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モテキ

テレビ東京系列の「SHOWBIZ COUNTDOWN」って終わっちゃったんですね。
地上波で唯一といってもいいほど、ハリウッド映画に特化した番組で、
毎週楽しみにしてたので、ホントに残念です。
全米映画チャートならネットで簡単に調べられますが、
この番組の「USA BOX OFFICE TOP10」はまとめて映像で紹介してくれるので、
そこでノーマークだった面白いハリウッド映画に出会えることも多々ありました。
日本公開されないものまで紹介されるので、生殺しにあうこともありましたが、
意外と辛口だったりして、ハリウッド動向がわかったりと勉強になる番組でした。
これで日本に入ってくる海外の芸能情報は、ますます韓流ばかりに偏ります。
ハリウッド映画の情報に需要がないとは思えないんだけど、なんで終了したのかな…?

ひとつ考えられるのは、日本映画の圧力です。
終盤は日本の興行成績ランキングまで映像付で紹介するようになってきて、
なんかおかしいなと思ってたんですよ。(それまでテロップのみだった。)
昨年、一昨年と日本映画が調子よかったけど、
今年はハリウッド映画にかなり押され気味だったので、
日本映画を製作するテレビ局としては面白くなかったのかも。
なんで他社の商品(作品)を紹介してやらなきゃいけないんだ、みたいな。
後番組はデビュー前のアイドルを使ったバラエティ番組になるそうですが、
どう考えても「SHOWBIZ COUNTDOWN」より需要なさそう。
早く打ち切られて再び映画番組が復活することを熱望します。

ということで、今日はテレビ東京製作の映画の感想です。
映画製作が弱いイメージのあったテレビ東京ですが、
近年『毎日かあさん』や『アウトレイジ』をヒットさせました。
そして映画番組を打ち切ったということは、映画製作にも本腰を入れだしたのかもね。

モテキ

2011年9月23日公開。
久保ミツロウの漫画を原作にした深夜ドラマ『モテキ』の劇場版。

金もなく恋人もいない藤本幸世(森山未來)に、怒とうのように恋のチャンスが訪れた“モテキ”から1年後。4人の女の子たちとの関係は終わってしまったが、再び新たな女の子たちが幸世に接近し始め、“セカンド・モテキ”がやって来ようとしていた。(シネマトゥデイより)



先週末もまた国内週末興行成績2位をキープした本作。
初登場から3週連続1位という映画は間々あるけど、3週連続2位というのは珍しい。
しかも、その3週とも1位は違う作品だったというのは本当に稀な現象です。
これが何を示しているかといえば、前週からの集客の下降率が低いということで、
つまりは評判がいいってことでしょう。
ボクもこの秋の公開ラッシュの中で、興味はあったもののスルーするつもりでしたが、
この評判はただ事ではないと思い、3週目に観に行きました。
やはりほぼ満席で、客層は意外と若い女性が多かったです。

「意外と若い女性が多かった」と思ったのは、本作の原作が青年誌の漫画で、
モテない男の願望を描いたハーレム的な作品だと思っていたから。
しかし、いざ観てみると全く逆で、むしろ女性の願望(男への幻想)を描いた作品です。
この主人公の藤本幸世(森山未來)は「草食系男子」とカテゴライズされてますが、
男のボクから見ると、どんなカテゴリーにも当てはまらない、かなり特殊なタイプ。
それもそのはず、あとで聞いてわかりましたが、この原作者さんは、
男みたいなペンネームだけど、実は女性だったんですね。
女性が少年漫画の女の子キャラ見て、「こんな女いねぇよ」と思うのと同じで、
ボクも「こんな男いないだろ」って思いました。
いや、全くいなくはないかもしれないけど、少なくとも草食系男子ではないです。

一昔前は、恋愛にガツガツしない男のことを「硬派」って呼んでたんですが、
「草食系男子」という言葉が生まれてから、軟弱なイメージになりましたね。
「草食系男子」ももともとは「硬派」と同様、ポジティブな言葉だったのですが、
それが是となることを懼れた恋愛体質の女性たちにより、
「恋愛に受け身」という、ネガティブなイメージで流布されてしまいました。
そのネガティブな方を具現化したのが、この主人公の藤本幸世です。
しかし本来の「草食系」は「恋愛を重視しない」人のことを言います。
「草食系男子」は肉食系女子に狩られるから草食系なのではなく、
肉欲(性欲)が薄いから草食系と称されるのであって、
藤本幸世のように性欲の塊のような男は、それには当てはまりません。
(モテ期というものがあるとして、「草食系男子」ならそれを煩わしいと感じるはず。)
これは女性視点からの、「男は性欲が強いもの」という偏見、
または、そうであった方が都合がいいという一種の幻想です。
彼のような恋愛がしたくてたまらないタイプ、モテ期の到来を喜ぶタイプの男は、
三十路過ぎまで(セカンド)童貞なんてことはまずありえず、かなり特殊な事例。
だから彼に男としてのリアリティがなく、感情移入しにくいです。

なんというか、藤本幸世はモテない女性を男に置き換えたようなタイプだと思います。
彼は初めてみゆき(長澤まさみ)に出会った時に、「この女、絶対遊んでる」と考えますが、
かわいくて男ウケしそうな女の子をビッチ扱いするのは女性的な発想です。
また、彼氏持ちのみゆきに自分が他の女と寝たことを明かし、
嫉妬させようとするのも、女性的な駆け引きの仕方だと思います。
男として、もう女々しくて女々しくて、イライラします。
ラストも目の前の仕事よりも恋愛を取って、みゆきを追いかけますが、
ロマコメではありがちな女性が喜ぶパターンだけど、男がやることじゃないです。
最後くらいは男らしさを見せてくれよ!って思いました。
るみ子(麻生久美子)のフリ方も、男として最低で、かなり頭にきました。

でも反面、女性はよく描けてますよね。
男の漫画家ではまず描けないようなヒロインたちだと思います。
子持ちのヒロイン愛(仲里依紗)が女性の恋愛の価値観について話すシーンがありますが、
その内容に「なるほどな」と感心させられました。
年上のOLるみ子(麻生久美子)の行動も、普通なら理解できないところですが、
愛の話を鑑みれば、なんとなく納得できます。
本作を観た女性に「男はこう考えるのか」と思ってほしくはないけど、
男が本作を観て女性の考え方を学ぶにはいいかもしれません。
先輩社員・素子(真木よう子)とは、結局何もなかったのは意外な展開でした。
というか真木よう子、麻生久美子、仲里依紗って、女優の系統が似てますよね。
キャスティングした人の趣味ですか?
(長澤まさみは『セカチュー』意識してるんだろうけど…。)

そんな内容はともかく、漫画の実写映像化としてはお手本のような作品です。
原作漫画を無理やり実写化しただけの、劣化作品が多い中、
本作はちゃんと、映像化されることで面白くなる演出がされており、
漫画では描けない新しい楽しみを作品に加えています。
それは「モテ曲」と称される挿入歌です。
有名なJ-POPからサブカルくさい曲まで、場面にあうように、
時にはワイプが付いたり、時にミュージカルになったりしながら、
とても印象的に、効果的に使われています。
挿入歌だけでなく、ちょっとしたBGMにまでもこだわりを感じます。
その選曲の幅はホントに多彩で、しかも的を得ており、
主人公と同じかちょっと上の世代の人なら、どれかひとつくらいはハマるものがあるはず。
ボクは主人公より若干下だけど、思わずうれしくなる曲がいくつかありました。
というか、原作漫画もテレビドラマ版も見てないボクが、本作に興味を持ったキッカケは、
選曲リストに好きな曲があったからだったりします。
鑑賞後、カラオケに行きたくなるのは間違いないです。
ミュージカル・シーンはもっとあってもよかったなぁ…。

これだけヒットしてるし、モテ期は3回あるって言うから、
1本くらいは続編が作られそうです。
こんなチックフリックなストーリーではあまり見たいと思わないけど、
選曲次第ではまた観たくなるのかな。

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