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セカンドバージン

近年の広告収入の激減で、放送外収入に活路を見出すしかなくなったテレビ局。
自社番組の二次使用(ビデオ化)や映画製作に力を入れています。
しかしなぜだか、収入源が受信料であるNHKまでも、
民放同様に放送外収入の拡大に勤しんでいるような気がします。
その象徴的な事例が、やたら増えだしたNHKドラマの映画化です。
そこそこ人気のあったドラマ『セカンドバージン』や『外事警察』、
コント番組『サラリーマンNEO』までが劇場版になります。
高い受信料取ってるのに、公共放送なのに、社員の平均報酬が1,041万円なのに、
もっとお金を儲けなきゃいけないの?
我々視聴者の受信料で作られた番組を勝手にビデオ化したり映画化して得た収入は、
受信料を天引きするなどして視聴者に還元するべきじゃないのかな?
コケた場合の穴埋めには受信料も使ってるくせに…。

ということで、今日はNHKドラマの劇場版の感想です。

セカンドバージン

2011年9月23日公開。
2010年に放送され、大きな話題を呼んだNHKのテレビドラマを映画化。

不倫の末にさまざまな試練を乗り越え、一緒に暮らし始めた中村るい(鈴木京香)と17歳年下の鈴木行(長谷川博己)だったが、ある日突然、行はるいの前から姿を消す。5年後、出張先のマレーシアで再会をするものの、行は彼女の目前で撃たれてしまう。やがて行の妻・万理江(深田恭子)もマレーシアへやって来て……。(シネマトゥデイより)



ボクは2010年秋のレギュラー放送時には見てなかったのですが、
当時、勤務先のオバサン連中が「NHKですごいドラマがやってる」と話していて、
その存在だけは知ってました。
なんでも、17歳年下の男と不倫する話で、本妻とのドロドロの三角関係が描かれるとか、
鈴木京香のベッドシーンがあるとかで、そのNHKらしからぬ過激な内容が話題になりました。
まぁいくら面白かろうが話題になろうが、そんな熟年女性向けドラマを、
20代男のボクが見るはずもないし、当然その劇場版である本作だって、
何の興味もなかったのですが、何の因果かタダで観られる機会を得てしまい、
映画タダなのに観ないなんて映画ファンの名折れだと思い観に行きました。
しかしやはりタダより高いものはないです。
タダで観る時はかなりハードルが下がるものだけど、それすらも飛び越せず、
今年観た日本映画としては五指に入る大駄作だと思いました。

各所でも概ね叩かれているようで、ボクのように映画として鑑賞した人ばかりでなく、
ドラマ版をとても楽しんでいた人たちにさえ、かなり不評だったようです。
しかし本作は、よく調べてみると、駄作になって当たり前の作品だとわかります。
なんと6月にクランクインし、9月に公開されるという、
異常なほど超短期間で制作された、やっつけ映画だったのです。
企画が動き出したのも放送終了後で、ドラマの思いがけない評判を受けた制作サイドが、
話題性のあるうちに劇場版にしてしまおうと画策しスタート。
時間もないから、全く新しい脚本を書くのは無理とでも考えたのか、
内容も続編ではなく、ドラマ版のダイジェストのようなものらしいです。
これではファンも物足りないでしょうね。

ダイジェストならば、ボクみたいに初見の人にはありがたいはずなんですが、
ダイジェストが回想シーンとなっていて、時系列はバラバラ。
しかもそれぞれが断片的にしか描かれないので、
ドラマで補完しないと意味が分かりにくいです。
いや、筋はちゃんと追えるし、内容は理解できるのですが、
ロマンスで重要な恋に落ちる過程とかが端折られているので、
登場人物の心情が理解しにくいです。
中村るい(鈴木京香)がこんなガキに入れ込む理由もわからなければ、
鈴木行(長谷川博己)がこんなオバサンに惹かれる理由もわからず、
その愛の深さが全然伝わってきません。
万理江(深田恭子)の言うとおり、本当に「セックスだけが目当て」の関係のようです。

でもそれが狙いなのかもしれません。
本作は「女性の性欲」がテーマのひとつらしいので、
映画化にあたって、それ以外のところをわざとそぎ落とし、
より過激な内容にしようという意図があったのかも。
しかし、性描写に強い自首規制がかかるNHKとしては過激な内容かもしれないが、
この程度なら映画としては全然ふつうです。
本作のドラマ版にしても内容の過激さが話題になったわけではなく、
「NHKのわりに過激」と話題になっただけです。
まるで井の中の蛙、NHKの枠から出てしまえば、この程度のものは五万とあります。
「女性の性欲」というのであれば、今公開中の『ステイ・フレンズ』の方が、
ある意味過激で、しかも面白いんじゃないかと思います。
熟年女・中村るいの性欲は描かれているのに、若い万理江の性欲は完全無視。
20年間セックスしないでセカンドバージンに陥ったことよりも、
旦那もちの若い妻が、8年間も誰ともセックスしない方が異常事態じゃない?

5年前に突如失踪した恋人の鈴木行を、マレーシアで発見した中村るい。
しかしるいの目の前で、彼は中国マフィア(?)に銃撃される。
そのまま寝たきりになった彼を、マレーシアの診療所で看病するるい。
意識を取り戻した彼は、傍らにいたるいに対して「Who are you?」と尋ねる…、
…という冒頭なのですが、このあたりはまだ興味深く観れてました。
「この男はホントに鈴木行なの?もしかしたら人違いじゃないの?」と思ったし、
何かサスペンス的な展開を期待させてくれたので。
しかし制作者にその意図はなかったようで、その謎はほとんど引っ張らず、
この男が鈴木行であることがあまりにもあっさり判明します。
たぶん、どうせ顛末を知ってるドラマファンしか見てないから、
それを引っ張っても仕方がないという判断でしょうね。
一見さん無視で、ドラマの人気頼みで作られたという、ひとつの証拠だと思いました。
このふたりが最後どうなったかもウヤムヤにされており、
ドラマ未見の人は本当に観る価値のない映画です。

本作のドラマ版は平均視聴率が8,6%だったそうで、決して高いとはいえないけど、
NHKドラマとしてはかなり大健闘した数字のようです。
テレビ東京のドラマの劇場版『モテキ』も本作と同日公開だったのですが、
こちらの平均視聴率はそれをさらに下回る2%代…。
(視聴率低すぎてちゃんと算出できないようです。)
この程度の人気ではどちらの劇場版もコケるだろうと踏んでいたのですが、
『モテキ』は初登場2位、翌週、翌々週も2位をキープしており、
予想外の堅調なヒットを記録していると言えるでしょう。
一方、本作『セカンドバージン』は7位→9位→圏外と振るわず、せっかく話題性を重視し、
なりふり構わずスピーディに作ったのに期待ハズレの結果になりました。
NHKは映画製作のあり方をちょっと反省した方がいいです。
というか、向いてないから映画製作はやめた方がいいです。

余談ですが、舞台となったマレーシアのクアラルンプールで本作が凱旋上映された時、
敬虔なイスラム教の国なので、セックスシーンやキスシーンを上映できず、
そのシーンは音声だけで上映されたとか…。
もっと作品の内容も考えてロケ地を選ばないと、相手国に失礼になるかもしれないです。
それにしても、マレーシアってイスラム教の国だったんですね。なんか意外。
そういえば劇中の現地の看護師さんもスカーフみたいなの被ってました。
あの子、かわいらし子でしたね。本作の唯一のよかったところです。

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