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モンスターズ/地球外生命体

円高、スゴイことになってますね。
ボクは為替とは縁遠い生活なので、それほど円高を実感することはありませんが、
これだけ円高が騒がれると、ついつい何でもドル建て計算してしまいます。
ボクがよく消費するアメリカ製品といえば、ハリウッド映画です。
日本では価格カルテル(?)で映画一本一律1800円と決まっていますが、
これを8月1日に付けた最高値(1ドル=76円29銭)で計算すると、約23ドル59セント。
アメリカの映画料金は(地域や時間で大きく変わるけど)約13ドル60セントだそうで、
ドルにすると日本の映画料金の高さに愕然とします。
映画も円高還元セールすればいいのに…。

まぁ円高云々以前に、もともと日本の映画料金は世界一高いと言われており、
たとえばお隣韓国は、最近大幅値上げされましたが、それでも約660円(9000ウォン)。
中国はかなり地域間格差はあるようですが、だいたい約730円(約60元)らしいです。
やはり日本だけ突出して高いです。
…とはいえ、日本でも律儀に定価の1800円払っている人は1割しかいなくて、
全体の6割は割引制度を利用して1000円で観ているそうです。
ボク(成人男子)は割引制度に該当しないことが多いので、
だいたい前売券(1300円~1500円)を利用して、少しでも安く観るようにしています。
でも割引券を販売してない作品ってのもけっこうあるんですよね…。
それでも定価は払いたくないので、映画の日(一律1000円の日)まで我慢したりします。

ということで、今日は前売券がなかったから映画の日に観た作品の感想です。

モンスターズ/地球外生命体

2011年7月23日日本公開。
ハリウッド版の新『ゴジラ』のギャレス・エドワーズ監督による低予算怪獣映画。

太陽系に地球外生命体の存在を確認したNASAは、探査機でサンプルを採取したが、大気圏突入時にメキシコ上空で大破してしまう。それから6年後、モンスターたちの襲撃で大きな被害を受けるメキシコでスクープを狙うカメラマンのコールダーは、けがをした社長令嬢サマンサをアメリカ国境付近まで送り届ける命令を受けていた。(シネマトゥデイより)



公開2週目に観たのですが、その劇場ではすでに一日一回上映になっており焦りました。
つまりその程度の注目しかされてない本作ですが、
2012年公開予定のハリウッド版『Godzilla』のリブートの監督に抜擢された、
ギャレス・エドワーズの監督作品ということで、是非観たいと思っていたので、
日本公開されただけでもありがたいです。
本作が彼の初監督作品ですが、これのお陰で『Godzilla』に大抜擢されたわけです。
もともと今度の『Godzilla』はかなりいいものになる予感がありましたが、
本作を観ていよいよ確信めいてきました。
(しかも先日、『ダークナイト』の脚本家の起用が発表され、もう鉄板です。)

本作は公式サイト等々で「総製作費1万5千ドルの超低予算映画」と紹介されています。
でもそれは方便というか誇張で、実際は撮影費用が1万5千ドル、
VFXの費用もろもろで50万ドルくらいの予算はかかっています。
ボクも総予算が1万5千ドルだと信じて観に行ったので、
本作を観て「この高クオリティでその低予算はいくらなんでもありえない」と思い、
後から調べてみたら案の定でした。
インパクトのある宣伝をしたいとはいえ、誤解を生むような表現はあまり感心しません。
ただ50万ドルであったとしても、十分低予算で、まだ信じられないくらいのクオリティ。
日本の『ゴジラ』の最終作でも予算20億円(約2000万ドル)かかってるし、
怪獣映画でこの予算は超破格だと思います。

普通の低予算映画ならば、予算がない分、物語や設定の発想力で勝負するものですが、
本作は映像的にもかなり見応えのあるものに仕上がっています。
それはVXFのスゴさやアクションの派手さとかではなく、
ロケーションの素晴らしさによるものでしょう。
中南米の大自然を天然のセットに、壮大で素晴らしい画が撮れています。
低予算映画といえば、あえて限定的なシュチュエーションで撮るものが多いけど、
あえてセット不要のロケをすることで、予算を抑えるというのもアイディアですね。
しかも主演の二人と数人のスタッフだけを連れてロケを敢行し、
その他のキャストは現地調達したとか…。
これもドキュメンタリー感を生み、リアリティが増します。

宇宙怪獣のサンプルを持ち帰る途中の宇宙探査機が、メキシコに墜落。
地上に放たれてしまった怪獣はその場で繁殖してしまい、人間を襲います。
アメリカは怪獣の生息地にバリケードを築き、
アメリカ大陸を横断するように危険地帯として隔離。
そのため中南米からアメリカ合衆国に陸路で入国するのが困難になります。
アメリカ人カメラマンのコールダー(スクート・マクネイリー)は、社長命令で、
メキシコで怪我をした社長令嬢のサマンサ(ホイットニー・エイブル)を
アメリカに脱出させる特命を受けますが、海路での脱出に失敗し、
危険地帯を縦断する陸路で脱出することになるが…、というストーリーです。

ぶっちゃけVFXを必要とする怪獣の登場シーンはそう多くはありません。
でも要所要所で印象的に登場し、存在感を示しています。
また怪獣は、サケに似た繁殖方法を取るなど、生物として生態がしっかり描かれていたり、
造形的にも実在の軟体動物に近く、なかなかリアリティがあります。
なので地球外生命体ですが、最近流行のエイリアンによる地球侵略SF映画とは違います。
メキシコの危険地帯のシーンは、河川やジャングルが多いこともあり、
どちらかというと『アナコンダ』など動物系パニック映画に近い印象です。

それだけだと単なるB級映画で終わってしまうのですが、
本作の興味深いところは、外から見たアメリカの軍事行動を揶揄する内容であること。
メキシコ側の危険地帯の境では、たびたび怪獣が出現し、住民を脅かしていますが、
そんなほとんど戦場のような場所でも、住民たちは普通に働き、生活しています。
そこに米軍機がたびたびやってきて、怪獣を攻撃するのですが、
そこの住民にしてみれば迷惑なのはむしろ、怪獣よりも空爆を行う米軍。
アメリカにしてみれば人類のために怪獣駆除しているつもりだけど、
住民にとっては有難迷惑で、怪獣に対する空爆に反対の声を上げています。
怪獣をテロリストと見立てると、まるでどこぞの中東の国のようですね。
さらに怪獣が出現すると、人々はガスマスクを装着するのですが、
怪獣が放射能とか毒ガスを放出している様子はなく、
おそらくこれは怪獣駆逐のために米軍が生物兵器を使用しているからです。
そもそも怪獣が地球に来たのもNASAの失態が原因で、アメリカのせい。
にもかかわらずアメリカ側の国境にだけ高くて頑丈な障壁が設置され、
アメリカ市民はその中で平時同様、安寧と暮らしています。
そんなアイロニーたっぷりの設定が、本作を面白くしています。

ちょっと気になるのは、主人公コールダーとヒロインのサマンサは、
お約束どおり恋に落ちますが、この過程がちょっと納得いかないかな。
コールダーはかなりお調子者で、予定どおり海路で安全に脱出できなかったのは、
彼がオッチョコチョイでとんでもないヘマをやらかしてしまうため。
そのため仕方なく危険地帯を抜ける陸路を選ぶしかなくなるのだけど、
その巨額の旅費もサマンサ持ちになります。
はっきり言ってコールダーは相当なダメ男で、こいつと恋仲になるなんてありえないです。
あと、社長令嬢であるサマンサが、戦場同様の危険なメキシコで何をしていたのか?
そこももう少し掘り下げると、物語に更なる深みが出てくるはずです。

若干チープなところもありますが、50万ドルでここまで出来るとは大したものです。
監督の次回作『GODZILLA』は少なくとも本作の100倍は予算が付くと思われますが、
50万ドルでもこれほど高いクオリティで撮れるんだから、
それだけ予算を掛ければ、かならずいいものが出来るはずです。
…なんて、予算と作品の出来が比例するとは限らないのが映画の面白いところですよね。
でもこの監督ならやってくれそうな気がします。

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