも、飛行船などを登場させ、
中世が舞台のスチームパンク風ファンタジーに仕上げてある本作。
ハリウッド映画にも引けを取らないスケールの大作で、なかなかの快作だと思います。
しかしアメリカでの評価はかなり低いようで…。
なぜだかはよくわかりませんが、アメリカ人も『三銃士』には興味ないのかな?
それともボクは2Dで観たけど、3Dの視覚効果の出来があまりよくなかったのかも?
続編が作られるかはヨーロッパでの成績にかかってますが、
ボクとしては是非作ってほしいと思います。

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