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一命

とんねるず石橋がテレビで「(元極楽とんぼ)山本を呼べ」と発言したことに、
山本恩顧の後輩芸人たち(ロンブー、品庄、ココリコ)が呼応するかのように、
ツイッターで山本の芸能界復帰へのラブコールを発信しました。
しかし世間との温度差は激しく、まだまだ復帰は厳しそうです。
ボクは山本は好きな方だったし、追放以来『めちゃイケ』も見なくなったくらいだけど、
それでもまだ復帰は早すぎる、…というか未来永劫復帰させるべきじゃないと思います。
影響力の大きい芸能人は一度不祥事を起こせば芸能界永久追放が当然。
特に暴行事件や薬物事件、あと暴力団への関与に関しては、
起訴・不起訴に関係なく厳しく対処するべき。
それが有名税というものです。
大麻を吸った某韓流アイドルや、暴行事件を起こした某韓国人格闘家も、
二度と日本のメディアに登場させるべきじゃないです。

ということで、今日は暴行事件を起こした芸能人の復帰主演作の感想です。
彼の場合は一応被害者でもあるし、相手も反社会的な輩だったわけですが、
それでもあまり是とはしたくないかな…。

一命

2011年10月15日公開。
滝口康彦の『異聞浪人記』を基に、三池崇史が監督を務めたヒューマンドラマ。

元芸州広島・福島家家臣の浪人、津雲半四郎(市川海老蔵)と千々岩求女(瑛太)。彼らは、各々の事情で生活が困窮していながらも、自分が愛する人との生活を願い、武家社会に立ち向かっていく。(シネマトゥデイより)



去年は時代劇映画の当たり年と言われ、10本前後の時代劇映画を鑑賞しましたが、
以外にも今年は、本作が今年初めて観た正統派時代劇映画となりました。
(『小川の辺』など、時代劇映画も公開されてないわけではないが、本数が少ない。)
そんな今年希少な本作ですが、時代劇の歴史にとてもメモリアル的な作品で、
おそらく時代劇史上、初のデジタル3D作品なのではないかと思われます。
さらにそのメモリアルはそれだけにとどまらず、
カンヌ映画祭コンペ部門史上初のデジタル3D作品でもあるのです。
(ちゃんと3D上映されたようです。)
主演のこととか、いろいろ思うところはありますが、
とりあえず映画ファンである以上は避けて通れない日本映画だと思います。

…なんて書いては観たものの、ボクは本作を3Dでは観てません。
日本の3D技術をまだそんなに信用してないし、
そもそも3D自体を一過性のものと思っているので、
なんでも3Dにすればいいってものじゃないと思っています。
特にカンヌに出品するような娯楽より芸術性の高い作品は…。
…と考えて、2Dでの上映の回で鑑賞したのですが、
この撮り方であれば3Dで観てもそれほど損はなかったような気がします。
特に武家屋敷の庭先のシーンは、空間を描くことを基調に撮られていて、
3Dで観たら能舞台さながらの臨場感があったのかもしれないと思います。
まぁ2Dで観ても、その感覚はそれほど低減するものではないでしょうが…。
あと、これは3D撮影のデメリットがたまたま功を奏しただけなのですが、
3Dカメラは超高価なので、日本の映画撮影では一台しか用意できず、
否が応でもワンカメでの撮影となります。(『海猿3』のような疑似3D映画は別です。)
なので必然的に長まわしになるのですが、それが本作のような静の作品には向いていて、
時代劇特有の侘び寂びというか、いい感じの無常観が演出できています。
これは3D撮影の恩恵ではありますが、もちろん2Dで観ても十分に享受できます。

さすがに『十三人の刺客』の三池崇史が監督しただけあって、
内容的にもカンヌ作品の割には娯楽性が強いです。
パルムドールは『ツリー・オブ・ライフ』に取られましたが、
あんな自慰映画に比べたら、数千倍面白い作品です。
とはいえ、普通の日本映画の中では、せいぜい"中の上"といったところでしょうか。
いろいろ興味深い部分はあるけど、イマイチ構成がよくないと思います。

太平の世、大名の取り潰しが相次ぎ、仕事を失った浪人たちの間で"狂言切腹"が流行する。
"狂言切腹"とは、裕福な大名屋敷に出向き、「切腹したいので庭先を借りたい」と願い出、
面倒を避けたい大名から職や金銭をせしめようというユスリ行為です。
ある日、大名井伊家の屋敷に、食い詰め浪人・津雲半四郎(市川海老蔵)が訪ねてきて、
「切腹したいので庭先を借りたい」と願い出る。
狂言切腹と考えた家老・斎藤勘解由(役所広司)は、半四郎を追い返そうと、
数か月前に当家に狂言切腹しにきた若い浪人(瑛太)が、
本当に腹を切らされる羽目になったという話を聞かせる。
しかし半四郎の気持ちは変わらず、斉藤は庭先を貸すことにするが、
いざ切腹となった折、半四郎はその若い浪人が自分の縁者であることを告げ…、という話。

大筋は興味深い話なのですが、序盤の家老・斎藤の話で、
切腹させられる羽目になった若い浪人・千々岩求女の顛末が明らかにされているので、
中盤の半四郎の千々岩求女の話は、同じことを角度を変えて語られているだけ。
すでに語られている千々岩求女が狂言切腹に及んだ理由を、
半四郎がもう一度詳しく語りなおしているだけなので、
予想どおりというか、二度手間というか、とにかく冗長感が漂います。
半四郎が当家で切腹を願い出た真意も、ふたりの関係が明らかになった時点で、
大方想像できちゃいますしね。
序盤の家老・斉藤の話がクライマックスであり、その後は惰性みたいなものです。
簡単に言えば、説明過多すぎるということですが、海外展開を視野に入れると、
これくらいじゃないと日本の時代劇は伝わりにくいのかもね。
まぁ説明不足の甚だしい『ツリー・オブ・ライフ』よりは親切でいいですが…。

でも構成はどうあれ、題材はとても面白いと思います。
「狂言切腹」という、武士道精神とは真逆の題材を扱った時代劇で、
ある意味では日本の誇る「サムライ」を否定する内容です。
普通なら切腹は、侍の誇りある潔い死に方として、美徳的に描かれることが多いけど、
本作は「切腹」も「狂言切腹」も、悲劇的なものとして描かれています。
切腹なんて言っても、自殺であることには変わらず、悲劇なのは当たり前ですが、
それが英雄的に描かれている日本の時代劇に対する皮肉のようで興味深いです。
半四郎は、浪人が狂言切腹しなくてはいけなくなるまで困窮するのは
侍という見栄を捨てきれなかったためだと悔恨するのですが、
もう世界的にも美徳とされる侍のプライドはズタズタです。
亜流の時代劇としては面白いけど、あまり国外には出したくないかも…。

なんだかんだあって久々に市川海老蔵の演技を見ましたが、
あいかわらずギラギラした目力が半端無いですね。
現代劇だと濃すぎるでしょうが、時代劇ではよく映えます。
それにしても、年齢的には同年代と言ってもいい瑛太と親子役で、
しかもそれがあまり不自然じゃないというのがスゴイです。
(まぁ親子と言っても娘婿なんですが…。)
市川海老蔵の持つ妙な貫録がそれを可能にしてます。
それだけに、くだらない事件で世間から反感を買って、
演技が正当に評価されないという事態は残念なことだと思います。
もちろん海老蔵を肯定したいのではなく、芸能人ならもっと素行に気を付けろってこと。
本作がカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞するか、
本人が男優賞でも取っていればまた状況は変わったでしょうが、
まだ暫くは芸能界に完全復帰とはいかないでしょう。
身内に甘い梨園で頑張るしかないです。

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