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こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE

なんでも10月から『妖怪人間ベム』の実写ドラマが始まるそうで、
KAT-TUNの亀梨和也が主演で、ベムを演じるんだそうです。
『忍者ハットリくん』、『ヤッターマン』、『宇宙戦艦ヤマト』、
『あしたのジョー』、『こち亀』、『怪物くん』に続き、
またしても往年のアニメ(漫画)の実写化にジャニタレを使うのかってことで、
ネット上では、否定的な意見が大勢を占めています。
ボクは幸いにもこれらの原作アニメ(漫画)をほぼ知らないので、
意外とすんなり受け入れることができます。

その中の『こち亀』ですが、ちょっと興味深かったことがありました。
一昨年ドラマ化され、現在劇場版が公開中の香取慎吾主演の『こち亀』だけど、
「香取ではイメージと違う」「両津といえばラサール石井だ」と、かなり叩かれました。
たしかにボクの中の両津のイメージも、舞台やアニメ声優で両津を演じたラサールです。
でも映画雑誌「キネマ旬報」のレビューで、69年生まれの2人の批評家が、
「両津といえばせんだみつお」と、さも当然のことのように書いていたんです。
ボクにしてみれば両津がせんだみつおというのも香取同様に違和感があるけど、
批評家のじいさんにしてみれば、70年代のせんだ版『こち亀』が
ファーストインプレッションで、それが両津のイメージになったということ。
きっとラサールもせんだみつおも知らないチビッコには、
香取慎吾が両津のイメージ基準になるんでしょう。

ということで、今日は香取慎吾版『こち亀』の劇場版の感想です。

こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 勝どき橋を封鎖せよ!

2011年8月6日日本公開。
連載35周年を迎え、2009年にはTBS系でテレビドラマ化された国民的人気コミックの映画版。

葛飾区亀有公園前派出所の巡査長の両さん(香取慎吾)は、その型破りなキャラで後輩の秋本・カトリーヌ・麗子(香里奈)や中川圭一(速水もこみち)をハラハラさせていた。ある日、両さんは小学校時代のあこがれの同級生・桃子(深田恭子)に再会するが、その桃子が警察庁長官の孫娘誘拐事件に巻き込まれていると知り……。(シネマトゥデイより)



本作は2009年に放送されたドラマ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の劇場版ですが、
前評判が異様に悪かったこともあり、ボクはそのドラマを見てません。
ゴールデンなのに平均視聴率一桁だったようで、前評判以上に駄作だったようで、
その判断は正しかったように思います。
もともと劇場版公開ありきのドラマ化だったために、
そんなドラマ版の大不評を受けながらも予定どおり製作せざるを得なかった本作。
前評判は最悪だし、ドラマ版だって見てないんだから、普通ならスルーするはずだし、
当初はボクも観に行く予定は一切ありませんでした。
しかし、先日観た『ツリー・オブ・ライフ』があんまりな映画だったので、
その最悪な鑑賞後感を、なんでもいいから他の映画鑑賞することで塗り替えたかったため、
同じ日に急きょ本作も観ることにしたんです。
(ちょうど映画1000円の日だったということもあります。)
下手すれば最悪な気分を増幅しかねない懸念はありましたが、
他に観たい作品は全部鑑賞済みだったので、選択の余地はありませんでした。
しかし、この判断は大正解で、本作は予想外に面白い作品でした。
超駄作『ツリー・オブ・ライフ』の後なら、何観ても面白く感じるのかもしれませんが、
今年観た日本映画の中では、五指に入れてしまいそうなくらい楽しめました。

ボクはジャニーズの映画も結構観るし、高く評価しているものも多いんですが、
香取慎吾だけはホントにダイコンだと思っています。
ただ本作に限っていえば、そのわざとらしい演技が、外連味として活かされ、
それが松竹の人情喜劇らしい情緒感とノスタルジーを醸し出していると思います。
香取慎吾が原作漫画の両津勘吉のイメージを体現できているかといえば否ですが、
独自の両津像として、けっこう馴染んでいると思います。
これは本作の前にドラマ版で事前に練習できた経験が大きいでしょう。
その意味ではドラマ版は劇場版に向けた練習の場であり、低評価を受けるのも当然です。
しかしその成果は確実に出ているので、ドラマ版がダメだった人も観てみるといいかも。
ロマンスありの松竹人情ドラマとして『こち亀』を実写化するなら、
香取慎吾をキャスティングしたことはベターなチョイスだと思います。
代役として他に思い当たる俳優はいませんし…。
まぁ実写化に『こち亀』をチョイスしたことはワースであるということが前提ですが…。

本作のサブタイは明らかに『踊る大走査線』のパロディですが、
あくまで松竹らしい人情喜劇として製作されているため、
『踊る』や『相棒』のような流行の職業もの警察ドラマとは違います。
主人公が交番勤務の人情お巡りさんで、組織の論理の通じない破天荒な性格なので、
(しかも部下は世界トップクラスの大金持ち。)
昨今の警察ドラマのような警察の内情のようなものはリアルには描かれません。
キャリアとか現場とか、本庁とか所轄とか、そんな展開もなくはないですが、
あくまでパロディとして揶揄的に描かれています。
巡査長風情が警視正キャリアをやり込めるなんて現実ではありえないことだけど、
人情喜劇である本作ではありえるんですよね。
普通の警察ドラマではキャリアによって不条理な目に合わされても、
結局最後は泣き寝入りになるというのが普通ですが、本作は違います。
たとえそれが警察庁長官であっても、悪いことをしたらちゃんと謝る。
リアルではないけど、それがなんとも痛快です。
犯人も『踊る』のようなサイコではなく一般庶民で、
動機も『相棒』のように陰謀絡みではなく誰でも同情できるもの。
キャリアも犯人も、人情を持った人間として描かれていることに好感が持てます。
松竹映画の素晴らしいところがちゃんと継承されています。

それもそのはず、松竹は本作を『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』など、
人情喜劇シリーズの後釜として、あわよくばシリーズ化を目論んでいたようです。
しかし同じ目論みだった『築地魚河岸三代目』などと同様、
続編が望めるほどヒットすることはできず、シリーズ化はもう不可能でしょう。
いざ観れば、クオリティ的にシリーズ化しても期待できる出来ではあると思うのですが、
如何せん前評判が悪すぎ、集客できないようですね。残念です。
はっきり言って、宣伝の仕方が悪いです。
香取慎吾に両津の格好させてMステとか吉本新喜劇とか、いろんな番組で宣伝させているが、
当人も周りの演者も、香取とも両津とも付かない中途半端な対応で、
これでは視聴者に香取が両津を演じることに対する疑心を煽っているだけです。
あとドラマ放送から2年も経っているのもマイナスじゃないかな。
そんなに間が空くとドラマ版を見ていた奇特な人も興味失せちゃってるかもしれないし、
その間に公開された駄作『座頭市 THE LAST』のせいで、
香取慎吾の役者としての評価は地に落ちちゃってるし…。

さて、11月26日に公開が控えている『怪物くん』ですが、
こちらも劇場版ありきのドラマ化で、前評判・視聴率ともに最悪と、
『こち亀』と似たような経緯をたどっています。
しかしSMAPを超える人気グループである嵐の大野智が主演ということで、
ファンだけしか動員できなかったとしてもヒット作になることは確実です。
ボクは大野智のファンではないので彼に期待しているわけではないのですが、
メガホンを取るのが絶対にすべらない映画監督である中村義洋ということで、
面白い作品になるのは約束されたようなもので、とても期待してます。

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