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リミットレス

ミニシアターでたまに見かけるんですが、
メモを取りながら映画を見ている人っていますよね。
たぶんボクみたいに映画の感想や批評を書いて投稿でもしてる素人さんか、
もしかしたらプロの映画評論家なのかもしれませんが、
傍で見ていると、なんか偉そうな印象を受けます。
別に迷惑なわけでもないし、お金払ってるんだから好きにすればいいけど、
なんか斜に構えて、端から映画を楽しむつもりがないように見えるし、
そんな人と一緒に映画観たくないって思っちゃうんですよね。
ボクもこうして感想を投稿するのが趣味なので、メモがあれば便利と思うのですが、
周りの目が気になって、そんなみっともないことできません。

だからメモしたいことがあったら、とにかく頭の隅に焼き付けます。
イメージとしては脳の一部がメモ帳のようになっていて、
別ウインドウで開きながら映画を観ている感覚。
これを続けていると、脳も慣れてくるのか、今ではかなりの量のメモが記憶できます。
その後、感想を書くなどアウトプットすると、いつの間にか忘れてしまいます。
まぁ実際にメモを取るのに比べたら全然脆弱ですが、それなりに便利です。
我ながら、脳の適応能力ってすごいなと思います。

ということで、今日は脳が大変なことになる物語の感想です。

リミットレス

2011年10月1日日本公開。
ベストセラー小説『ブレイン・ドラッグ』が原作のサスペンス。

スランプに陥り恋人も去ってしまった作家のエディ(ブラッドリー・クーパー)は、元妻の弟から脳が100パーセント活性化するという新薬「NZT48」を手に入れる。薬を服用するや一晩で傑作小説を書き上げた彼は、さらにビジネス界にも進出して株取引や投資で大成功を収める。瞬く間に財界の頂点へと駆け上がっていくエディだったが、やがて薬の副作用に苦しめられ……。(シネマトゥデイより)



色男ブラッドリー・クーパー主演の本作。
『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』で大ブレイクした彼ですが、
ついに単独主演張れるクラスになったんですね。
しかも本作は全米ナンバー1にもなってるし、人気は本物です。
ボクもけっこう好きなハリウッド俳優なのですが、
本作の彼は、どうもあまり共感できない役柄で、正直ちょっと期待ハズレでした。
でも当初予定されていたシャイア・ラブーフに比べれば、10倍よかったかな。

小説家志望のエディ(ブラッドリー・クーパー)だが、出版契約があるにもかかわらず、
ここ数カ月1行も書けない日々が続いており、ついに彼女にも愛想を尽かされます。
そんなある日、元妻の弟ヴァーノン(ジョニー・ホイットワース)と偶然再会し、
彼に仕事の悩みを相談すると、彼から謎の錠剤「NZT48」を渡されます。
NZT48は普段2割しか使われていない脳を、最大限使えるようになる薬で、
それを飲んだエディは、一晩にして傑作小説を書きあげてしまいます。
しかし翌日目覚めた時には、薬の効果は切れていたため、
エディは再びヴァーノンに会いに行き、彼の家から大量のNZT48を持ち出す、…という話。

NZT48、なんだか秋元康プロデュースのアイドルグループのような名前の薬ですが、
これを服用すれば、今まで無意識にでも見聞きしたことのある情報なら、
完璧に思い出すことが可能になるという効能があります。
人間は思い出せないだけで、一度見聞きしたものは覚えているって言いますが、
それを活用できるスマートドラッグの一種で、かなり便利な薬です。
簡単に言えば頭が尋常ではなく賢くなる素晴らしい薬なので、
サルにでも与えようものなら、あっという間に猿の惑星になりそうなほどです。
そんな素晴らしくて、可能性は無限大の薬ですが、主人公エディは使い方が悪すぎます。
というか、頭がすごくよくなっている割には、短絡的でバカ丸出しな使い方です。

まず誰でも思うのは、どこが製造しているのか全く不明で、入手不可能な薬だから、
使い続ければいつかはなくなるのがわかりきっているのに、その対策が甘いです。
ふつうなら、せっかく良くなった頭で、もっと薬のことを調べるでしょうが、
彼は自分の賢さをただ単純に金儲けに利用するだけです。
具体的には投機的な商取引、マネーゲームで稼ごうとするのですが、
たしかに短期的には稼げるかもしれないけど、あまり賢い稼ぎ方ではないです。
それに昨今のウォール街のデモなんかでもわかるように、
投資家なんてのは尊敬もされない下賤な職業だし、あんな金転がしはボクも大嫌い。
せっかく小説家なんだから、執筆時だけ薬使って傑作小説バンバン書けば、
薬の節約にもなるし、印税で一生安泰、社会的にも尊敬されます。

まぁそれだと物語的には盛り上がらないとは思いますが、
マネーゲームで稼ぐという本作の展開は、本当に賢い薬の使い方を提示できないために、
稼ぎ方に理屈のないマネーゲームに逃げたんじゃないかと思うんですよね。
とにかく頭がいいはずなのに、頭の悪そうな使い方なので、リアリティが薄いですが、
実際に頭がいいくせに金転がしになってる残念な人もいるし、一概にはいえないかな?
しかしエディは、最終的にはアメリカ大統領目指して政治家になってるんですよね。
金儲けが目的のくせに、政治家になんかなったらそんなに儲かりませんよね。
アメリカ大統領なんて年収40万ドルくらいらしいし…。
結局は名誉の方が欲しかったってことなのかな?
なんかやってることがチグハグで一貫してない印象です。

でも一番気に入らないのは、ハッピーエンドで終わっていることです。
反則的に便利な道具を私利私欲のために使えば、罰が下るという展開がふつう。
というか『ドラえもん』ではお約束の展開ですが、それが道徳というものです。
主人公に死んでほしかったとは言わないが、破産するとか、社会的信用を失うとか、
なんらかの痛い目にあって終わってほしかった。
「めでたし、めでたし」では収まりが悪すぎます。
そもそもこの薬自体も、用法用量を誤れば記憶障害を起こし廃人同然になるけど、
節度を持って使えば、それほど害はなく、デメリットが少なすぎます。
こんな秘密道具はハイリスク・ハイリターンが物語の基本ですよ。
そうでないと面白くありません。

脚本は気に入らないところだらけでしたが、演出はなかなか面白く、
脳が活性化した時のVFXには見ごたえがありました。
特に薬を使用して小説を書く時に、文字通り言葉が降ってくるような演出はよかったです。
自分の分身が見えるようになる演出は、ちょっと意味がわからなかったけど…。
あと、ブルース・リーの映画を思い出して、ケンカが強くなるところも、
賢くなるだけじゃなくて何でもアリか?と思ったけど、単純に楽しかったです。
(3日でピアノがマスターできるのも、頭がいいのとは関係ないよね。)
文句もいっぱいあるけど、悪い作品ではなく、NZT48自体のアイディアは興味深いし、
もう少しヒネればかなり面白い映画になる可能性のある作品だと思いました。

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