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キャプテン・アメリカ

"マーベル・シネマティック・ユニバース"(以下MCU)という企画をご存知でしょうか?
マーベル・スタジオのアメコミ映画は、共通の世界を舞台にしているという設定で、
それを利用して作品同士をクロスオーバーさせようという企画です。
MCUとして、これまで『アイアンマン』『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』
『マイティ・ソー』、そして今週『キャプテン・アメリカ』が公開され、
次作はいよいよそれらのヒーローが総登場する『ジ・アベンジャーズ』になります。
こんなことは、アメコミ映画ファンにとっては初歩中の初歩なのですが、
一般的には意外と知られていない、…というか、あまり注目されてないようです。
個々の作品を鑑賞した人でも、そのことに気づかない、或いは気にしない人も多く、
アメコミ映画が何より好きなボクはそのことが残念でなりません。
もっと周知が徹底できれば、個々の作品も何倍も楽しく観てもらえるし、
一大サーガとして、日本でもアメコミ映画ブームが到来するかもしれないのに…。
ボクが思うに、この周知を阻害してるのは、配給会社自身だと思うんですよ。

これまで公開された一連のMCU作品は、集大成である『ジ・アベンジャーズ』の、
いわばプリクエル的スピンオフだと思います。
しかし個々の作品がシリーズもの、関連作と思われると、敷居が上がってしまうため、
配給会社パラマウントは、その都度単発映画として売った方が集客できると思ってるはず。
しかもマーベルがディズニーの子会社になったことで、
『ジ・アベンジャーズ』以降のMCU作品はディズニー配給となります。
パラマウントにしてみれば、シリーズものとして売っても、
最終的には他社配給作品の紹介になるだけで、あまり旨味がないのかも…。
だから個々の作品だけ売れればそれでいいと考えても不思議はありません。
ディズニーも一区切りとなる『ジ・アベンジャーズ』までは、
パラマウントに配給させてあげてもよかったのに…。
一番おいしいところを持っていくなんて、パラマウントが気の毒ですよ。
そして、MCUがムーブメントを起こすことを阻害していると思います。

ということで、今日はパラマウント最後のMCU作品の感想です。
これでパラマウントはMCU以外のマーベル映画も作らなくなるのかな?
『トランスフォーマー』はマーベル系だったと思うけど、どうなるんだろ?

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー

2011年10月14日日本公開。
マーベル・シネマティック・ユニバース第5弾となるアメコミヒーロー・アクション大作。

第2次世界大戦中の1942年、スティーブ(クリス・エヴァンス)は、各地に進攻するドイツのヒドラ党と戦うことを望んでいた。もともと病弱な彼は入隊を何度も却下されていたが、ある日、軍が秘密裏に行う「スーパーソルジャー計画」という実験に参加することになる。その実験の被験者第1号に選ばれた彼は、強じんな肉体を持つ「キャプテン・アメリカ」へと変ぼうを遂げる。(シネマトゥデイより)



本作は前述のように『ジ・アベンジャーズ』の前日譚となる物語のひとつですが、
表向きは一本の独立した作品として、ちゃんと完成されたものとなっています。
なので、シリーズにおける本作の感想も書きますが、
まずは単発作品としての感想から始めたいと思います。

第二次世界大戦が舞台で、タイトルが『キャプテン・アメリカ』ともなれば、
当時アメリカの敵国だった日本からすると、
「あ~、アメリカ万歳映画か」と思う日本人もいると思います。
たしかにキャプテン・アメリカというヒーローは、
真珠湾攻撃の前年に誌面に初登場したヒーローで、
国威発揚、プロパガンダが目的で誕生したのは言うまでもないでしょう。
なので日本公開にあたっても、サブタイトルの『ザ・ファースト・アベンジャー』を
正式な邦題として付けようという案もあったそうです。
現にアメリカに敵愾心むき出しの国、というか自意識過剰な韓国やロシアでは、
『ザ・ファースト・アベンジャー』が採用されています。
たしかにそのヒーローネームや星条旗がモチーフの外見からして、
彼ほどアメリカを象徴するヒーローはいないですが、
誕生エピソードはどうあれ、彼自身は正真正銘の正義のヒーローであり、
アメリカの政治的思惑とは一線を画す「自由の番人」です。
そこにはアメリカもドイツも日本も関係ありません。

その正義感を買われたスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)は、
SSRが推進する「スーパーソルジャー計画」被験者第一号に指名され、
肉体を増強する「超人血清」を注入されたことで、超人兵士となります。
この「超人血清」を開発したのはドイツ出身のアースキン博士(スタンリー・トゥッチ)。
アメリカの象徴的ヒーローの生みの親がドイツ人というのは意外な設定ですよね。
キャプテン・アメリカとなったスティーブは、自分のゲリラチームを作ることになり、
助けた107部隊の中から数名スカウトするのですが、
その中にはモリタ(ケネス・チョイ)という日系人も含まれます。
他にもアフリカ系アメリカ人や、フランス人、イギリス人もスカウトし、
人種や国籍など関係ない国際色豊かなゲリラチームが編成されます。
つまりキャップにとって、自分の正義にアメリカという縛りはないのです。
(余談ですがこのチームのメンバー、ダム・ダム・デューガン(ニール・マクドノー)は、
ゴジラとも戦ったことがあるそうです。)
なので彼の正義は決してアメリカの正義とイコールではなく、
世界のどんな悪も許さないという、もっと高潔な正義です。
そんなキャップをアメリカ政府や米軍が勝手に広告塔として利用しているだけです。

そんな高潔な正義のヒーローと対峙するヴィランは、絶対的な悪でなくてはなりません。
それがナチスの極秘組織ヒドラの首領、シュミット(ヒューゴ・ウィーヴィング)。
キャップがアメリカという枠では収まらないように、
シュミットもまたナチス・ドイツという枠では収まらず、ヒトラーにすら反旗を翻し、
世界の半分を滅亡させる兵器を極秘に開発、世界征服を企む超極悪人です。
アメコミではキャップのような高潔な正義のヒーローも珍しいけど、
シュミットのような純粋な悪党ってのもなかなかいませんよね。
そういう意味では面白いヴィランなんだけど、如何せん造形が…。
彼は「超人血清」試作品の副作用で、赤い骸骨のような顔になり、
ヒトラーからはレッドスカルと称されるような風貌になったのですが、
どうもコミカルでマンガチックすぎます。
コミックではダサいキャップのコスチュームは、あんなに渋くアレンジしてあるのに、
レッドスカルの顔はゴムマスクみたいで、ジム・キャリーもビックリです。
副作用なら、もっと病的な、ケロイドみたいな質感にすればいいのに…。
またはコミック初期のように、本当に骸骨のマスクしているという設定でも…。
あの最期もキャップに負けたって感じがしないけど、もしかしたら今後の伏線?

おっと、伏線の話になったので、ここからはシリーズの中における本作の感想を。
ロボットSF的な『アイアンマン』とファンタジー風味の『マイティ・ソー』では、
かなり世界観が違うように感じてしまうのですが、時代物である本作は、
その橋渡し的な位置づけになっていると思います。
北欧神話の主神オーディン(ソーの父親)の持ち物であるコズミック・キューブ、
そのロストテクノロジーを使い世界征服を企むヒドラに対して、
近代的な軍隊が科学者ハワード・スターク(アイアンマンの父親)の協力で、
オーバーテクノロジーである武器や超人兵士を作り立ち向かうという構図。
ここにファンタジーとSFを融合しようという試みが感じられます。
この試みがうまくいってるかは正直微妙なところだけど、
(第二次世界大戦という時代背景にリアリティが失われているから。)
無理やりにでも本作が2つの世界観の架け橋となっていることで、
すんなりと『ジ・アベンジャーズ』の世界観に入っていける気がします。

しかし、70年前が舞台である本作は、キャップ自身やコズミック・キューブ以外に、
あまり『ジ・アベンジャーズ』につながる要素は少なく、
本作の登場人物もほとんど過去の人となってしまうのは惜しいです。
ハワード・スターク(ドミニク・クーパー)は「この親にしてあの子ありか」と思わせる
面白いキャラだったけど、彼自身の登場はもうないでしょうし、
過去最高に好感が持てるヒロイン、ペギー(ヘイリー・アトウェル)や、
みんな大好きトミー・リー・ジョーンズ演じるフィリップ大佐も、
おそらく一回コッキリの出演だったことが予想されます。
原作で人気のあるキャップのサイドキック、バッキー(セバスチャン・スタン)も、
あんな展開で終わるなんて、一回コッキリだと思って扱い悪すぎると思います。
いや…、あの状況ならばキャップと似た状態で冷凍保存されていたって展開もあるかな?
バッキーは捕虜中にドクター・ゾラ(トビー・ジョーンズ)に人体実験されたっぽいし…。
いずれにせよ、今後『キャプテン・アメリカ2』が製作されたとしても、
時代が逆行するとは考えにくく、この魅力的なキャラ達でもう一本続編を作ってから、
『ジ・アベンジャーズ』という流れでもよかった気がします。

「スーパーソルジャー計画」で、キャップことスティーブが注入された「超人血清」は、
開発者の死により製造方法が失われますが、軍部により極秘に研究がすすめられ、
後にその被験者となったのが『インクレディブル・ハルク』の主人公バーナーです。
しかしやはり不完全だったようで、レッドスカルのように赤い骸骨にはならなかったけど、
緑の巨人ハルクになってしまいました。
キャップとハルクは『ジ・アベンジャーズ』で初対面すると思います。
ハルクことバーナー役のキャスト交代があることは悔やまれますが、それでも楽しみです。

この「スーパーソルジャー計画」は、その後も続き、十人目の被験者となるのが、
ローガンことウルヴァリンです。
その様子は『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』で描かれていますね。
この時ウルヴァリンの骨に注入された金属アダマンチウムは、
キャップの武器シールドの合金ヴィブラニウムの姉妹品みたいなものです。
つまりキャップとウルヴァリンは因縁浅からぬ関係で、
ウルヴァリンは第二次世界大戦時にはすでに活躍していたことから、
本作へのカメオ出演が期待され、実際に計画されていました。
しかし、『X-MEN』シリーズは20世紀フォックスに映画化権があるため、
パラマウント映画である本作では実現できず…。
同じ理由で『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』でナチスの収容所にいた
エリックことマグニートーのカメオ出演も、計画だけで終わってしまったそうです。

どれも同じマーベル・スタジオが製作してるんですけど、配給会社の壁は厚いです。
ライバル通ししのぎを削っていいものを作ってくれるのは嬉しいけど、
あまり権利関係をうるさく言うのは、ファンの利益にはなりません。
マーベルがディズニーの子会社化したことで、
いずれは『X-MEN』シリーズの映画化権もディズニーに帰属(?)するのかな?
他にも20世紀フォックスが持つ『ファンタスティック・フォー』や『ディアデビル』、
コロンビアが持つ『スパイダーマン』や『ゴースト・ライダー』も…。
その時がくればマーベル・シネマティック・ユニバースだけではない、
本来のマーベル・ユニバースのクロスオーバー映画が作れるのかな?
まぁそれをディズニーに任せるのがいいのかどうかは微妙ですが…。

おっと話は脱線しましたが、とにかくエンドロールが終わるまで席を立たないでください。
(未だに3割近い客がエンドロール中に席を立ってしまって、愕然としました。)
今回はいつものオマケシーンだけでなく、『ジ・アベンジャーズ』の特報も流れます。
一足先にビッグ3(アイアンマン、ソー、キャップ)の邂逅が観れますよ。
ブラックウィドウやホークアイの姿も垣間見れるはず。
たぶんハルクは映ってなかったけど、期待が高まること間違いなしです。
もう何があっても来年の8月までは死ねない!

あ、もうすぐリリースの『マイティ・ソー』のブルーレイに、
エージェント・コールソン(クラーク・グレッグ)主演の短編映画
「マーベル・ワンショット:相談役」が収録されているそうです。
いつリリースかわからないけど、本作のブルーレイにも何かつくみたいです。
お見逃しなく。

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