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とある飛空士への追憶

日本のアニメ映画はテレビアニメの劇場版が多すぎます。
日本の実写映画もドラマの劇場版が多いけど、アニメ映画の劇場版比率は高すぎます。
しかも深夜にやってるようなマニアックなアニメの劇場版が増えてきてます。
ボクはアニメ映画が好きなので、たくさん観たいのですが、
深夜アニメを見る習慣がないので、なかなか観れるアニメ映画がなく寂しいです。
結局その欲求は海外のオリジナルのアニメ映画に向くのですが、まだ数が少なく、
日本の劇場オリジナル作品ももっと観たいです。

まぁボクが深夜アニメを見るのが手っ取り早いとは思うのですが、
劇場版になるアニメって、どちらかというと萌えアニメが多いでしょ?
萌えアニメならまだしも、パンチラアニメの比率が高い気がします。
そんなの例え本放送見たとしても、劇場版に足を運ぶ根性はないです。
てか、そんなの余裕で観に行ける人っているの?
OVAに箔付けるために、とりあえず劇場公開してみてるだけ?
でも、『けいおん!』は観に行ってみるつもり。
まだテレビアニメの方は見てないけど、おいおい借ります。

ということで、今日は劇場オリジナルアニメの感想です。
まぁ劇場オリジナルであればなんでもいいってことでもないです。

とある飛空士への追憶

2011年10月1日公開。
マッドハウス制作、犬村小六の長編小説をアニメ映画化。

中央海という海を挟み、神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の両国は、常に激しい戦闘を展開していた。そんな中、レヴァーム皇国の飛空士シャルルは、次期皇妃ファナを水上偵察機に乗せ、婚約者のカルロ皇子のもとへ送り届けるという極秘にして重大な任務を任される。(シネマトゥデイより)



身分違いの恋のようなものを描いた戦争アニメですが、なんだか妙に古臭いです。
ストーリーもそうですが、キャラクター・デザインも戦争アニメでよくある絵柄。
ライトノベルとしてはとても人気のある原作らしいので、映画化したのでしょうが、
なにも目新しいところはなく、劇場公開するほどでもない(OVAで十分な)作品でした。

神聖レヴァーム皇国と帝政天ツ上の戦争が長引く中、
レヴァームの飛空士シャルル(声:神木隆之介)は、その飛行技術を見込まれ、
次期皇妃ファナ(声:竹富聖花 )をレヴァーム皇子の護送する極秘任務を受ける。
途中、敵国天ツ上の艦隊や最新鋭戦闘機「真電」からの襲撃を受けながらの2人旅。
シャルルとファナ皇妃は次第に惹かれあうように…、という話です。
本当にこれがすべての超ベタな身分違いのロマンスです。
不時着した無人島でのエピソードなんて、あまりにお決まりの展開、
お決まりのハプニングで、観ていて小っ恥ずかしくなります。
こんな何のヒネリもないありきたりのものを、臆面もなく劇場公開するとは、
「マッドハウスのアニメ」というブランドの自信、或いは驕りによるものじゃないかな?
(ただ思ったほどブランド力はなかったようで、初登場15位のお寒い滑り出しでした。)

ロマンスだけでなく、世界観や設定も不出来です。
レヴァームや天ツ上の戦争という設定でもわかるように、
本作は仮想世界が舞台のファンタジーとなっています。
ふたつの大陸があり、西がレヴァーム、東が天ツ上の領土です。
しかしなぜかファナ皇妃の所領サン・マルティリアは東側にあるんですよね。
そんなのどう考えても天ツ上の標的になって当然です。
レヴァーム皇子はファナ皇妃にプロポーズするが、婚礼は戦争終結させてからと考え、
戦地に出かけて行ったはずなんですが、どう考えても最前線はサン・マルティリアの方。
皇子はと言えば西側のレヴァーム領の王都にいます。
そんな危険な場所で時期皇妃を待たせておくなんておかしいでしょ。
レヴァームはかなり無能だが、そんな格好の標的であるサン・マルティリアを
1年以上も放置しておいた天ツ上もなかなか間抜けです。

この両大陸の間には大海原が広がってますが、
その真ん中に大瀑布(大きな滝)が走っており、海も東西に隔てられています。
いくらファンタジーとはいえ、これはリアリティが無さすぎます。
船旅ならすごい難関だけど、飛行艇の旅ではそれほど苦にもならず、
ほとんど活かされてない設定だし…。
ファンタジーといえば、この世界の飛行艇は、海水から水素を取り出し、
それを燃料にして飛べるという、超画期的なもの。
いわゆるスチームパンク風な世界観だけど、燃料以外の技術はショボく、
例えば武器は実弾兵器ばかりだし、レーダー機能は大したことなさそうで、
ちょっと技術にギャップがありすぎるというか、都合がよすぎるように思います。

基本的な技術レベルは第二次世界大戦をベースにしてると思います。
飛空機もその頃の戦闘機がモデルで、天ツ上の世界最強戦闘機「真電」は、
大日本帝国軍の最新鋭戦闘機がモデルになっているとのこと。
もちろん機動力は段違いでしょうが…。
このことからもわかるように、本作の敵国である天ツ上は、仮想日本として描かれます。
人種的にも文化的にも日本に近いようです。
レヴァームは単純に西側諸国がモデルって感じでしょうか。
(東洋人に対する侮りの酷さから、イギリスが一番近いかも?)
なんで日本のアニメ(ライトノベル)で、仮想日本が敵なんだって気もしますが、
戦力的にも文化的にもけっこう贔屓目に描かれているので、まぁいいかな。

主人公シャルルもレヴァーム人ではなく、レヴァームと天ツ上のハーフです。
レヴァームではハーフはベスタドと呼ばれ、強烈な人種差別を受けています。
この差別は制度的なものというよりも、選民思想といった感じで、
レヴァーム人のベスタドに対する扱いもイジメみたいなもの。
そんなレイシストのレヴァーム人に対してかなりムカつくんですが、
もっとムカつくのが、そんな差別受けてもラヴァームの指示通りに働くシャルル自身です。
奴隷根性が染みついていて、最後の最後までイライラします。
ファナ皇妃はレイシストではないとはいえ、
レヴァームの思惑どうりに、送り届けないでほしかったです。
敵の戦闘機「真電」に搭乗する千々石(声:サンドウィッチマン富澤)をはじめ、
天ツ上サイドの登場人物はレイシストはいなかったので、
シャルルも傭兵として働くなら天ツ上に付いた方がいいはずです。
なんにしても、遂行してほしくない任務の過程を描いた物語なので、
応援しようと思う気持ちにはなりませんよね。

ありきたりなロマンスである本作において、戦闘シーンは唯一の山場です。
でもそれもなんだかイマイチだったかなぁ…。
最近のアニメのメカニック関係はトゥーン・レンダリングが基本ですが、
これって動きは滑らかになるのはいいんだけど、
かなり丁寧に落とし込まないと浮いて見えるんですよね。
それにアニメ的なスピード表現が使えないので、イマイチ迫力が出ません。
これならフルCGIアニメにした方がいいんじゃないかとも思えます。
ついでに海上の空中戦というのは、風景も変わり映えがなく単調なものですね。

なにも褒めるところがないような本作ですが、強いていいところをあげるなら、
主要登場人物の声のキャストはよかったんじゃないかな。
いわゆるタレントの声優起用ですが、アニメ声優くさくなくて自然だし、
しかも言われなければ誰が声優だかわからない、我を抑えたいい声の演技です。
いや、演技自体よりも、そんなタレントを起用したキャスティングの功績ですかね。
ただ、せっかくの有名タレント起用も、あまり集客力のある人じゃなかったみたいで、
客寄せパンダとしては機能しなかったようです。
まぁ客が入らないのは内容の古臭さや地味さが一番の原因でしょうが…。

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