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スイッチを押すとき

『ワイルド・スピード MEGA MAX』、今週末に先行公開されるんですね。
今秋で一番期待していた映画だったから、いち早く観たいけど、
かなり前に友達と公開日に観に行く約束しちゃいました…。
失敗したなぁ…。

その話は置いといて…、
アイドル、俳優、政治家、会社役員など、自殺・自殺未遂する著名人が最近多いです。
日本の自殺者総数は13年連続で3万人を超えており、世界有数の自殺大国なんだとか。
失業率とか老後が不安な日本の現状からすると、自殺者3万人もそう多くないとも思います。
5万人を超えれば、国も本腰入れて世直しに取り組むだろうけど…。
(5万人死んでほしいわけではなく、それいくらい死んでもおかしくない状況という意味。)
ボクも積極的に死のうとまでは思わないまでも、未来の展望がなさ過ぎて、
あまり長生きはしたくないと思ってますし…。
なのでマヤの予言通り来年世界が滅ぶとしても、それはそれで受け入れられるというか、
むしろ世界規模の災害で死ねるなら、理想的な死にざまだなと思います。
もし人口の9割が死んでも自分は生き残ってる時は、自殺するんじゃないかな?
あ、2013年公開の観たい映画もあるし、やっぱり来年滅亡は早すぎますね。

ということで、今日は自殺を扱った作品の感想です。

スイッチを押すとき

2011年9月17日公開。
山田悠介の代表作を映画化した衝撃的なサスペンス。

国は多発する10代の青少年の自殺の原因を探るという名目で10歳の子どもたちを監禁し、自殺装置のスイッチを持たせて自殺に至る心理を観察していた。多くの子どもたちがプレッシャーに耐え切れずに命を落とす中、6人の少年少女たちは奇跡的に7年間生き延びていた。そんな彼らのもとに新しい看守の南(小出恵介)が赴任してきて……。(シネマトゥデイより)



本作は『リアル鬼ごっこ』や『×ゲーム』の山田悠介の原作小説を映画化した作品です。
山田悠介作品が原作の映画は多いですが、全て駄作だったといってもいいでしょう。
でも地雷と分かっていても観に行ってしまうのは、物語の設定だけは興味深く、
アラスジ、イントロダクションだけならとても耳あたりがよく、
面白そうだと錯覚してしまうからです。
特に本作の原作小説は山田悠介作品の中でも最高傑作…、
…というか一番マシな作品と評されているので、
いつも以上に無謀な期待をして観に行ってしまいました。
そして例に漏れずガッカリして劇場を後にすることになります。
今までの山田悠介映画は、つまらないながらも娯楽(ホラー)色が強かったので、
最後まで飽きずに見ていられましたが、本作はシリアスな鬱映画で、
最後の頼みだった娯楽性すら全くなく、上映途中で完全に興味が失せてしまいました。
原作は一番マシかもしれないけど、映画としてはワースト・レベルですね。

本作は『バトルロワイヤル』のBR法とか、『イキガミ』の国家繁栄維持法のような、
トンデモ法が施行された日本が舞台の物語です。
本作のトンデモ法「青少年自殺抑制プロジェクト」の概要は、
十代の自殺者が増加する状況を受け、その原因を調査するため、
全国から10歳の子どもをランダムに選び、心臓に起爆装置を埋め込み、
子ども自身に起爆スイッチを持たせ、自殺に至る経緯を観察。
そこで得たデータを教育現場などで参考にし、十代の自殺防止に活かそうというもの。
でも実際は中高年の自殺の方が深刻で、未成年の自殺はそんなに多くないんですよね。
まぁ所詮はジュブナイル小説なので、読者層に合わせればこうなるのも致し方なし。
むしろ非現実的なのは、その観察方法です。

倫理の問題はともかくとして、苦も無く簡単に自殺できる起爆スイッチを渡すことで、
自殺に対するハードルが下がるのは間違いなく、どういう心理で自殺に至るか調べるには
それなりに理にかなったプロジェクトだとは思います。
しかしそれはあくまで被験者が日常生活の中にいる場合で、
親元から離して監禁して観察するという時点で、実態に沿ったデータにはなりません。
しかも監禁中は被験者を時には暴力で、時には精神的に追い込み、
意図的に自殺したくなるように追い込んでいきます。
なぜ子どもが自殺するのか、その動機や原因を探るプロジェクトなのに、
わざわざ自殺の原因を作ったら元も子もないでしょうに…。
これはもう自殺ではなく、国家による他殺でしょ。
物語の論調もプロジェクトの理念「なぜ自殺してしまうのか」とは逆に、
「なぜ自殺しないのか」にすり替わってしまっています。
だから本作の根幹である「青少年自殺抑制プロジェクト」に全く説得力が感じられず、
そこから派生する物語にもリアリティを感じず、一切感動できません。
山田悠介作品はそんなトンデモ設定ばかりだけど、今回は特に荒唐無稽で、
扱っているテーマがデリケートなだけに、不謹慎で酷く感じます。
たぶん彼は今まで一度も「死にたい」とか思ったことないんじゃないかな?

舞台となる施設では、監禁が始まってから7年も経つのに、
まだ6人の男女がしつこく生き残っていました。
そこに新しい看守・南洋介(小出恵介)が赴任してきます。
南はプロジェクト反対派を装って6人の被験者に優しく接近しますが、
それは被験者に希望を持たせておいて、その希望を摘み取り、
絶望させ自殺に追い込もうという手段です。
そんな鬼畜のような南ですが、彼も実は被験者のひとりだった、という話。

二転三転する割に、簡単に次の展開が読めて退屈。
しかし一番気になるのは脚本よりも演出です。
まず冒頭の食事シーンを見て思ったのですが、生き残った6人の被験者は、
7年の生活を共にしている設定なのに、昨日今日集められた感がプンプンします。
ふつうなら兄弟のような絆ができるでしょうに。
一番異常なのは、そんな仲間を殺した南と駆け落ちまがいのことをする
ヒロインの真沙美(水沢エレナ)の心境ですね。
途中デスゲーム化した時、南を助けて7年も一緒にいた仲間を殺したのも納得できない。
このような被験者同士の人間関係の希薄さも、設定にリアリティを感じない要因のひとつ。
リアリティでいうと、南から社会性を感じてしまうのも拙いですね。
あと、最後の北海道旅行は何の意味があったのか?
製作費余ったから慰安旅行がてら北海道ロケでもしたのかな?

山田悠介の小説を読んで小説家を目指す若者が多いそうだけど、なんだかわかる気がする。
「この程度でベストセラーになるなら自分にも出来そう」って思いますもんね。

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