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神様のカルテ

このところ映画の回転が早すぎませんか?
数年前は一度公開が始まればその劇場で3カ月は上映し続けられる感じだったけど、
ちょっと人気薄だと、2週目には日に一回、3週で上映終了なんてのもあります。
ボクは映画をハシゴする関係で、なるべく上映回の選べるように、
公開されて間もないころに観に行くので、あまり問題はありませんが、
面白かったから、後日、人に勧めた時にはもう終わってた、なんてことがたまにあります。
回転率が早いってことは、それだけ公開本数が多いってことだと思ったけど、
2006年の821本がピークで、去年は716本、増えるどころか毎年減ってます。
逆にスクリーン数は年々増えてるんですよね。

その原因はシネコンです。
シネコンがどこも同じ作品ばかりやるから、同じ作品にスクリーン数が圧迫されるんです。
例えばボクの近所でいえば、TOHOシネマズ伊丹とMOVIXココエあまがさき。
同じJR福知山線の駅直結のシネコンで、快速なら1駅しか離れてません。
なのに上映している作品は9割が同じです。
これなら客はシネコンが2つある意味がないし、シネコン同士も客の取り合いになるだけ。
もっと住み分けをはかった方がいいです。

ということで、今日は珍しくロングランしている映画の感想です。
こんな時代に、ロングランできるってことは本当に人気があるってことですね。
といっても、まだ1カ月半ほどですが…。

神様のカルテ

2011年8月27日公開。
漫画化もされた夏川草介の小説を櫻井翔と宮崎あおい共演で映画化したヒューマンドラマ。

自然あふれる長野・松本の本庄病院で、内科医として働く栗原一止(櫻井翔)。24時間365日体制で医師不足の問題を抱える病院で、前向きな職員たちと共に診療をこなす一止にとって、最愛の妻・榛名(宮崎あおい)らと語らうことが日々の楽しみだった。そんなある日、一止はある患者と出会い、人生の岐路に立つこととなり……。(シネマトゥデイより)



本作は公開から、ボクの観たい公開中の映画の序列4位くらいに入っていたのですが、
次々公開される新作を優先的に観ていたら、なかなか観れるタイミングがなく、
1カ月以上経ってようやく観に行くことができました。
公開からけっこう経ってますが、まだ客席は7割ほど埋まっていて、そのほとんどが女性。
ボクからすると、本作の櫻井翔は酷いテンパでダサい格好だと思ったのですが、
櫻井翔、そして嵐の揺るぎない人気を改めて実感しました。

で、念願かなって観に行けたんだけど、なんというか、
無難に笑え、無難に泣けるヒューマン・ドラマで、
けっこう楽しく観れたけど特筆すべきものは何もなかったって感じで、
こうして感想書き始めるまでにまた1週間ほどかかりました。
なぜ感想が書きにくいのかといえば、作品の論点がボヤケてしまっているため。
なぜボヤケているのかといえば、主人公と妻、そして同居人のほのぼのホームドラマと、
社会派な内容も含む医療ドラマを並行して描いているのだけど、
うまくリンクさせきれてなく、別個の話のようで、どっちつかずだからです。
ストーリー的にも一貫性を感じないのですが、それ以上に違和感を感じるのは、
ホームドラマの方の登場人物たちや舞台(旅館?)の浮世離れした世界観と、
医療ドラマの病院という現実的な世界観との差が激しすぎるからでしょう。
なのでどうも一本の感想にまとめるのが難しく、なかなか書きはじめられませんでした。
そこで、とりあえず医療ドラマとしてだけ感想を書こうと思ったら、
ちょっと書けそうな気になりました。

全体としては特筆すべきものがなく思えた本作ですが、
医療ドラマとしては、ちょっと変わった雰囲気の作品だと思います。
まず天才外科医が多い医療ドラマだけど、本作は主人公が内科医。
まじめで熱心だけど熱血ではなく、いい先生だけど名医というほどではなく、
いわゆる普通の地方病院のお医者さんです。
彼の視点から現在の医療現場を肯定も否定もすることなく描かれていることです。
ふつう悪く描かれがちな医局制度や大学病院の実態も、
中立的な立場で、一方的にダメなものと押し付けられないので、
どう感じるかは観客に任せるといった感じです。

緊急外来の実態、延命治療の必要性、終末医療、
研究機関である大学病院からの勧誘と目の前の患者さんとのジレンマ。
とにかく悩みっぱなしの主人公ですが、何が正しい、何が間違ていると断定しません。
例えば延命治療の問題ひとつとっても、
患者の家族が臨終に間に合うようにするために心臓マッサージをすることに対し、
「患者を苦しめるだけなのでやるべきではない」という内容なら、
それに対して観客も否定するなり同意するなり感想が生まれます。
でも主人公は「やるべきなのかかわからない」と悩むだけなので、
観客としても簡単に答えは出ません。
でも、だからこそ考える余地があります。

でもひとつ思ったのは、医師不足はなんとかすべきだってこと。
それにより適正な医者の配分ができてないのはやっぱり問題です。
主人公は研究者として将来有望な医者で、医局から勧誘を受けますが、
ひとりの末期患者のために誘いを蹴り、これからも患者のための医師であろうと決めます。
ドラマとしては感動的だけど、彼のように勉強熱心で能力がある人が
地方病院に残り疲弊してしまうのは、医療の発展のためにも彼の将来のためにも勿体ない、
というか、正しくない選択だと思いました。
この主人公は性格的にもターミナルケアには向かないし、
ターミナルケアなんてさせておくのは勿体ないほど能力があります。
医師が増えればもっと適材適所でいけるような気がします。

とはいえ、本作の本質は大人気アイドル主演の感動のヒューマンドラマなので、
医療問題なんて考えながら見る必要は全くなく、気軽に見れる作品です。
映画よりもテレビドラマ向きの内容だと思いました。

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