ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ツレがうつになりまして。

新型鬱病(ディスチミア)というものがあるらしいです。
普通の鬱病は、何事にも意欲を失ってしまう精神疾患ですが、
新型鬱病は、職場では激しく気分が落ち込むが、趣味には意欲的に取り組める状態。
なんとも都合のいい鬱病で、こんなのが病気と認められるなら、仕事嫌いな人は全員病気、
ボクもついに鬱病患者の仲間入りだな、なんて冗談で思っていたら、
最近マジの鬱病の症状が出始めて、ちょっと困っています。
精神的なものもそうですが、わかりやすところでは睡眠障害と摂食障害。
特に睡眠障害が酷くて、夜全然寝付けなくて困ります。
眠たいのは一日中眠たいのですが、いざ寝ようとすると全然眠りに落ちない…。
飲めないお酒を飲んでみても、全然効果ありません。
むしろその「寝ないといけない」と思うことがストレスになって余計寝れなくなります。

新型鬱病の人は本物の鬱病になる確率が高いそうなので、
そうなってしまわないように、現状で食い止めなければなりません。
そのためには趣味に執着し続けることが大事だと思い、
現時点での唯一の趣味である映画鑑賞に意欲的に取り組むようにしています。
ちょっと前まではもっと多趣味だったのに、今は映画くらいしか趣味はなく、
この最後の砦に意欲を失えば、いよいよ深刻なことになるかも…。
寝られないなら無理に寝ないで、起きて映画の情報収集などをするようにしてますが、
むしろ無理に寝ようと思っていた時よりも体調も楽になりました。
(最近頻繁にブログ更新しているのもそのため。)
単なる「甘え」にしか見えない新型鬱病は、理解されないし認めたくないけど、
自覚しておくのはいいことかもしれません。
まぁボクも診断されたわけでもなく、ただの不眠症の仕事嫌いかもしれないけど…。

ということで、今日は鬱病がテーマの作品の感想です。

ツレがうつになりまして。

2011年10月8日公開。
細川貂々のベストセラーコミックエッセイを映画化した感動ラブストーリー。

仕事をバリバリこなすサラリーマンの夫、通称ツレ(堺雅人)が、ある日突然、心因性うつ病だと診断される。結婚5年目でありながら、ツレの変化にまったく気付かなかった妻・晴子(宮崎あおい)は、妻としての自分を反省する一方、うつ病の原因が会社にあったことからツレに退職を迫る。会社を辞めたツレは徐々に体調を回復させていくが……。(シネマトゥデイより)



本作はエッセイ漫画が原作です。
最近は『ダーリンは外国人』や『毎日かあさん』など、
エッセイ漫画が原作の映画を観ることがありますが、
ボクはあまり面白いと思うことはありません。
簡単な理由としてはエッセイ漫画は主に女性の漫画家によるもので、
エッセイなので当然女性の視点から描かれているからでしょう。
なぜエッセイ漫画に男の作者が少ないかといえば、
おそらく自分の私生活を漫画にして切り売りすることに抵抗があるから、
それは男のやることではないと考えるからだと思います。
本作も上記の2作も夫婦ネタですが、いずれも妻が旦那をネタにしているもの。
異常な旦那の境遇に巻き込まれる奇特な自分(妻)という視点で描かれます。
もし逆の立場であれば、ちょっとしたジェンダー問題になりかねず、
おそらく世間の反応は厳しいはずです。

一体何が言いたいかといえば、女性が描くエッセイ漫画は、男性差別的なものが多く、
なんとなく見過ごされていますが、あまり気持ちのいいものではないということです。
本作も旦那の鬱病をネタに、不幸な境遇の切り売りがされているのは間違いなく、
旦那から許可もらって出版してるんだから、部外者がどうこういうことではないけど、
正直なところ、あまりいい気分はしません。
ただ主演の二人(堺雅人&宮崎あおいの篤姫コンビ)が好きな俳優だったし、
とても好演していたので、かなり商業的ないやらしさは軽減されていると思います。
どちらかでも他の俳優だったなら、おそらくもっと不愉快な気分になったと思います。
まぁその二人の共演作だから観に行ったんだけどね。

しかし、エッセイ漫画が原作だと意識しなければ、なかなか意義のある映画です。
いわば鬱病患者のノンフィクションなので、鬱病についてはリアリティがあり、
なかなか理解されない鬱病の実態を垣間見れる、いい勉強の素材です。
鬱病は「ただ気分が滅入って死にたくなる心の疾患」くらいに思ってましたが、
特定の脳内物質の不足が原因で起こる体の疾患でもあるんですね。
症状についても知らないことも多かったですが、何よりためになったのは、
鬱病の対処法や予防法です。
「頑張れ」とか焦られるようなことを言わないとか、そんな周りの人の気構えではなく、
「牛乳や納豆が鬱病に効く」というような、患者自身が実行できる現実的な予防法は、
誰でもかかり得る病気なだけに、知っておいて損はないです。
今後、酷く気が滅入ることがあったら、とりあえず牛乳飲んでおこうと思いました。

内容で強烈に気になるのが、妻ハル(宮崎あおい)の旦那(堺雅人)の呼び方です。
「ツレ」と呼ぶのですが、三人称を二人称で使われると妙に違和感があります。
もしかすると旦那の名前が設定されてないのかと思ったら、
ちゃんと「高崎幹夫」という氏名が用意されています。(正確には「はしご高」の高崎)
原作では漫画的な読者に対しての三人称としてメタ的に使われているだけだろうに、
実写化にあたっては現実に即した呼び方に訂正した方がいいんじゃないでしょうか。
それにボクが関西人だから思うだけかもしれないけど、
「ツレ」というのは友達に使うことの多い三人称で、どちらかといえば男言葉。
ハルさんみたいなかわいらしい奥さんが使うのは異様すぎます。
慣れるまでにかなり時間がかかりました。(いや、最後まで慣れてないか…。)

扱っている題材の割に全体的にほっこりした印象の本作ですが、
意外と社会派なところもあって、特に鬱病患者に対する職場のありかた、
企業コンプライアンスについては考えさせられます。
外資系IT企業に勤める「ツレ」こと高崎幹夫は、
鬱病になったことで出社しにくくなり、退職することになります。
最近はちょっとは鬱病に対する理解も進んで、休業させてくれるところもあるけど、
彼のようになんだかんで退職するしかない場合も多いみたいです。
それでも彼の場合は正社員ですからまだ選択肢があるけど、
もし派遣や契約社員が鬱病になれば、企業コンプライアンスなんて知ったことではなく、
半年も休業が許されるはずもなく、きっと契約解除されて終わりですよ。
自殺の大きな原因のひとつは貧困。彼らの方が正社員よりも鬱病になりやすいのでは?
IT企業は特に鬱病になりやすいらしいので、もっと制度をきちんとするべきでしょう。
旦那はただでさえ心労の多いクレーム係でしたから、鬱になって当然です。
でも妻ハルさんの売れない漫画家ってのもかなり精神的にキツイと思うけど、
やっぱり発症には先天的な性格の影響が大きいのかな?

途中、鬱病から回復しかけの若者が自殺する展開があるけど、
そこは映画オリジナルのエピソードらしいです。
ほっこりした中にあって、強烈なインパクトを与えるエピソードですが、
なんだか衝撃的すぎというか、その後の旦那の自殺未遂の衝撃が薄まる気がします。
結局、旦那も鬱病が完治するまでは描かれてないし、本作中に完治した例はひとつもなし。
こんな展開では、「鬱病は治る」というメッセージは気休めにもなってない気がします。
これでは鬱病は「心の風邪」なんて生易しいものではなく、
デッドエンド確実の不治の病と受け取られそうです。
ボクは妙に旦那に共感できるところがあったから、ちょっと怖くなりました。
とりあえず、牛乳飲んでおきます。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/560-bc094488
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad