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4デイズ

現在上映中の『スリーデイズ』と『4デイズ』と『5デイズ』。
それぞれ全く関係のない作品ですが、ややこしいタイトルですね。
もちろんこれは邦題で『スリーデイズ』は『The Next Three Days』、
『4デイズ』は『Unthinkable』、『5デイズ』は『5 Days of War』という原題です。
やっぱりこれ、便乗ってやつですかね?
でも便乗される側と思われる『スリーデイズ』も、それほどのヒット作でもないですし、
原題と邦題の差異から一番便乗臭い『4デイズ』は、震災で延期になった作品で、
意図的に便乗したというのは考えにくいかな?
『5デイズ』は他の2作品の鑑賞券を提示すると割引料金で見れる企画をしてるので、
便乗と考えてほぼ間違いないけど…。
まぁ便乗と言ってしまうと言葉が悪いのですが、配給会社の遊び心ですね。

たまに似たような内容やタイトルの作品とか、
同じ俳優の主演作がほぼ同時に公開されることがありますが、
便乗している側にちゃんとメリットあるのかって思いますよね。
ふつう「似てるからついでに観よう」とは思わないし、むしろ便乗臭かったら避けます。
間違えて鑑賞してくれることを狙ってると思うんだけど、
そんなお客さんはなかなかいないよね。
でも明石家さんま師匠は、映画館で『SUPER8/スーパーエイト』と間違えて、
『アイ・アム・ナンバー4』を観たとラジオで話してました。
「末尾が数字」という繋がりだけで間違えるオッチョコチョイがいるくらいだから、
多少は便乗効果あるのかもしれませんね。
(もちろん『アイ・アム・ナンバー4』は便乗を狙ったわけではないです。)

ということで、『スリーデイズ』はもう観たので、今日は次の「~デイズ」の感想です。
3本とも観たかったけど、『5デイズ』は近所で上映されそうにないので観れません。

4デイズ

2011年9月23日日本公開。
サミュエル・L・ジャクソン主演のサスペンス映画。

イスラム系アメリカ人のテロリストにより国内3か所に核爆弾が仕掛けられ、4日(96時間)以内に爆発するという事態が発生。危機的状況の中、FBIのエリート捜査官ヘレン(キャリー=アン・モス)のところには手段を選ばない尋問のプロ“H”(サミュエル・L・ジャクソン)が召喚され、テロリストへの尋問を始める。(シネマトゥデイより)



イスラム教に改宗したアメリカ人、ヤンガー(マイケル・シーン)は、
アメリカの都市3か所に時限式核爆弾を仕掛け、アメリカ政府に犯行予告を送り付ける。
その後ヤンガーは自ら捕まるのだが、軍がいくら尋問しても核爆弾の所在を明かさず、
核爆発のタイムリミットまであと4日を切ってしまう。
もし爆発させてしまえば、1千万人を超える死者が出ると予想されます。
そこで招集されたのがFBIテロ対策班の女性捜査官ブロディ(キャリー=アン・モス)と、
拷問のスペシャリスト、特別尋問官の"H"(サミュエル・L・ジャクソン)だった。
決して口を割らないテロリストのヤンガーに対して、
あの手この手で非人道的な拷問を行う"H"。
そんな過激な拷問による残酷シーンを楽しむトーチャー・ポルノ的作品かと思いきや、
アメリカのテロ対策の矛盾を浮き彫りにした、ちょっと社会派な娯楽作品です。

アメリカでも拷問による自白の強要は表向き禁止されています。
なので本作でもイリーガルな拷問を行う"H"に対して、FBIのブロディ捜査官は猛反発。
「アメリカ国民のために汚れ役を買っている」と主張する"H"に対し、
ブロディ捜査官は「拷問で得た情報に信憑性はなく、法に則り尋問するべき」と主張。
道義的、法的にはブロディ捜査官の方が正しいけども、
1千万人の市民よりも1人のテロリストの人権の方が重いなんてことはあるわけがなく、
自滅覚悟のテロリストが通常の尋問で自白するなんて考えられず、
拷問の禁止なんて法律(条約)は、所詮は理想論です。
実際に拷問が行われていないなんてことはまずないでしょうね。

とはいえ、どんな容疑者や捕虜に対しても拷問していいってことになると困るので、
ジュネーブ条約など拷問禁止法はあって然るべきと思います。
むしろ問題は、アメリカの「テロリストとは交渉しない」という姿勢です。
拷問もしない交渉もしないで効果のある尋問なんてありえるんでしょうか?
実際はテロリストとも水面下で交渉して、恩赦など司法取引で情報を引き出しているはず。
この「交渉しない」という姿勢と拷問禁止法は相反するもので、矛盾しています。
しかし、いくら水面下でテロリストと交渉しているとしても、
「テロに屈しない」と対外的にアピールしなくてはいけないアメリカは、
表だってテロリストと交渉することはできません。
そのことの危うさを本作は物語っていると感じます。

本作のテロリストであるヤンガーは、実は拷問で口を割らせなくても、
もっと簡単に自白させることができます。ヤンガーの要求を飲めばいいのです。
しかも本作のテロリスト、ヤンガーの要求は至って真っ当なもので、
「イスラムの独裁国家を支援しない」「中東から米軍を撤退させる」という内容を、
大統領声明として発表してほしいというもの。
その2つの要求は、もちろん中東に影響力を持ちたいアメリカにとっては嫌でしょうが、
1千万人以上の市民と天秤にかけてまで拒否するような内容ではありません。
しかし問題は、大統領声明として発表しなければいけないということ。
テロリストに屈したということが公になるような要求だけは、
たとえ何千万人の市民を見殺しにしてでも飲まないような気がします。
今まで核を使用した爆破テロはありませんでしたが、
もしホントにこんな事態になったらアメリカはどうするのか、
市民の命よりも国の面子を優先しそうで、危うさを感じます。
その危うさは、アメリカ従属体質の日本だって同じようなものです。

本作はそんなテロリスト対策の矛盾を浮き彫りにしていますが、
人道的な尋問の無力さと共に、拷問で得た自白の信憑性のなさも描いており、
どちらを支持するものでもないと思われます。
その証拠にアメリカで公開されたものと日本で公開になったものではオチが違うようで、
正確には日本公開版のラストシーンが、アメリカ公開版ではカットされたらしいです。
タイムリミットまで20分を切るも、依然として口を割らないヤンガーに対し、
特別尋問官"H"は鬼畜のような最終手段に出ます。
あまりの鬼畜さに、ついにヤンガーは自白を始めますが、
それでもまだ真実を話してないと考えた"H"は、さらに尋問をエスカレートさせ、
それにはブロディ捜査官はもちろん、"H"の助手まで猛反発、
"H"を取り押さえて、強制的にやめさせます。
つまり最終的には人道的な立場が勝ったことになります。
アメリカ版では、これにて一件落着となるのですが、日本公開版はさらに続き、
"H"の不安が的中する形でバッドエンドとなります。
つまり仏心を見せたことで最悪な結果になった、拷問を続けるべきだったというオチです。

アメリカでの試写会の結果、当事者であるアメリカ市民には鬱すぎる展開だったみたいで、
ラストシーンをカットということになってしまったようですね。
日本でも核がらみなオチなだけに、当初の予定どおり東日本大震災直後、
福島第一原発事故直後に公開されていたら、アメリカ版が公開されたかもしれませんね。

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