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くまのプーさん

映画は上映時間2時間を超えない方が面白い、というのがボクの持論ですが、
できれば100分以上はあってほしいです。
最近観た中では『ライフ -いのちをつなぐ物語-』『ピラニア3D』
『イースターラビットのキャンディ工場』『カンフー・パンダ2』などが100分未満。
貧乏性なので、あまりに短い映画は鑑賞料金の元が取れてない気になります。
特にTOHOシネマズで観るときは、シネマイレージが上映分数で貰えるので、
2ケタしかシネマイレージが加算されないとちょっとガッカリ。
いっそのこと他の劇場で観た方がスッキリすると思うことも…。
まぁ逆に、上映時間が長い作品を観るなら、TOHOシネマズで観たいと思うんですけどね。

もうすぐ公開になるアニメ映画『蛍火の杜へ』ですが、
ボクは『夏目友人帳』が好きなので、けっこう気になる作品だけど、
上映時間がたったの44分しかなく、それに千数百円払うのはちょっと厳しいです。
早く観たいけどDVDリリースまで待つことになると思います。

ということで、今日は上映時間が69分しかないアニメ映画の感想です。
短編映画が同時上映されるので、本編は実質61分みたいです。

くまのプーさん

2011年9月3日日本公開。
大人気ディズニーキャラクター『くまのプーさん』を劇場映画化したアニメーション。

しっぽをなくしたイーヨーのため、「イーヨーのしっぽを捜すコンテスト」をしていたくまのプーさんたち。ところが、クリストファー・ロビンが謎の怪物にさらわれてしまう。早速助けに向かうプーさんたち。しかし失敗ばかりしてしまい、クリストファー・ロビンをなかなか救出することができず……。(シネマトゥデイより)



ディズニー・クラシックス第51作目となる本作。
ウォルト・ディズニー生誕110年記念作品ということもあってか、
ディズニーの代表的キャラクターのひとつ「くまのプーさん」が選ばれました。
しかし、ディズニーアニメとしては全米初登場6位とかなり低調なスタート。
お世辞にもあまりヒットしたとはいえません。

その原因は作風の地味さにあると思います。
CGIアニメーションが全盛の昨今ですが、
本作はあえて昔ながらの手書きタッチのアニメーションで制作されており、
水彩画のような、絵本のような温かみのある作風となっています。
それはチャレンジとしては面白いのですが、時代に逆行している感は否めず、
派手で滑らかなCGIアニメーションと比べると、地味で引きが弱いです。
また、ディズニー・クラシックスの前々作、49作目の『プリンセスと魔法のキス』でも、
手描きアニメーションの回帰にチャレンジしたばかり。
そんなチャレンジもたまになら新鮮さもあるでしょうが、頻繁にやりすぎです。
それに同じ手描きアニメーションでも、映像的に進化を感じた『プリンセス~』に比べ、
本作は本当に昔ながらの手描きアニメーションとなっており、全く進歩を感じません。
大人ならばそれにノスタルジーを感じることもできるけど、当然子どもは感じません。
子どもにアピールできなければファミリーを呼び込むことは出来ず、
興行的にイマイチな結果になったのでしょう。

実は本作はディズニー・クラシックスにとって、捨て作品だったんじゃないかと思います。
前作『塔の上のラプンツェル』はアニメーション史上最高の製作費がかかった作品。
そのため次作の本作は、製作費を抑えざるをえず、
CGIの使えない地味な作品になったのかもしれません。
自社の『カーズ2』と競合してしまう時期に公開したのも不思議だし、
宣伝にも力を入れてない様子です。
製作費が大したことないから、多少興行成績悪くてもペイできるし、
あまり気合を入れないで作った感が否めません。

ところが、その地味さが玄人受けしたのか、批評家からは大絶賛されています。
デジタル3DやCGIアニメーションに疲れた大人たちには、
本作のほのぼのした優しい作風が受けたようです。
ボクはそれほど大人になりきれていないので、その高評価ぶりは異様に感じます。
もちろん腐ってもディズニーで、それなりのクオリティは保っていると思いますが、
ディズニーアニメには珍しく、ストーリーよりもキャラクターが先行した内容で、
ただただホッコリするだけで、テーマもメッセージ性も何もなし。
日常系アニメばりに内容がなさすぎ、心に残るものが何もありません。
同時上映の短編『ネッシーのなみだ』の方が、テーマが明白でまだ面白かったです。
でも意外とこういうのがアカデミー賞アニメ部門受賞ったりするんですよね。

舞台はプーさんたちが住む100エーカーの森。
ある日、プーさんが友達のクリストファー・ロビンの家に蜂蜜をもらいに行くと、
「でかける いそがしい すぐもどる」という書置きが残されており、
これをロビンが「スグモドル」という怪物に攫われたと勘違いした森の仲間たちは、
ロビンを助けるために、落とし穴でスグモドルを捕まえようとする…、という話。

そんな無理のあるストーリーがちゃんと成立するのかと思いますが、
森の仲間たちは天然ばかりなので、ボケにボケを重ねてどんどん展開していきます。
わかりやすいボケから細かいボケまで、全くツッコまれず全てスルー。
最初から最後まで全員がボケ倒し、誰もツッコミません。
ひとつひとつのボケ自体は荒く、それだけで笑うことはできませんが、
この光景がとてもシュールで、徐々に可笑しくなってきます。
あまりにボケがスルーされるので、思わずツッコんでしまう観客もいました。
特に子どもはウズウズするみたいです。

100エーカーの森は絵本の中にあるという設定で、
プーさんや森の仲間たちも、絵本の中のキャラクターです。
たまにキャラが挿絵から飛び出してしまったり、逆に文字が挿絵の中に落ちてきたり、
語り手(地の文)とキャラが会話したりと、設定を生かしたメタ的表現が満載です。
それ自体は面白いのですが、そこで気になるのは中途半端なローカライズ。
挿絵の中の英語は日本語に直されているところもあるのに、
(例えばロビンの手紙「back soon」→「すぐもどる」)
絵本の文字は英語のまま。
メタ表現による文字ネタを多用しているため、
すべてローカライズするのは、かなりの労力が必要なのもわかりますが、
日本の子どもにとっては少しわかりにくい、不親切な演出だと思います。
日本人は世界一プーさんが好きな国民なので、
もうちょっとサービスしてくれてもよかったんじゃないかな。

それなりに面白い作品ではあるけれど、アニメ映画がたくさん公開されている中で、
あえて千円以上払って劇場で観るほどのものかは微妙なところ。
上映時間の短さ、映像や内容の地味さを鑑みて、費用対効果の低い作品だと思います。
鑑賞料金500円くらいが適正価格じゃないでしょうか。

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