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実写版映画 忍たま乱太郎

先日観た『ロック ~わんこの島~』ですが、
主人公の少年の友達役の女の子が「どこかでみたことある子だな」と思ったのですが、
よく見ると、数年前にかなり評判になった子役・美山加恋ちゃんでした。
前見た時は主人公役の土師野隆之介くんと同じくらいのちっこさでしたが、
しばらく見ないうちにすっかり大きくなって、二周りくらい膨らんだ感じ。
それにしても当時はあんなに人気があったのに、これだけ見ない日が続くなんて、
芸能界は世知辛いですね…。

今は子役では『阪急電車』の芦田愛菜ちゃん、『ちょんまげぷりん』の鈴木福くん、
『怪物くん』の浜田龍臣くんあたりが人気あるみたいですね。
よく「人気子役は大成しない」っていいますが、
ナタリー・ポートマン、ドリュー・バリモア、ジョディ・フォスター、
スカーレット・ヨハンソンなどハリウッドには大成した元子役は多いです。
(マコーレ・カルキンばかり例に出すのは悪意がある。)
だから「人気子役は大成しない」というのは日本だけのことで、
これは本人たちに問題があるのではなく、日本の芸能界のシステム的な問題だと思います。
ただ単に、日本の映画やドラマに中学生以下の子役を必要とする役柄が少ないために、
一時的に人気が出ても、露出し続けられるほど受け皿がないだけじゃないかな?
そしてすぐに過去の人になっちゃうんですよね。

ということで、今日は子役がメインの映画の感想です。
主演の加藤清史郎くんも、去年まであんなに人気者だったのに、
2011年に入ってから全く見なくなりました。
今は本作の宣伝でけっこう露出もしてますが、また浮上できるかな?

実写版映画 忍たま乱太郎

2011年7月23日公開。
原作漫画やETVのアニメで人気の「忍たま乱太郎」の初の実写映画版。

三流忍者の家に生まれた乱太郎(加藤清史郎)は両親の期待を胸に忍術学園に入学するが、そこで出会ったしんべヱ(木村風太)やきり丸(林遼威)と共に授業も試験もドジばかりの日々を送っていた。ある日、髪結いの息子で四年は組の斉藤タカ丸の家に暗殺者が出現。乱太郎たちは友達を救うために立ち上がるのだが……。(シネマトゥデイより)



ボクはいい大人だけど子ども向け映画も好きだし、
けっこう子ども向け映画も観に行くけど、あんな雰囲気の劇場は初めて。
夏休みの平日の夕方とはいえ、劇場内は半数以上が子ども。
それも家族連れではなく、子どもばかりのグループが多いです。
(その子ら親は映画館を託児所代わりに、近くでショッピングしてるのかな?)
そして上映中、アチラコチラでビックリするくらいケラケラ爆笑してるんですよ。
でも本作、大人のボクからすると全っっっ然笑えないんですよ。
ボクは自分の感受性が子どもっぽいんだろうと思ていたのですが、
本作を見て「全然そんなことなかった」と認識が変わりました。

本作はいわゆるファミリー映画とは違い、完全に子どもだけをターゲットにした映画。
いい大人が観ると呆れるを通り越して不愉快さを感じるほどの、
子どもしか笑わないギャグが満載のコメディです。
どんなギャグかといえば、簡単に言うと下ネタと暴力。
もちろん下ネタは大人が好むようなセクシャルなものではなく、排泄物・汚物系。
そのモノがやたらリアルで、お茶の間では絶対流せません。
子どもたちは大爆笑でしたが、ボクは吐きそうでした。

しかし稚拙な下ネタよりむむしろ性質が悪いと思ったのは暴力ネタです。
バイオレンス映画は大人も大好きなものですが、あくまで大人相手の暴力だからです。
大人が子どもに対して振るう暴力は、たとえネタとはいえ気分の悪いものです。
かなり序盤に忍たま一年生の子どもを、担任教師が後頭部を思いっきり殴り、
机に打ち据えるというシーンがありました。
実際にやると死んでもおかしくないような体罰ですが、
とてもリアルでサッと血の気が引きました。
もちろん子どもたちは、その容赦なさに大爆笑してましたが、
ボクはその瞬間「あ、この映画は合わない」と、距離を置いて鑑賞する決心をしました。
一度斜に構えてしまうともうダメ、悪いところしか見えなくなります。

この下ネタと暴力が過ぎる作品が、NHKのアニメを実写化だからビックリです。
もしこの原作アニメが本作と同じような内容であったなら、
「子どもに見せたくない」と有害番組扱いされることは確定で、苦情殺到するはず。
民放でも流せるか微妙な内容ですが、ましてや公共放送たるNHKでは絶対に無理です。
『セカンドバージン』や『サラリーマンNEO』など、
映画製作にも積極的になってきているNHKですが、
よくこんな内容の本作に許可を出したものだと感心します。
いや、公共放送のくせにこんな低俗なものを許可するのは感心できません。
春に公開された劇場版(アニメ)の『忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段』の方は、
NHKアニメらしい、道徳的でとても健全な内容だったんですけどね。

こんなことになってしまった原因は明らか。
監督を三池崇史に任せてしまったからに他ありません。
三池崇史バイオレンスと悪ノリを得意とする監督で、
あの園子温と並び称されるほどのハードコアな人です。
本来なら子ども映画なんて絶対に任しちゃいけない人だけど、
三池監督はどんなオファーでも受けてしまうんですよね。
2009年の『ヤッターマン』でアニメの実写化の実績もありますが、
あれにもドン引きの下ネタを盛り込んできた人です。
それだけでなく、監督作が去年は『十三人の刺客』が金獅子賞のコンペ部門、
今年は『一命』がパルムドールのコンペ部門で上映された、国際的な評価も高い大巨匠で、
もし意図しないものを作られても、製作が意見できるような人ではないです。

今回は子ども向け映画のオファーということをハードコアに解釈して、
意図的に極端に子どもにしかウケないものを作ったんだと思います。
品行方正な番組しかし作れないNHKに対する悪ノリって感じもします。
狙った通り、子どもにはこれ以上にないほどウケる作品になっていることは流石ですが、
それ自体が彼の大掛かりなネタだったとしても、
子どもが観るものを不道徳な内容にされるのは大人として許容できないです。
(大人でも彼のファンであれば、子どもとは別の意味で楽しめるかも。)

ボクもPTAから有害アニメ扱いされている『クレヨンしんちゃん』が好きだったりするけど、
本作の悪ノリはさすがにやりすぎ。
こんなのを面白がる子供の心理は理解できなくもないけど、
ボクが親ならば、これを観て自分の子どもが笑ったら注意したくなると思います。
実際に子どもグループは爆笑してたけど、親子連れの子どもは
親に遠慮しているのかあまり笑ってなかったような…。
あと意外だったのは、こんな下ネタや暴力は男の子が好むものだと思ってましたが、
女の子の方がウケまくっていたこと。
最近は原作アニメ自体が腐女子向けアニメと認識されているようで、
もともと女の子の方が多かったということもあるんでしょうが…。
だとすると、原作のテイストを活かすには、尚更三池監督に任せるべきではなかったです。

ただ彼に任せることが功を奏した点が二つ。
ひとつはバイオレンス監督だけに、アクションシーンがうまく撮られていて、
上級生の修行シーンなど、忍者の動きがアクロバティックで見応えがあります。
もうひとつはキャストの豪華さ。
総勢80名ものキャラが登場し、その半数のキャストはほぼ無名の子役ですが、
大人のキャストが無駄に豪華です。
平幹二朗、中村玉緒、松方弘樹、鹿賀丈史、柄本明、石橋蓮司、竹中直人などなど、
豪華だと持て囃された『十三人の刺客』並みに豪華。
しかしほとんどのキャラが原作の外見を再現するために分厚い特殊メイクをしており、
誰が演じても同じじゃないか?ってくらい原形をとどめていません。
谷原章介なんて声でしか判別できないくらいです。
その使い方の贅沢さがまた豪華ですよね。

でもそれもいいのかわるいのか…。
キャラが多すぎて、ほとんどのキャラが顔見世程度にしか登場せず、
主役である乱太郎でさえ、最後にちょっと活躍するくらいで出番が少なく、
ギャグ要員のしんべヱはまだしも、きり丸は脇役同然の扱いです。
キャラをたくさん出すことが目的になっていて、ストーリーはかなりいいかげん。
ラストのオチにしても子供騙しもいいところです。
三池監督のことだから、子ども向け映画をあえて子供騙しにするという、
ひとつの大掛かりなネタのつもりなんだと思いますが…。
その意図的なやっちゃった感を楽しめる人でもなければ、
ストーリーも大人の鑑賞に堪えうるものではありません。

外国人は忍者が好きなのと、国際的にも評価が高い三池崇史監督の作品ということで、
本作に海外からの上映オファーが殺到してるとか…。
できれば日本の恥にならないように、海外に出さないでほしいです。
でもこの手の下ネタ、暴力ネタに国境はないし、海外の子どもたちも爆笑だろうなぁ…。

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