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デビルクエスト

『ハリポタ』『コクリコ坂から』『トランスフォーマー3』『カーズ2』を鑑賞して、
ひとまず今年の夏の話題作・大作ラッシュは乗り越えたかなという気分です。
次の大作ラッシュは秋(特に10月)です。
『ワイルドスピード5』『カウボーイ&エイリアン』『キャプテン・アメリカ』など、
日本でもヒットするかは微妙ですが、ボクとしては夏映画よりも楽しみなラインナップ。
そこに照準を合わせて、暫くの間、映画熱も少しクールダウン。
これからは中小規模の作品をのんびり観ていきたいと思います。

ということで、今日は国内で6館のみの小規模公開映画の感想です。
本来ならそれなりの大作扱い受けてもおかしくない作品ですが、
夏の大作ラッシュに圧され、かなり限定的な公開になってしまいました。

デビルクエスト

2011年7月30日日本公開。
主演ニコラス・ケイジで描くアクション・アドベンチャー。

十字軍の騎士ベイメン(ニコラス・ケイジ)とフェルソン(ロン・パールマン)は、キリストの名のもとに激しい戦闘の日々を送っていた。そんなあるとき、遠征と殺りくの日々に疑問を抱いたベイメンは、フェルソンと共に旅に出る。しかし、立ち寄った町で捕らえられた彼らは、枢機卿からある特命を受け、修道院を目指すことに。(シネマトゥデイより)



残念な邦題を付けられるハリウッド映画は多いけど、本作は特に酷い。
本作は、『ドラゴンクエスト』など日本の名作RPGを参考に制作されたとされ、
RPG的な要素満載などと宣伝されており、そのため「~クエスト」という邦題が付いたけど、
これは完全に邦題を付けた人が、勝手に本作をRPGぽいと感じただけで、
内容はそれほどRPGぽくはなく、「参考に制作された」という事実もないと思われます。
強いてRPGぽいところを挙げるなら、主人公パーティのジョブが騎士だけでなく、
ビショップや商人もいるということくらい。
別にモンスターとエンカウントするわけでもなく、魔法が使えるわけでもなく、
『ドラクエ』を代表する「剣と魔法のファンタジー」とは全く違います。
原題『Season of the Witch』の印象でもわかるように、
本作のジャンルはファンタジーなどではなく、ホラーやオカルトです。
中世を舞台にパーティ組んで旅するだけでRPG風だと感じるんだから、
邦題を付けた人はRPGをロクにやったことがないんじゃないかな?
そもそもRPGは日本発祥ではないので、わざわざ『ドラクエ』を参考にするはずないです。

でも日本公開にあたり、無理やりにでも日本のRPGと関連付けて宣伝しないと、
誰も興味持ってくれないと思ったのかもしれません。
その効果が集客に現れたかどうかは不明ですが、
「ファンタジーと思わせておいて、その実、オカルト映画だった」となると、
せっかくの観客にも、あまりいい印象は持ってもらえないと思います。
しかしそれ以上にこの邦題のダメなところは、重大なネタバレになっていることです。
その理由は後で書きますが、邦題付けるならせめて『ウィッチクエスト』にすべきでした。
(ちなみにこの記事もネタバレだらけですので注意してください。)

前述のように本作はオカルト映画です。
去年から今年にかけて、ハリウッド映画ではちょっとしたエクソシスト・ブームがあり、
本作もそんな流れの中で公開されたエクソシスト系のオカルト映画です。
普通のエクソシスト映画とちょっと違うのは、舞台が中世であり、
十字軍、ペスト流行、魔女狩りといった、中世的な要素を題材に作られていること。
(しかし史実が基ではなく、この3つの要素は時期が一致していません。)
魔女狩りで捕えた一人の少女が、ペストを発生させる魔女ではないかと疑った枢機卿が、
彼女を魔女裁判にかけるため、一流の修道士がいる修道院に彼女を護送、
十字軍の騎士ベイメン(ニコラス・ケイジ)をその護衛に付ける、という物語です。

この物語のポイントは、魔女の嫌疑を掛けられた少女が、一体何者かということ。
異教徒を殺戮する教会のやり方に疑問を感じ、十字軍を脱走したベイメンは、
教会が魔女狩りで捕えた少女を魔女だとは思えず、
その少女に公正な魔女裁判を行うという条件で護衛の特命を受けます。
その旅に同行するデベルザック神父(スティーヴン・キャンベル・ムーア)は、
当然少女が魔女であると決めつけており、しばしばベイメンと対立。
しかしその少女は挙動がかなりおかしく、ベイメンも徐々に困惑します。
教会を悪として描かれているので、ベイメンの立場で観ている観客も、
彼女が魔女か否かわからなくなってくるはずです。

しかし、彼女は普通の少女でも魔女でもなく、"悪魔そのもの"だった…、
…というのが本作のオチなわけですが、そこがこの邦題の問題点です。
この邦題、単なる日本のRPGのパロディともとれますが、直訳すれば「悪魔の探索」。
オチそのものズバリじゃないですか?
悪魔も魔女も同じと思う人もいるだろうし、現にこの邦題つけた人がそうなのでしょうが、
魔女は悪魔と契約した人間であり、悪魔とは全然違うものです。
悪魔か魔女かによって、その少女の目的、修道院に連れていかれる意味合いが、
180度変わってしまいます。
単純にダサいこと以上に、少女の正体がイシューである本作にこの邦題はあり得ません。

ならば原題のまま上映されていたら面白いのかといえば、それは別の話で、
ファンタジー映画として観てしまうとどうしようもない作品なのは間違いありませんが、
エクソシスト系オカルト映画としてもイマイチな出来であることは否めません。
特にラストの悪魔祓い…というか悪魔とのバトルですが、
なんであんなガーゴイルのような露骨な悪魔の姿に変身してしまうのか…。
少女の姿のままの方がインパクトがあったはずです。
それにソロモンの鍵さえあれば、青二才の侍者でも祓えてしまうなんて…。
しかもその侍者は、せっかく騎士にしてもらったのに、けっきょく聖職に戻ってるし…。
魔女狩りと悪魔祓いを融合させた発想はよかったと思うんですが、
うまく発展させられず、中途半端に幕を引いてしまった印象です。

よかったところを強いて挙げるなら、ペストに侵された人のグロい特殊メイクですね。
腫瘍というかケロイドというか、とにかくキモいですが、よく出来ています。
ただ実際にペストにかかっても、あんな風にはならないと思うけど…。
あと、中世の衣装もなかなか頑張っていたと思います。
特に中世の医者たちが被る対ペスト用マスクはいいですね。

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