ブログデンティティー

blog-dentity since 2013

ツリー・オブ・ライフ

13日に閉幕したスイスの第64回ロカルノ国際映画祭ですが、
松本人志監督の『さや侍』が海外初公式上映されたことばかり話題になってましたが、
その裏で青山真治監督の『東京公園』が最高賞「金豹賞」を獲得したそうで、
上映されただけで得意満面の松っちゃんはとんだピエロで、やっちゃった感があります。
ボクにとってもまさかの結果でした。
『東京公園』なんて絶対に退屈な映画だろうと完全にスルーしてたんですが、
そこそこ大きい国際的な賞を受賞するほどの作品を見逃してしまうなんて、
ボクもやっちゃった感があります。
第61回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した『ヘヴンズストーリー』の時も、
スルーしてしまったことを公開してるんですよね。
どちらももう日本公開終了してるし、パッケージ化待ちになるのかな…。

ただ大きな賞取ったからといって、必ず面白いというわけでもないのが映画。
映画賞にもそれぞれ色があり、例えば世界三大映画祭でいえば、
ヴェネツィア国際映画祭で受賞したり出品されたりする作品は好きだけど、
逆にカンヌ国際映画祭関係の作品はかなり苦手です。
ベルリンは…、う~ん、どちらともいえないかな?
他にもやはりハリウッド映画が好きなので、トロント国際映画祭とも相性がいいです。
同じくカナダのモントリオール世界映画祭にも注目しています。
もちろん一番信頼できるのは(国際映画祭ではないけど)アカデミー賞です。
ロカルノ国際映画祭関係の作品はあまり馴染みがないので、好き嫌いはわかりませんが、
これを機に注目していきたいと思います。

ということで、今日は苦手なカンヌ国際映画祭で最高賞を取った作品の感想です。
苦手なら観に行かなければいいだろって話ですが、
なぜかカンヌ絡みの作品は、他の国際映画祭絡みの作品よりも観る機会が多いんです。
カンヌは日本公開されやすい映画祭なのかもしれません。

ツリー・オブ・ライフ

2011年8月12日日本公開。
第64回カンヌ国際映画祭、パルムドール受賞作。

1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……。(シネマトゥデイより)



カンヌ国際映画祭は世界中から退屈な映画を集めるお祭りで、
その頂点であるパルムドールは、まさに退屈映画・オブ・ザ・イヤーです。
昨年の『ブンミおじさんの森』、一昨年の『白いリボン』は、
ボクの生涯ワースト、1位2位を争う退屈な映画でした。
そういう意味では本作はこれ以上ないほどパルムドールに相応しい作品。
クソ退屈な映画です。
(あ、日本では9カ月で3本のパルムドールが公開されたことになるんですね。)

哲学的で宗教的で一体何が言いたいのか全くわからない映画ですが、
難解というのとはちょっと違うと思います。
難解ならば難しいけどちゃんと答えはあるということですが、
本作には答え、つまり主題なんてものは端からないと思われます。
とりあえず抽象的にサイケな感じで作ったら芸術的に受け取られるだろう、
という思惑で制作されているように思います。
もちろんそんなことを並みの監督がやれば叩かれる、あるいは無視されます。
ところが本作の監督は「伝説の監督」の異名を持つ巨匠テレンス・マリックです。
批評家や映画人たちは「彼の作品は持ち上げておけば問題ない」、
「この作品の良さがわからない奴はモグリだ」とでも言わんばかりに、
右倣えで本作を大絶賛、結果パルムドール受賞、アカデミー最有力の声もあります。

しかし何もしがらみのない観客の反応は正直です。
上映中、居眠り、退出は当たり前。
ネット上の素人レビューでは酷評の嵐です。
「退屈でも返金はしません。」なんて張り紙をしている映画館もあったんだとか…。
「退屈ならば返金」を謳っていた『イングロリアス・バスターズ』とは、
同じブラピ主演作品でもえらい違います。
伝説の監督の太鼓持ちたいのか、自分の映画IQの高さを示したいのかは知らないけど、
一般人の感覚をなくしてしまった批評家のレビューには、何の信憑性もないです。

ボクが素人なので意味がわからないだけで、本当は深いテーマがあるのかもしれない。
でもそうじゃないと思う理由のひとつは、監督自身が表舞台に登場するの避け、
本作について何のインタビューも受けないからです。
きっと質問されても、答えられるような内容を何も込めてないからです。
彼がインタビューに答えないのは「作品がすべてを代弁する」と考えているかららしいが、
少なくとも本作からは何も伝わってこないです。
太鼓持ち批評家どもが勝手に好意的な深読みしていろんな解釈を発表していますが、
理解しているつもりでいる批評家通しですら解釈がバラバラ。
もし本当に本作に何かメッセージを込めているんだとしたら、
もうこれは監督として伝える能力が欠如しているとしか思えません。

良く言えば「観客に媚びない作品」ですが、
それは単に観客を楽しませようとしてないわけで、商品としては最悪です。
別にこれが映画通だけを相手にしたアート系ミニシアターで上映されているなら、
ニーズが一致しているので構わないけど、こんなポピュラリティのない作品を、
わざわざマネーメイキング・スターのブラピを主演に据えて、
あたかも感動のヒューマンドラマ大作のような顔してシネコンで上映しないでほしい。
(しかも日本ではなぜかディズニー配給だし…。)
ボクは半ば自ら地雷踏みに行ったようなものだからいいけど、
ブラピ主演だから観に来た一般のお客さんが気の毒です。
これで映画が嫌いになっちゃったらどうするんですか。
これはシネコンのお客さんへの配慮…、というかもはやモラルの問題です。

そのブラピですが、本来は製作に関わるだけで主演する予定ではなかったそうです。
でも誰だか知らないけど主演俳優のスケジュールが合わなくなったとかで、
「それじゃ、オレがやろうかな」って感じで主演になったそうです。
伝説の監督の作品ってことで、盲目的にパルムドールは取れたでしょうが、
ブラピ主演じゃなかったら、日本でこんな大規模公開はされなかったはず。
それこそ『ブンミおじさんの森』程度の扱いになったでしょう。
主演が降板しなければ、ブラピさえ主演じゃなかったら、
千数百円払って2時間無駄にした不幸な日本人がどれだけ減ったか…。
監督が表舞台から逃げてしまって、ブラピが監督の代わりにインタビューなど、
フロントマン的な仕事をしていますが、彼のインタビュー記事読んでも、
本作の内容に関しては要領を得ないので、主演の彼も理解してないんじゃないかと思う。
(インタビュアーも理解してないので、質問ももっぱら彼の私生活の話になります。)
それでも立場上、本作を絶賛しなきゃいけないわけで、彼の株も落ちましたよ…。

内容については理解できないし、わざわざ解釈してやろうとも思わないので、
感想として書けるようなことは何ひとつありません。
ただ映像的なこととして、前半に何の脈絡もなく宇宙の創造と生命の誕生を描いた、
サイケな映像が流れるのですが、そのほとんどは当然CGです。
しかしこのCGの出来はかなり酷く、出来の悪いネイチャードキュメンタリーのよう。
特にパラサウロロフスやトロオドンなどの恐竜は重量感が全く感じられずCG丸出し。
まったく必要のないものをわざわざ登場させてチープさを晒してるんだから痛いです。
あと古生代の生物がウーパールーパーって、まともな考証するつもりはないんでしょうか…。

ちやほやされている金持ちが道楽で作った映画です。
新興宗教の広報ビデオ程度の価値しかなく、
テレンス・マリック教の信者以外は観る価値ないです。
ブラピファンは早まらないで『マネーボール』の公開まで我慢しましょう。

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://blrpn.blog.fc2.com/tb.php/518-514524f6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad