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ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ

毎日嫌になるくらい暑いですが、映画界も本格的なサマーシーズンの到来し、
今月は『ハリー・ポッター』『コクリコ坂から』『トランスフォーマー』『カーズ2』と、
話題作がガンガン封切られます。
大作・話題作がどんどん公開されるのは活気があっていいですが、
少し心配なのは、本数は多くてもスクリーン数は限られているということです。

『コクリコ坂から』は2Dのみの邦画なので問題ありませんが、
他の3本は3D上映される洋画です。
3D字幕、3D吹き替え、2D字幕、2D吹き替えの中から、
各シネコンで2~3スクリーンずつ押さえられそうな予感です。
その上今年は『ポケモン』まで2作同時公開されるので、
10スクリーンくらいは、すぐに埋まってしまいます。
(『ポケモン』は1スクリーンで交互に上映かな?)
なので話題作は多いのに、ボクは観る本数が少なくなりそうです。

それで煽りを食うのが、ちょっと地味目な作品。
公開規模がかなり制限されることになると思います。
すでにその傾向は始まっていて、『マイティ・ソー』クラスの作品でも、
3D字幕のみで上映なんてシネコンも多いです。
字幕か吹き替えかはまだいいけど、3Dか2Dかは常に選択できるようにしてほしいです。
または2D上映が基本で、余力があれば3Dでも上映というのが望ましいです。

ということで、今日は全国6スクリーンでしか上映されなかった作品の感想です。
作品の知名度と規模から言っても、もうちょっと拡大公開すべきだと思うのですが、
サマーシーズンの煽りを受けた気がします。いい作品なのに勿体ない…。

ナニー・マクフィーと空飛ぶ子ブタ

2011年7月2日日本公開。
エマ・トンプソン主演のファンタジー『ナニー・マクフィー』シリーズ第2弾。


農場を切り盛りするママ(マギー・ギレンホール)を手伝いながら、戦争に行って音信不通のパパの帰りを心待ちにするグリーン家の子どもたち3人。そんな中、戦火のロンドンからいとこ2人がグリーン家にやって来る。田舎育ちと都会育ちの違いから反発し合う3人と2人だったが、そこへナニー・マクフィー(エマ・トンプソン)が現れ……。(シネマトゥデイより)



イギリスの児童文学『ふしぎなマチルダばあや』を実写映画化したのが
前作『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』です。
「いたずらっ子の家にやってきたナニー(乳母)が魔女」という
『メアリー・ポピンズ』のような、至って王道なファミリー映画ですが、
少しダークさのある、大人も楽しめる佳作でした。
その前作から5年、ついにその続編が公開になりました。

5年ものブランクは前作の内容も忘れてしまいそうなほど長いですが、
それだけ間が開いた原因は、主演であり本作の脚本を手がけたエマ・トンプソンが、
本作の脚本だけに3年間も費やしたからでしょう。
彼女は女優で本職の脚本家ではないので、時間がかかったのかもしれませんが、
それ以上に、本作が原作のない、ほぼオリジナル脚本だったため時間がかかったのかな。
児童文学『マチルダばあや』シリーズは全三作あるらしいのですが、
原作の美味しいところを映画一作目『~魔法のスティッキ』で全部使っちゃったようで、
ほぼゼロから脚本を書く必要があったとのこと。
女優業の傍ら大変な作業だったと思いますが、3年も書けた甲斐あって、
かなりいい物語になっているように思います。

原作から離れたことで自由度も増えました。
前作は19世紀のイギリスが舞台でしたが、本作は第二次世界大戦中のイギリスが舞台。
時代設定に少なくとも50年以上の差がありますが、
マクフィー(エマ・トンプソン)は同じ姿で登場します。
これはマクフィーが時空を超越した存在であるという映画オリジナルの設定で、
舞台が全く変わってしまうことで、単なる続き物ではない一話完結の物語りになり、
前作忘れてもへっちゃらで、一見さんも歓迎な作品にもなっています。
ただ、前作のファンへのちょっとしたサービスもあるので、前作を復習しておくと、
マクフィーが時空を超越した存在という設定がより活かされて楽しめます。

前作は子どもたちの父親のロマンスも絡めた比較的大人向けな内容でしたが、
本作は完全に子どもたちが中心の物語で、よりこども向けの内容になっています。
前作は父親と子どもたちの対立が軸でしたが、本作は子ども同士の対立が軸です。
田舎の農場で暮らすグリーン兄妹の家に、いとこのグレイ兄妹が都会から疎開してくるが、
都会っ子グレイ兄妹が田舎をバカにしたことで大ゲンカ。
女手ひとつで子供の面倒を見るグリーン夫人(マギー・ジレンホール)は、
そんな子どもたちに手が付けられなくなりますが、そこにマクフィーが登場し、
魔法でその場を収めてしまう、という話。

マクフィーのいいところは、魔法でどんな問題でも解決してしまうのではなく、
あくまで子どもたちの自主性を尊重し、魔法はそれを導き、手助けに使うだけなことです。
結果的に問題を解決するのは子どもたち自身で、それはとても道徳的だと思います。
ボクは大人なので、前作の方が内容的には楽しめましたが、
子どもたちに観せたいということでは本作の方が上です。
なのでより子ども向けになったのは、いい傾向だと思います。
ファンシー度もアップして、たくさん登場する動物たちもとてもかわいく、
チビッコは喜ぶと思います。
若干マクフィーの顔も、怖くなくなっている気がするし…。

子どもたちが中心ということで、前作以上に子役にかかる比重が増えましたが、
これがまたなんとも魅力的な演技をする子役ばかりで…。
中でもグレイ家の長男シリルの子役エロス・ヴラホスは、
憎たらしいコミカルな演技から、泣きを誘うシリアスな演技まで抜群。
彼は本作で去年度の子役映画賞(Young Artist Awards 2011)にノミネートされましたが、
『ベスト・キッド』のウィル・スミスの息子に敗れてしまいました。
でもボクの目にはジェイデン・スミスよりも確実によかったと思います。
まぁ作品の出来からして比べ物になりませんが…。

少し伏線の回収が無理繰りすぎる、ご都合主義すぎるところが気になりましたが、
それも含めてわかりやすいので、子ども向けファンタジーとしては上出来です。
ラストのハッピーエンドも予想通りとはいえ泣けました。
マクフィーを時空を超えた存在にすることで、もっと過去から現代まで舞台にできるし、
今後は物語の幅も広がりそう。
エマ・トンプソンのライフワーク的な作品として、今後もシリーズ展開してほしいです。
5年待つのはシンドイので、できれば2年くらいのスパンで…。

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