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女と銃と荒野の麺屋

『101回目のプロポーズ』が中国でリメイク映画化するって話がありましたが、
その後進展はあったんでしょうか?
うまくいけば『ひとつ屋根の下』も…、って話だったと思うんですが。
なんか「中国映画でリメイク」って変な感じです。
調べてみると、中国にも外国のリメイク作品がないわけではないですが、
もともとパクリ大国なんだから、リメイク宣言しないで勝手に作っちゃいそうだし、
現に非公式なリメイク(パクリ)作品もいっぱいあるみたいだしね。

そんな中国からパクリ国家扱いされているのが、パクリ超大国である韓国。
中国は文化的にパクることに罪悪感がないだけで、教育次第で改善の見込みはあるが、
パクっても意地でも事実を認めず、断固オリジナルを主張する韓国は救いようがないです。
右寄りなボクとしては、中国も韓国も好きではないけど、嫌韓の流れの中、
日本と同じく韓国に迷惑かけられている国として、中国にシンパシーを感じ始めています。
例年なら中国映画ってだけで避けることが多いんですが、
今秋は『1911』や『新少林寺』など中国映画も観る予定です。
公開中の反日映画『レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳』も思案中…。
ちなみに、今秋公開のハリウッド映画の『プリースト』は、
韓国の漫画が原作だと知ったので、観に行くのやめることにしました。

ということで、今日はハリウッド映画の中国リメイク作品の感想です。

女と銃と荒野の麺屋

2011年9月17日日本公開。
チャン・イーモウ監督が、コーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』を中国リメイク。

万里の長城から西に位置する荒野の町で、中華麺(めん)屋を経営するごう慢な中年男ワン(ニー・ターホン)。妻が若い従業員と浮気をしており、ひそかに銃を購入したことを知ったワンは激怒し、2人の殺害を警察官のチャン(スン・ホンレイ)に依頼する。麺屋の金庫にある大金に目をつけていたチャンはワンの思いとは違う行動に出るが、事態は思わぬ方向へ動き出す。(シネマトゥデイより)



原作であるコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』は、
インディペンデント映画の先駆け的存在の名作。
ハリウッド映画のアジアン・リメイクといえば、
去年日本で『ゴースト』をリメイクした時も無茶なことをするものだと思いましたが、
本作はそれを上回る無茶な企画だと思いました。
というのも、コーエン兄弟の作品ってのは、作品自体の出来以上に、
彼らが撮ったということが重要視されるものですからね。
チャン・イーモウ監督は中国一の巨匠監督とはいえ、
コーエン作品に手を出すことには周り反発があるだろうし、
彼自身も他の監督のイメージが強い作品をリメイクするのは抵抗があると思うんですが…。
まぁ『ブラッド・シンプル』は中国での上映はなかったみたいだから、
本作がリメイクだと思って鑑賞する中国人は少なそうですけどね。

オリジナルである『ブラッド・シンプル』は、ボクが物心付く前の上映作品で、
けっこう古い作品なので当然リアルタイムでは観れてないんですが、
『ノーカントリー』以降のコーエン兄弟ブームの頃に、
ディレクターズ・カット版をDVDで鑑賞しました。
コーエン兄弟初期の作品ですが、コーエン作品の中で一番面白かったような…。
なかなか印象に残る作品だったので、本作もどうしても比較しながら観てしまいます。
そんな名作と比較したら酷評しちゃうに決まってると思われるでしょうが、
結論から言えば、これはこれで面白かったです。

まず、オリジナル版とはかなり印象が違います。
舞台はテキサスの田舎町から中国・嘉峪関の荒野に変更され、
ウソみたいな派手な衣装に、ウソみたいなロケーションで、
オリジナル版のノアールな雰囲気とは全く違い、コメディ色が強い印象を受けます。
当然登場人物も全て中国人で、それぞれの立ち位置はオリジナルをほぼ踏襲していますが、
性格付けが変わっていて、特にヒロインである妻と私立探偵(本作では警官)のキャラが
正反対になったといってもいいくらい変更されています。
あと、主人公の同僚も重要な役割に昇格しています。

これだけでもかなり印象は変わってくるんですが、
舞台や人物設定以上に変化を感じさせるのは、時代背景です。
本作は時代劇となっており、おそらく明時代くらいの設定でしょう。
このことで、展開上避けて通れない変更を迫られることになります。
例えば重要な小道具だったライターやクルマは、キセルや馬車になりますが、
電話や写真など文明の利器は時代的に代用できるものがなく、
脚本や演出に抜本的な変更を余儀なくされるわけです。
本作はここの変更がうまくできており、特に写真の変更は、
オリジナル版では「なんであんな証拠写真が撮れたのか」不思議だったので、
オリジナル版以上に納得できる演出になったと思います。
最重要アイテムの拳銃にしてもそうで、本作は拳銃がかなり珍しく貴重な時代背景で、
弾丸が3発しかないという設定もうまく活かされています。
特に主人公が店主を埋めるところなんて、拳銃の中に弾が入っているのがわかるからこそ、
オリジナル版以上にドキドキさせてくれました。

ただ、もともとウェルメイドな作品を少しでも改変してしまうと、
どうしても展開的に大きくズレはじめ、本質が変わってきます。
オリジナル版は主要登場人物がみんな勝手に誤解することで、
悲劇のドミノ倒しが起こる状況を滑稽に描いたブラック・コメディですが、
本作は誤解というよりは時間的なすれ違いにより展開する感じ。
なので滑稽というよりただ運が悪いという印象を受けます。
特にそれが残念だったのは最後のシーンです。
オリジナル版では、妻は夫(店主)が復習に襲ってきたと誤解するのですが、
本作は夫に雇われた何者かが襲ってきたと考えます。
これは半分正解で誤解とは言えず、最後の最後まで誤解で終わるのが面白かった
オリジナル版の本質を大きく曲げてしまっていると思うんですよ。
そうなるとテーマが全然変わってきますからね。
これではリメイクというのは憚られるようになったと思います。

まぁこれはオリジナル版との比較の話なので、単体の作品としては十分よく出来た物語で、
オリジナル版を知らない人が観たらきっとかなり楽しめるスリラーだと思います。
それにしても劇中の麺生地伸ばしのパフォーマンスはすごかったなぁ…。

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