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デビル

今日は海の日です。
なんか女子サッカーW杯を見れるように設定された祝日のようでナイスでした。
ボクも日本代表が準決勝に上がってからその大会の存在を知ったような状態だったので、
おいしいところ(決勝)だけ見て感動させてもらったことに対しては、
「感動をありがとう」というより「申し訳ない」という気持ちです。

さて、TOHOシネマズの「日劇サマーナイト・ロードショー」っていい企画ですよね。
「日劇サマーナイト~」は"映画を本気で愛し、本気で楽しむ大人たちのための作品"を
上映する新レーベルですが、平たく言えば、あえてB級~C級作品を上映する企画です。
本国での成績・評価が振るわず、本来なら日本での劇場公開を見送られてもおかしくない、
またはミニシアターで何とか上映されるようなレベルの作品を、
環境のいいシネコンで観れる機会を作ってくれたことはとてもありがたいです。
シネコンなんて上映するものはどこも一緒なので、こんな差別化企画は歓迎です。
でもレーベル名の通り、夏限定の企画なのかな?
第2弾『ドライブ・アングリー3D』、第3弾『ピラニア3D』までは決まってますが、
それ以降はとりあえず様子見って感じでしょうか?

ということで、今日は「日劇サマーナイト・ロードショー」第1弾の感想です。
てっきりレイトショーのみかと思ってましたが、朝一から上映してて助かりました。

デビル

2011年7月16日日本公開。
M・ナイト・シャマランが長い年月をかけて練り上げてきたアイデアを、
将来有望な映画作家たちが映画化するプロジェクト「ザ・ナイト・クロニクルズ」の第1弾。

高層ビルで男が墜落死し、現場に急行した刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)は、ロザリオを握りしめた死体に違和感を感じつつも、状況から自殺と判断する。ちょうどそのころ、同じビルのエレベーターが突然停止し、閉じ込められた5人の男女が、照明が消えるごとに1人ずつ無残な死を遂げるという奇怪な事態が起きていた。(シネマトゥデイより)



本作は『シックス・センス』のM・ナイト・シャマランが立ち上げた新ブランド、
「ザ・ナイト・クロニクルズ」三部作の第一弾です。
「ザ・ナイト・クロニクルズ」はシャマランが考えたストーリー(アイディア)を、
将来有望な映像作家を監督にして映画化させようというもので、
表向きは若手にチャンスを与えようという養成企画です。
ただ実際は、シャマランが原作もの超大作『エアベンダー』三部作にかかるため、
自分の本当に撮りたいオリジナルのオカルト映画を暫く撮れなくなりそうなので、
若手監督を傀儡にして、自分の撮りたいものも代わりに撮らせよう、
…という企画なんじゃないかと思います。

それでも若手監督にとっては巨匠シャマランのブランドで注目してもらえるので、
メリットはある、…と思っていたでしょうが、これも大誤算。
『エアベンダー』一作目がラジー賞5冠の超駄作で、三部作続行はほぼ不可能な状態だし、
前々作『ハプニング』、前々々作『レディ・イン・ザ・ウォーター』も大コケ、
このところの失敗続きで、もはやシャマランのブランド力は地に落ちています。
本作ももともとはブランド名が入った『ザ・ナイト・クロニクルズ/デビル』だったけど、
『エアベンダー』の失敗で、「これはマイナスイメージになるのでは?」ということで、
ブランド名が省略され、単に『デビル』というタイトルになったらしいです。

ボクはシャマランに対して好意的な方ですが、さすがに『エアベンダー』は受け付けなく、
「この人、監督に向いてないのかも?」と薄々感じるようになっていました。
ただね、やっぱりオカルトに関しての発想力はすごい人だと思うんですよ。
彼のオリジナル作品は、オチがぶっ飛びすぎて理解しきれないことが多いけど、
序盤から中盤にかけての展開のワクワク感は、他の作品ではなかなか得られません。
映画としてまとめると、独りよがりすぎてついてけなくなりますが、
アイディアだけ提供して映像化は他人に任せるという本作のスタイルは、
彼の類まれなる発想力だけをうまく活かせるいい方法だと思います。

つまり、そうやって作られた本作は、当然面白いです。
展開のワクワク感はそのままに、第三者(若手監督)の介入でオチも無難にまとめられ、
なかなか満足できる仕上がりでした。
まぁ、シャマラン監督作のぶっ飛んだオチに比べれば、オチが弱く感じるのも確か。
これを彼自身が監督してたら「普通のスリラーで期待ハズレ」となるかもですが、
若手監督の作品だと思えばかなり上出来、並みのスリラーよりも楽しめます。

高層ビルの直通エレベーターの中に閉じ込められた初対面の男女5人。
モニター室で異変に気付いた警備員たちは、なんとか復旧させようとするが、
故障の原因も全くわからない。
そんな中、エレベーター内部で、一時的な停電に乗じて傷害事件が発生。
真っ暗な中での犯行で誰が犯人かもわからず疑心暗鬼になる5人。
次の停電が起きた時、1人が殺され、パニックになる残り4人。
そして停電の度に、また1人、また1人と殺されていく…。

(ちょっとネタバレになるかもだけど、)シャマラン曰く、本作のストーリーは
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』から着想を得ているとのこと。
クローズドサークルものの代名詞的ミステリー小説ですが、
本作はエレベーター内部だけという超クローズドサークルでの出来事です。
エレベーターとその周辺だけで、よく80分もの上映時間をもたせられますね。
しかもダラダラしたところは一切なく、とてもいいテンポ感です。
もともと短めな上映時間だけど、ホントにアッという間に終わった感じです。

主人公はエレベーター内の5人のうちの1人ではなく、
その殺人事件を捜査にやってきた刑事ボーデン(クリス・メッシーナ)です。
なので観客は5人のうち次誰が死ぬかもわからず、ドキドキします。
その主人公の刑事が外から5人の素性を調べて、事件を解決しようとする話ですが、
本作はシャマラン原案のオカルト映画であり、ミステリーではありません。
単なる殺人事件ではなく、タイトル通り、悪魔的な何かが関与した事件であることが、
かなり序盤から匂わされます。
観客も初めから実は犯人なんかいなくて、悪魔による仕業なんだろうと思うわけですが、
もしかしたら悪魔はミスリードさせるための演出で、本当に犯人がいるかも、
と思えるような絶妙なさじ加減で、オカルトとしてもミステリーとしても楽しめます。
とてもよく出来た脚本だと思います。

でも1点だけ、もうちょっと何とかしてほしいと思ったのは、
序盤の飛び降り自殺のエピソードがあまり本筋と関係なかったこと。
何かの伏線かと期待したのに、ロクに活かされませんでした。
ただ主人公を現場に呼ぶための手段だったってことかな?
あと、宗教的な感覚の相違なのか、悪魔が罪人を罰するというのにはちょっと違和感が…。

さて、「ザ・ナイト・クロニクルズ」三部作ですが、
『エアベンダー』三部作と違い、次回作がすでに動き出しているようで、
第2弾は陪審員を描いたオカルトもの『Reincarnate(原題)』、
第3弾は『アンブレイカブル』の続編候補として温めていたネタの再利用だそうです。
どちらも面白そうですが、アメコミ映画ファンとしては第3弾に特に期待しています。
そのためにも第2弾が大コケして、打ち切られないように祈るばかりです。
シャマラン自身は『エアベンダー』三部作はひとまず置いといて、
ウィル・スミス親子出演のSF映画を撮るそうです。
今度コケたらマジで干されそうだけど、ウィル・スミスが出るなら大丈夫かな。

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